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五首目 詠み鴉天狗知らず
詠み鴉天狗知らず
奥山に もみぢと並び 飛ぶ文の
声聞くときぞ 秋はかなしき
~意味~
妖怪の山を今日も飛び回る天狗の椛と文。特に文の声を聞いているとひとしおに、その背景に広がる山の紅葉(あっ、これは葉っぱの方の「もみぢ」ね)の美しい色が心に染みて、かなしく感じられる。
霧雨魔理沙
「…この『詠み鴉天狗知らず』ってなんだ?」
博麗霊夢
「あら、よくあるじゃない『詠み人知らず』とか」
霧雨魔理沙
「この名無し、なんかムカつくな、名無しの癖に」
博麗霊夢
「文より上位の天狗っぽいわね、読んだ感じだと」
霧雨魔理沙
「こいつ、男か?」
博麗霊夢
「男が混じることもあるって言わなかったかしら」
霧雨魔理沙
「聞いてねえよ…」
博麗霊夢
「じゃあ次ね」
霧雨魔理沙
「無視するな!」
猿丸太夫
奥山に もみぢふみわけ なく鹿の
声聞くときぞ 秋はかなしき