表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/142

仕組まれた罠

「さて、じゃあ行きますか」


仙が見えなくなったのを確認し、私は早速屋敷の戸締りをして高羽邸へと向かうことにした。


街で人気の『よし乃』の大福を手土産に、どこかうきうきとした気持ちで足取りも軽い。立派な門を前に呼鈴を押し名前を伝えれば、しばらくして椿が「いらっしゃい」と出迎えてくれた。


撫子色に花模様の華やかな着物。髪には以前、私が彼女の誕生日に贈った花(かんざし)をつけている。


「今日は誘ってくれてありがとう」

「もう行商のお方もいらっしゃってますよ。仙様に似合いそうな小物もたくさんありましたから、早くあやめお姉様も一緒に選びましょう」

「ええ」


椿は私の手を取り、早く早くと急かしてくる。彼女も随分とこの日を楽しみにしていたらしい。私は小さく笑みを溢しながら、そんな椿のあとをついていった。


高羽邸は、この辺りでは珍しい西洋風のお屋敷。下見板張りの外壁に、鎧戸の窓、2階にはベランダがあってとてもオシャレなお家だ。室内の床には赤絨毯が敷かれていて、壁には油絵で描かれた風景画が並ぶなど、和風の我が家とは随分と建築様式が異なる。


とはいえ、一部の部屋が和室の造りになっているのは、「やはり畳が落ち着くから」という高羽のおじさまの希望があったからなのだとか。


「さあ、こちらへどうぞ」


案内されたのは、いつもの客間。中に入ると高羽のおじさまとおばさま、そして側には行商と思わしき異国の男性がそこにいた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ