四十八首目 詠み烏天狗知らず
詠み烏天狗知らず
風をはやみ 岩うつ文の すがたのみ
ながめてものを 思ふわれかな
~意味~
素早い風に乗って岩に向かい弾幕を放ち砕いていく射命丸文、彼女の姿を遠くから眺めて一人物思いにふける私なのだなあ。
霧雨魔理沙
「い い 加 減 に し ろ」
博麗霊夢
「仕方ないでしょう持って来ちゃうんだから」
霧雨魔理沙
「どんだけ人気なんだよ。ただのブン屋のくせに」
博麗霊夢
「みなさん自分で歌を持ってきてくれるのよ、他の人に自分の思いがバレるのがイヤだからって」
霧雨魔理沙
「ここで思いっきり晒してるけどな」
博麗霊夢
「そこで『詠み烏天狗知らず』よ」
霧雨魔理沙
「なるほど、誰の歌かは分からないと」
博麗霊夢
「そのとおり。それに…」
霧雨魔理沙
「なんだ?」
博麗霊夢
「…コホン、なんでもないわよ」
霧雨魔理沙
「気になる、話せよ」
博麗霊夢
「大丈夫、大したことじゃないから」
霧雨魔理沙
「まさか、天狗の男に惚れたか?」
博麗霊夢
「違うわよ!」
霧雨魔理沙
「じゃあなんだよ」
博麗霊夢
「天狗の人たちはちゃんとお賽銭入れてくれるのよ!来てはうるさくするどっかの魔法使いさんとは違ってね」
霧雨魔理沙
「なんだそんなことか」
博麗霊夢
「そんなことよ」
霧雨魔理沙
「期待して損したぜ」
博麗霊夢
「だから最初から大したことじゃないって言ってるじゃない」
霧雨魔理沙
「お前が変に口ごもるからだぜ?」
博麗霊夢
「もういいわよ」
霧雨魔理沙
「しかしよくこんなストレートに恋心を詠めるな」
博麗霊夢
「まあ、本家の百人一首なんて半分くらい恋の歌だからね」
霧雨魔理沙
「ふーん」
源重之
風をいたみ 岩うつ波の おのれのみ
くだけてものを 思ふころかな