四十二首目 魂魄妖夢
魂魄妖夢
契りきな かたなを袖で ぬぐいつつ
妖怪の山 波こさじとは
~意味~
お祖父様、約束は覚えていらっしゃるのでしょうか。刀を袖で拭いながら、「妖怪の山に波が来ないように、絆は決して消えはしない」と。
霧雨魔理沙
「いいはなしだなー」
博麗霊夢
「なんで棒読みっぽいのよ」
霧雨魔理沙
「だって、お祖父様この前来たのに妖夢には会わなかったんだろ?」
博麗霊夢
「そうだけど…」
霧雨魔理沙
「なんか嘘くさくなっちまってる気がするんだよ」
博麗霊夢
「そうだけど…」
霧雨魔理沙
「それで絆は消えないとか言われてもさ」
博麗霊夢
「そうだけど…」
霧雨魔理沙
「おい、聞いてるか?」
博麗霊夢
「そうだけど…」
霧雨魔理沙
「もしもーし?」
博麗霊夢
「聞いてるわよ」
霧雨魔理沙
「ずっと『そうだけど…』しか言わないから寝てるのかと思ったぜ」
博麗霊夢
「そうだけど?」
霧雨魔理沙
「え?」
博麗霊夢
「え?」
霧雨魔理沙
「寝てたの?」
博麗霊夢
「そうだけど?」
霧雨魔理沙
「………腹立ってくるからやめてくれ」
博麗霊夢
「ごめん、続けて」
霧雨魔理沙
「なんで刀を袖で拭うんだ?」
博麗霊夢
「楼観剣は斬ると刃にちょっと付くらしいわよ」
霧雨魔理沙
「…なにが?」
博麗霊夢
「幽霊の残骸」
霧雨魔理沙
「なにそれこわい。…楼観剣てどっち?」
博麗霊夢
「長い方。で幽霊10体分の殺傷力がある方」
霧雨魔理沙
「へえ、刃に霊体がこびりついてるのか」
博麗霊夢
「私もよく分からないけどね」
霧雨魔理沙
「それを袖で拭うのもよく分かんないな」
博麗霊夢
「本人に聞けばいいじゃない」
霧雨魔理沙
「そうだけど…」
博麗霊夢
「ちょっと魔理沙!」
霧雨魔理沙
「へへっ、仕返しだぜ」
清原元輔
契りきな かたみに袖を しぼりつつ
末の松山 波こさじとは






