表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

付与魔術師カルマは今日もどこかでやさぐれる

作者:藍染 迅
カルマの仕事は付与魔術師。剣や槍などの武器に魔術を付与して、攻撃力を上乗せする。
しかし、武器が付与魔術を受け入れる回数には限界があった。上限回数を超えると、その武器は破壊されて粉々になる。

「あと一回! あと一回だけ頼む!」

そういって粘る客を断り切れず、カルマがかけた魔法で名剣が砕け散った。
客は絶望し、その怒りはカルマに向けられる。

「あたしのせいじゃない!」

そう叫びたいが、客を怒らせたら商売にならない。カルマは怒りを抑え、唇をかんで客の罵声に耐える。

「ちっ! やってらんねえっての!」

客が立ち去った後は、安酒を飲んでやさぐれるカルマの姿があった。

「武器が持つ魔術付与の限界を見極められれば、壊さずに済むはずよ」

カルマは一念発起し、鑑定魔術を探す旅に出る。魔法書、スクロール、エルフの古老、ダンジョン、古代都市遺跡。
カルマは鑑定魔術を求めたが、どれも空振りに終わった。

ある日カルマは、「武器の声を聞こう」と古道具屋で真っ赤に錆びた刀を手に入れた。ところが慎重に錆を落として刀身を清めてみると、見たこともない美しい刀身が現れた。

「なんて美しい刃紋。山上の湖を覆う朝もやのように神秘的な『にえ』。それでいて地金は力強く、形は素直で飽きがこない。これが人だったら、天下の美男子ね」
『随分とほめてくれるね。いささか照れ臭いのだが』

なんと! 刀がカルマの頭に直接語りかけてきた……。
その日からカルマと「妖刀朝霧」の不思議な旅が始まった。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ