三十六首目 多々良小傘
多々良小傘
夏の夜は まだ宵ながら あけぬるを
いつの隙にぞ おどろかすべき
~意味~
夏の夜はとても短くて、まだ宵かと思っているとすぐに明けてしまう。私はいったいどのタイミングで驚かしたらいいんでしょうか…。
霧雨魔理沙
「驚けねえよな」
博麗霊夢
「肝試しのシーズンに驚かすことができなかったら、もはやお化けとしてやっていけないわよね」
霧雨魔理沙
「情けねえよな」
博麗霊夢
「しかも驚いた人の心を食べるって言うから、生きていけないわよね」
霧雨魔理沙
「暮らせねえよな」
博麗霊夢
「…ねえ魔理s」
霧雨魔理沙
「しゃべらせねえよな」
博麗霊夢
「じゃあお饅頭はなしね。せっかく用意したのに…」
霧雨魔理沙
「すいませんでした」
博麗霊夢
「…まあいいわ。はいこれ」
霧雨魔理沙
「あるなら最初から言ってくれればいいのに」
博麗霊夢
「ちょっとお茶淹れてくるわね」
霧雨魔理沙
「おぅ」
霧雨魔理沙
「この饅頭うまいな…あ、まあいいか」
博麗霊夢
「はいお茶…って、あれ?」
霧雨魔理沙
「どうした霊夢?」
博麗霊夢
「さっきお饅頭出した時4つあったと思うんだけど」
霧雨魔理沙
「うん、それで?」
博麗霊夢
「今見たら1つしか残ってないの」
霧雨魔理沙
「うん、それで?」
博麗霊夢
「普通4つあったら2つずつに分けると思うんだけど」
霧雨魔理沙
「うん、それで?」
博麗霊夢
「……………」
霧雨魔理沙
「ごめんなさい、食べ過ぎました」
博麗霊夢
「分かればいいのよ。次は私が3つもらうからね」
清原深養父
夏の夜は まだ宵ながら あけぬるを
雲のいづこに 月やどるらむ