3 誘拐犯と初✕✕
R15注意、無理矢理注意、ここからずっとロリ注意
アギナルドは追手を警戒し、かなり馬を走らせ里から遠ざかった。途中何度かミネルヴァが目を覚まし、アギナルドと共にいることに気付いて悲鳴を上げていたが、その度に薬を嗅がせて黙らせた。
アギナルドは移動の途中で立ち寄った街で、持ち出していた宝石などを貨幣に交換した。人間社会でお金が必要なことは学習済で、そこら辺に抜かりはない。
陽が落ちると周囲は暗くなり馬を走らせ辛くもなってきたので、アギナルドは適当な宿屋に入った。宿帳には公爵家の書類に記載のあったマルクスの氏名を記入した。
受付で獣人と疑われるだろうかと思ったが、かなり堂々としていれば何も聞かれず、ミネルヴァのことは年齢差もあったので娘だということにして――本当は「妻」だと言いたかったが――馬を繋いでもらって当てがわれた客室に向かった。
部屋に入って鍵をかけてから、アギナルドはミネルヴァを連れて寝台に飛び込んだ。ようやくミネルヴァと正式な番になれると小躍りしたい気分だった。
「ミーネたんミーネたんミーネたんミーネたんミーネたん」
アギナルドはこれまでの思いの丈をミネルヴァにぶつけた。
「ミーネたん、愛してるよ。やっと一つになれるね…… 大丈夫だよ、幸せになろうね」
アギナルドの頭の中でカチカチカチと音が鳴る。
アギナルドが幸福感に包まれていると可愛らしい声が聞こえた。
見ればミネルヴァが驚愕と恐怖に包まれた表情で、その輝くような黄金の目を見開きながら、アギナルドを見ていた。薬は利いていたはずだと思ったが、目が覚めてしまったらしい。
「嫌っ! 誰?! 助けてっ! あなた一体誰っ!」
「僕は♡ 君の♡ 愛する♡ 番だよ♡」
一言一言を言い含めるように囁くが、ミネルヴァの混乱は収まらない。
「知らないっ! あなたなんか知らないっ! 助けてお母さん! お母さん! お父さん!」
母親と似た金切り声で叫ぶミネルヴァを見つめつつ、アギナルドは、おかしいなぁ、と思った。
もう番のはずなのに、ミネルヴァは全身に鳥肌を立てながら恐怖の表情で悲鳴を上げていて、相思相愛にはかなり程遠い気がした。
(そうか!)
アギナルドはまだミネルヴァとキスしてなかったことに気付いて、ミネルヴァの口元に顔を寄せた。
「や、やめて! 嫌――――んっ!」
初めてのミネルヴァの唇はとても柔らかくて、アギナルドは夢中でミネルヴァに口付けた。
(ミーネたんの唇がとっても美味しい♡)
ミネルヴァの✕✕に加え、ファーストキスも奪えた幸福に歓喜するアギナルドの紫眼が細められて、狂愛に染まった視線がミネルヴァを見下ろしている。
「僕以外の男とこんなことしちゃ駄目だよ、ミーネたん」
その瞬間、ゾワァァァッと、何かがミネルヴァの全身を駆け抜けていったのがアギナルドにもわかった。