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イア;メメント モリ─宿世相対─  作者: 円野 燈
第4章 zum nächsten─見つけたもの─

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おまけ その後のちょっとした話(アンデレ×ヨハネ)



 ヨハネとバンデになったアンデレは、毎日宿舎に顔を出すようになった。そして今日は、ヨハネの部屋に上がり込んでいる。


「入っていいとは言ってないけど?」


 不機嫌を醸し出すヨハネから許可は得ておらず、お得意の勢いで半ば強引に上がり込んだのだ。


「だって。バンデなんだから、一緒にいるのは当たり前なんじゃないんすか?」


 しかし、バンデは四六時中一緒にいるものと捉えているアンデレに他意はなく、純粋な目で首を傾げる。


「いや。そういうわけじゃ……」


 バンデとはなんぞやを若干違う捉え方をしているので、ヨハネもグイグイ来られてたじろぐばかりだ。


「だって。ペトロとユダさん、ヤコブとシモンは一緒にいますよね」

「まぁ。そうだけど……」

「じゃあ、部屋に遊びに来るのは問題ないっすよね!」

「まぁ。そう……だな」


 言い込められるヨハネ。

 アンデレは実家のようにソファーに寝転び、リラックスし始めた。


「やっぱりヨハネさんの部屋、緑が多くて落ち着くんすよねー」

「それはよかったよ」

(流されてないよな……? アンデレのマジックに、掛かってるような気がする……)


 ヨハネはアンデレといると調子を狂わされがちなので、それもちょっと困りものだった。

 するとアンデレは、変なことを言い出した。


「それで。いつ付き合うんですか?」

「うん?」

「いつ付き合うんすか?」

「付き合うって。どこへ」

「その『付き合う』じゃなくて。交際の『付き合う』ですよ」


 脳内処理にバグが発生して、ヨハネの思考が一瞬止まった。


「……は? 何言ってるんだ」

「え? だって。バンデになったら、付き合うんじゃないんすか?」

「えっ……。はあっ!? なんでその発想になるんだよ!」

「だって。他の二組はカップルじゃないですか。だから、おれたちも付き合うんすよね?」


 まだ世間を知らない少年のような瞳で、アンデレは言った。

 アンデレに他意はない。けれど、あまりにも純粋な眼差しで訊かれたヨハネは、ちょっと赤くなって必死に否定する。


「付き合うわけないだろ! あの二組は結果的に付き合ってるだけ! 決まりじゃない!」

「えー。そーなんすかー」


 なぜか、あからさまにがっかりするアンデレ。


「なんで、そこでがっかりするんだよ」

「おれ、そのつもりでいたんで」

「そのつもりでって……。セクシュアルマイノリティー気にならないのか」

「おれ、そういうの全然気にしないんで」

「でも、さすがに好みはあるだろ」

「ないっす。その時好きになった人が、おれの恋人になる人なんで」


 空気を読むのが苦手なくせに、時々騒がしいくせに、イケメンなことを真顔でけろっと言うアンデレ。恋愛にも純粋な向き合い方なのが意外過ぎて、ヨハネはまた調子を狂わされる。


「とにかく。アンデレとはない」

「なんで、そんな悲しいこと言うんすかー!」


 そこから、アンデレの恋愛に関する質問の嵐となり、ヨハネは一時間拘束された。

 イケメンセリフに不覚にもちょこっとだけときめいてしまったのは、口が裂けても言わないと心に誓った。




第4章を読んでくださり、ありがとうございました。


告白できなかった本当の理由は、元カレにあったヨハネ。いつか新しい恋に出会えることを祈るばかりです。きっとアンデレがなんとかしてくれるはず!?

新しく仲間となったアンデレは、防御と治癒専任。戦いは激しくなっていくので、縁の下の力持ちとして5人を全力で支えていきます。

そして気になるのは、記憶喪失のユダは何者なのか。本当のユダとは、一体……!?


次の第5章は、そんなユダの正体に迫ります!

急展開です!!


この次は、閑話をご用意しました。受けコンビ、ペトロとシモンのちょっとアダルトチックなエピソードです(R-15にはならないと思いますが……)


閑話のあとの第5章もお楽しみください

ぜひともお星さまもポチッとよろしくお願いします(*´∀`)

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