表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
103/115

九十六首目 さにーみるく

 さにーみるく

花の舞う 神社の庭に 罠をはる

 巫女に会い散る わが身なりけり


~意味~

桜の花びらが舞う博麗神社に今日も私たちは罠を仕掛ける。しかし運が悪いと巫女に見つかって、ほら、今みたいに……!


霧雨魔理沙

「ざんねん さにーみるく は ちってしまった」

博麗霊夢

「知らないうちに住み着いてたのよね」

霧雨魔理沙

「では、今回の歌について」

博麗霊夢

「お願いします、魔理沙先生」

霧雨魔理沙

「和歌において『花』と言えば? 博麗さん」

博麗霊夢

「……梅?」

霧雨魔理沙

「確かに梅の場合もありますが、普通は桜を指します」

博麗霊夢

「へえー」

霧雨魔理沙

「それでは次の質問です。伊吹さん」

伊吹萃香

「は?」

霧雨魔理沙

「今うとうとしていたでしょう」

伊吹萃香

「私は参加してるつもりはなかったんだけど」

霧雨魔理沙

「とにかく、質問に答えてもらいます、いいですね、伊吹さん?」

伊吹萃香

「名字で呼ぶなよ、なんか照れるから」

霧雨魔理沙

「はい、では伊吹さん。『罠をはる』とありますが、なぜ『はる』という言葉を使っているのでしょうか?」

伊吹萃香

「(名前云々は完全スルーなんだ)……ええと、音の響きがいいからとか?」

霧雨魔理沙

「残念、違います。『花』という春の言葉を受けて、『はる』や『散る』など縁の深い語を選ぶ。これを縁語と言います」

博麗霊夢

「『はる』は縁語であると同時に掛詞なのですね、先生」

霧雨魔理沙

「その通り。このように縁語と掛詞はしばしば同時に用いられます。何か質問はありますか?」

博麗霊夢

「先生、なんでただの妖精のくせにこんな高度な技法を駆使した歌を詠んでいるのでしょうか」

霧雨魔理沙

「いい質問ですね!」

伊吹萃香

「池○さん?」

霧雨魔理沙

「では伊吹さん、これについてどう思いますか?」

伊吹萃香

「なんかイラッとします」

霧雨魔理沙

「今日の授業はこれまで」

伊吹萃香

「(また完全スルー?)」

博麗霊夢

「起立、気をつけ、礼」

伊吹萃香

「ありがとうございました」

霧雨魔理沙

「ところで霊夢」

博麗霊夢

「どうした魔理沙」

霧雨魔理沙

「毎回これをやってればしっかり字数も稼げたんじゃないか?」

博麗霊夢

「気付くのが遅すぎたわね。残り五首もないわ」

霧雨魔理沙

「………」


 入道前太政大臣

花さそふ 嵐の庭の 雪ならで

 ふりゆくものは わが身なりけり

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ