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三十二首目 詠み鴉天狗知らず
詠み鴉天狗知らず
山川に かぜ吹くころの 白髪は
あの犬走 椛なりけり
~意味~
山川を風が吹き渡る季節、白い髪の毛が見えたなら、それはあの犬走椛ちゃんなんだよ。
霧雨魔理沙
「また天狗…」
博麗霊夢
「また椛…」
霧雨魔理沙
「しかも椛『ちゃん』…」
博麗霊夢
「名前的に詠みやすいのは分かるけど…」
霧雨魔理沙
「今回『もみぢ』は掛詞になってないぜ、念のため言っとくが」
博麗霊夢
「この天狗、ただ椛が好きなだけでこの歌詠んだわね」
霧雨魔理沙
「山川を風が吹き渡る季節っていつだよ」
博麗霊夢
「秋とか言ってたけど、別に春とかでも違和感ないわね」
霧雨魔理沙
「適当な歌だな…」
博麗霊夢
「文に聞いたら、この天狗、別に椛と接点ないらしいわ」
霧雨魔理沙
「一方的に好いてるのか」
博麗霊夢
「『全ての天狗がみんな変なわけじゃないんですよ』って文は言ってたけど…」
霧雨魔理沙
「その言ってる本人が普通じゃないしな…」
博麗霊夢
「ここで普通を求めちゃだめよ」
春道列樹
山川に かぜのかけたる しがらみは
流れもあへぬ もみぢなりけり