表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/142

仕組まれた罠

「ごめんなさい、あやめお姉様。急にお邪魔してしまって」


眉を八の字にして申し訳なさそうな顔をした椿は、私の顔をちらりと見ながらそう言った。ゆるくウェーブがかった長い髪に、垂れ目がちな瞳。ふわりとした可愛らしい雰囲気の彼女とは、一年ほど前に高羽家が隣家に越してきてから随分と仲良くしている。


「いらっしゃい。ちょうど今から仙とお茶にしようと思っていたところなの。椿もよかったら、一緒にどうぞ」

「いいんですか?ありがとうございます〜」


花のような笑みを浮かべた椿は、嬉しそうに玄関の戸を閉めて中へと入ってくる。


「仙、お茶を淹れてくるから椿を客間へ案内してあげてくれる?」


こそりと仙にそう頼めば、「お茶なら私が淹れてきます」と、なんだか微妙な顔を向けられた。


「どうして?」

「……どうも彼女は苦手で」


確かに、椿がうちに遊びに来るときは、いつも仙は彼女と関わらないようにしているのか距離を置いている節があったかしら。首を傾げながらも、私は「分かったわ」と仙に返して、お茶を淹れる役目を譲ることにした。


「どうかされましたか?」


後ろを向けば、下駄を脱ぎ終えた椿がにこりと笑顔を浮かべて私たちを見ていた。私は「ううん。じゃあ、客間へ行きましょう」と続けて、仙には目で「お願いね」と合図。椿を客間へと案内することにした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ