セーブファイル
結局押し入れの中の片隅に、5作目以降のセーブデータが残っている昔のハードディスクのバックアップを見つけることができた。
それ以前のものはどこに保管していたのかよく考えてみると、両親が住んでいた田舎の家に残っているかもしれないと言うことを思い出し、両親が亡くなってから20年ぶりに九州の田舎まで休暇を利用して行ってみることにした。
飛行機とレンタカーを乗り継いで家に着くと、家はすでに竹やぶの中に埋まっており、家の前まで自動車で行き着くことさえできない状態になっていた。竹やぶの中に残されていた自宅は既に屋根に穴も開いて、雨漏りがひどく、すでに天井の1部の壁が崩れていた。トイレの中の壁を見ると、蛇が一匹うろついていたり、冷蔵庫を開けると中身がなんなのかわからない真っ黒な塊がいくつか残っていた。
そんな状態の自宅でも2階にあった自分の部屋だけは雨漏りがなくて昔の状態のままに残されていた。
両親が東京を引き払って九州に行ってから、自分ではその部屋に住んだことがほとんどなかったので、学校の休みの時にちょっと行く位にしか使ってなかったので、荷物もほとんどない。探してみると、本棚の上に段ボールが2つほどすぐに見つかった。
段ボールを開いてみると、小学生中学生の頃の自分の荷物が入っている。銀玉鉄砲やらBB弾のガス銃やらトランプやらルービックキューブもある。そしてちゃんとケースに入ったままのCDも数枚見つかった。
今回のために購入してきたUSB外付けDVDリーダーをノートパソコンに差し込むと、軽く回転音がしてランプに緑色の明かりがついた。スライドオープンのボタンを押すと、カチャッという音と共にトレイが開く。段ボールから見つけた。CD-ROMをトレイに乗せてノートパソコンのファイルマネージャーを開くと、ウィンドウズXPの時代のCドライブのフォルダーがそっくりそのまま残っている。確か当時のセーブファイルはプログラムファイルの中のコーエーのセーブフォルダーに入っているはずだ。
探してみると、ファイルはちゃんと残っていた。ノートにそれらをコピーして、他のものは放置したままCDと昔のアルバムだけ持って車に戻る。
周りに畑しかない道路のど真ん中に自動販売機が置いてあり、その向かい側がよその畑のあぜ道で、そのあぜ道の入り口に車を止めていたので、周りの家の人に見つかったら、その廃屋をどうにかしろと言われかねないので、早く車に戻って出ることにした。空港でレンタカーを返却し、飛行機に乗って東京に戻る。
これだけのセーブファイルがあればどこの誰にも負けない能力値とゲーム内で地位を獲得することができるだろうと想像を膨らませていると、窓の外に富士山が見えてきた、まもなく東京だ。移動中にまだやれないゲームのことを考えている自分に気が付き、子供のころに秋葉原でゲームのソフトを買って、電車で家に帰る時を思い出す。
それから数日が経ち、そろそろ発売日が近づいて来たある日、セーブファイルの登録の仕方が掲載されたので、会社から家に帰る電車の中でPCをネットに繋ぎ、ホームページの告知文を開く。ちゃんと告知文の指示に従って、C:に保存されたセーブファイルをUSBメモリの指定されたフォルダーにコピペする。移動中の案内を見ると、ファイルの総数が4000個とかすごいことになっている。