五十一首目 伊吹萃香
とりあえず再開…します。
伊吹萃香
萃めては 呑めや伊吹も 酒呑むさ
さては下戸かな 燃ゆる赤顔
~意味~
みんなを萃めて飲み会だ。もちろん私も呑むさ。あそこにいる奴、顔が燃えるように赤いな、もしかして下戸かな?よし、呑ませに行こう。
霧雨魔理沙
「いや、そこはそっとしておいてあげようぜ?」
博麗霊夢
「全員が呑んでないと気が済まないんでしょ」
霧雨魔理沙
「よくあんなに呑めるよな、萃香は」
博麗霊夢
「初めて宴会に付き合った時は本当に驚いたわね」
霧雨魔理沙
「寝てただろ、あの時はお前」
博麗霊夢
「え、あんたあの時いたっけ?」
霧雨魔理沙
「けっ、それすら覚えてねえんじゃねえか」
博麗霊夢
「過去は引きずらないことにしてるの」
霧雨魔理沙
「呑んだら全部忘れちゃうタイプってやつ?」
博麗霊夢
「突き詰めればそうなるかもしれない」
霧雨魔理沙
「いやあ、うらやましいな」
博麗霊夢
「なにがうらやましいのよ」
霧雨魔理沙
「酔ってる間に自分がなにしたのか覚えてないってことは…」
博麗霊夢
「…はぁ」
霧雨魔理沙
「あんなことやこんなことをやってたのを思い出して恥ずかしくなることがないってことじゃねえか」
博麗霊夢
「簡単にどういうことか教えてくれないかしら、魔理沙?」
霧雨魔理沙
「さあ、それはちょっと口に出来ないな」
博麗霊夢
「なんなのよ、気になるわ」
伊吹萃香
「私は知らない方が幸せだと思うが、それでも知りたい?」
博麗霊夢
「い…いいわ。遠慮しておくわ」
霧雨魔理沙
「私が教えて差し上げよう!あの時お前はす…」
博麗霊夢
「ストップ!勘弁してください魔理沙さま」
霧雨魔理沙
「まあいいだろう。だが条件を飲んでもらおう」
博麗霊夢
「う、条件?」
霧雨魔理沙
「……よしっ勝ったぁ!」
博麗霊夢
「…あ」
霧雨魔理沙
「ふっ、しりとりの基本ルール『んで終わったら負け』を忘れるとは、まだまだだな、霊夢!」
博麗霊夢
「今度は勝ってやるんだから、見てなさい」
伊吹萃香
「読者さんはついてこれてないんじゃないか?」
博麗霊夢
「確かにそうね」
霧雨魔理沙
「説明しよう!私たちはセリフでしりとりをしていたのだ!」
博麗霊夢
「暇だったら読み返してみるといいわ」
藤原実方朝臣
かくとだに えやは伊吹の さしも草
さしも知らじな 燃ゆる思ひを
今回の歌について
「伊吹」つながりで萃香が詠んでいますが、実は元の歌の「伊吹」は栃木県の伊吹山を指すらしいです。
萃香の元ネタ「酒呑童子」に関わってくるのは岐阜県と滋賀県の境にある伊吹山。別物でした。
以上、豆知識でした。
博麗霊夢
「誰も気にしてないわよね」
霧雨魔理沙
「じゃムダ知識か」
博麗霊夢
「明日使えるムダ知識…」
霧雨魔理沙
「使う機会ねえよ」