-総集編-その2-
博麗霊夢
「ここまでの全ての歌の一覧よ」
霧雨魔理沙
「二十六首目から五十首目までな」
◇二十六首目 鈴仙・優曇華院・いなば
輝夜様 外のもみぢば 見ませんか
「いまひとりがいい」 永久に待ちなむ
◇二十七首目 詠み人知らず
森の中 わきて流るる 川キノコ
いつか魔理沙の 店にやいかむ
◇二十八首目 詠み猫知らず
地獄跡 昼ぞ寂しさ まさりける
烏も猫も かれぬと思へば
◇二十九首目 古明地さとり
心みて 折らばや折らむ トラウマで
めをまどはせる 想起の札
◇三十首目 詠み魚知らず
みずうみの やかたを建てし 異変より
紅月ばかり うきものはなし
◇三十一首目 十六夜咲夜
日が暮れて 十六夜の月を みるまでに
仕事を済ませ 淹れるアッサム
◇三十二首目 詠み鴉天狗知らず
山川に かぜ吹くころの 白髪は
あの犬走 椛なりけり
◇三十三首目 詠み鬼知らず
桜咲く ひさかたぶりの 花見酒
しづこころなく 夜通し呑まむ
◇三十四首目 藤原妹紅
誰をかも 知る人にせむ 蓬莱の
姫も昔は 友ならなくに
◇三十五首目 魂魄妖忌
人はいさ 心もしらず 屋敷には
花ぞむかしの 香ににほふらむ
◇三十六首目 多々良小傘
夏の夜は まだ宵ながら あけぬるを
いつの隙にぞ おどろかすべき
◇三十七首目 詠み白狼天狗知らず
白狼を 木の端と言われる 我が族は
頭あがらぬ 山ぞちりける
◇三十八首目 紅美鈴
忘らるる 名をば思はず 気をあつめ
姿も知らぬ 敵に備へる
◇三十九首目 詠み蛙知らず
朝チルノ 音鳴りの腹 きこゆれど
あまやどるなか 静かさ意識
◇四十首目 因幡てゐ
しのぶれど 色にいでにけり 我が故意は
何企むやと 人の問ふまで
◇四十一首目 詠み兎知らず
うさぎてふ 我が名はまだき 立ちにけり
人知れずこそ 尾も潜めしか
◇四十二首目 魂魄妖夢
契りきな かたなを袖で ぬぐいつつ
妖怪の山 波こさじとは
◇四十三首目 詠み狐知らず
藍みての のちの心に くらぶれば
昔のこの尾 誇りならざり
◇四十四首目 詠み人知らず
義理チョコの 絶えてしなくは なかなかに
人をも身をも うらみざらまし
◇四十五首目 すたーさふぁいあ
やりすぎと いさめる人は 居らなひで
このいたづらに なりぬべきかな
◇四十六首目 村紗水蜜
この海を わたる舟みな かぢをたえ
ゆくへもしらぬ うらみなりけり
◇四十七首目 ぱちゅりー・のーれっじ
図書館の 数冊欠けた 棚見るに
姿は見えね 魔理沙来にけり
◇四十八首目 詠み烏天狗知らず
風をはやみ 岩うつ文の すがたのみ
ながめてものを 思ふわれかな
◇四十九首目 詠み地獄鴉知らず
地霊殿 灼熱地獄の 底は燃え
上は消えつつ 温度調整
◇五十首目 詠み死神知らず
映姫様に お叱り受ける 小町さへ
長くもがなと 思ひけるかな
博麗霊夢
「さて、折り返しね」
霧雨魔理沙
「やっと半分って感じだな」
博麗霊夢
「なんか感想ない、魔理沙?」
霧雨魔理沙
「え?今のが感想なんだけど」
博麗霊夢
「こういうときは何かしら言うものよ」
霧雨魔理沙
「えーっと…そろそろ自分の歌を詠まないといけないなぁ…なんて」
博麗霊夢
「まあいいでしょ。じゃ締めますか」
霧雨魔理沙
「ちょっと待て」
博麗霊夢
「なに、まだあるの?」
霧雨魔理沙
「霊夢の感想を聞きたい」
博麗霊夢
「…別に」
霧雨魔理沙
「アリなの?それってアリなの?」
博麗霊夢&八雲紫
「「これからも『東方百人一首』をよろしくお願いします」」
霧雨魔理沙
「おい、紫、どこから出てきた!」
八雲紫
「スキマからに決まってるでしょ?」
霧雨魔理沙
「ねえ帰っていい?」
八雲紫
「ダメよ、これから面白い企画があるのに」
博麗霊夢
「なにそれ聞いてないわよ」
八雲紫
「言ってないもの」
霧雨魔理沙
「なんだよ企画って?」
八雲紫
「とりあえずコレ持って外出なさい」
博麗霊夢
「…マイク?」
霧雨魔理沙
「イヤな予感しかしない」