ここに悪役令嬢はいるのだろうか?
今回は明確な悪(胸糞野郎等)が居ないので、ざまぁにはなっておりません。
その点はご了承下さいませ。
「テイトーネル、君に悪い所など無いのは分かっている。 分かっているのだが、君を婚約解消ではなく、君の有責で婚約破棄しなければならない。 分かってくれ」
ここは謁見の間。
良くある西洋中世ファンタジー世界であり、その世界に存在する、とある王国での出来事。
この国は緑豊かで、国内には滅多に見かけないと言う妖精の目撃報告が多数される、神秘の国である。
――――そこで、その王家には、とても大きな問題が起きていた。
その問題とは、あえて言うまでもなく、今進行中の婚約破棄の話にも関わってくる。
ここには玉座に構える国王と、その脇を固める王太子と、段差はあるが玉座と正対し直立する婚約破棄されかけのテイトーネル嬢。
だけではなく、それを見届ける立会人となる高位貴族達も正装姿で居合わせ、おまけに王太子の次の婚約者となるご令嬢も王太子の斜め後ろに控えていた。
そのご令嬢はテイトーネル嬢を別に憎く思っている訳ではない。
事情を知っており、一方的に理不尽な婚約破棄をさせられているテイトーネル嬢へ心を痛め、申し訳なさそうに深々と頭を下げ続けているほど。
この謁見の間の空気は最悪で、まるで国の英雄の葬儀と見間違える位だ。
そんな空気をものともせず、テイトーネル嬢は凛とした表情で背筋を伸ばし、これこそ己が使命だと言っているように胸を張る。
もうすぐ元となる婚約者の瞳の色に合わせて着ている、碧のドレスがその姿勢を助け、テイトーネル嬢をより美しく見せる。
同じ色を着た、次の婚約者のご令嬢が比べられてしまったら気の毒になるほど、それはもう素晴らしく似合っていた。
「……ええ。 フミーダイン殿下のお命がかかっていますもの。 異議はございませんわ」
婚約を白紙に戻すことは、お互い合意の上である。
お互い円満に別れる解消が普通なら使われるのだが、冒頭の通りテイトーネル嬢が悪い形での破棄だ。
なぜこうなったのかには、大きな問題に繋がる理由がある。
「君と婚約してから10年。 恙無くお互いの距離を縮め、もうすぐ成人となり、婚姻を結ぶ直前だと言うのに……我々はなんと不幸なのだろうか」
「……そうですわね」
フミーダイン殿下が嘆き悲しむ様子を見せるが、テイトーネル嬢の相槌は微妙に反応が悪い。
悪いのだが、ここに居合わせた皆は悲しさを健気にもこらえて、淑女を貫こうとしている姿だと捉えて、いたく感心して目の端に水をためている。
洟をすする音が、どこかから小さく響く。
「幼き頃に伝承ばかりの妖精の森で、テイトーネルが一人迷子になったあの日から、君を大切にして守ろうと決めていたのに……こんな日が来るなんてっ!!」
「……ありましたわね、そんな事も」
「それから君の安全のために護衛を増やしても、一時的に君が行方不明になる事が時々あって、幾度君への気持ちを強めたものか……!!」
「……そう、でしたのね。 お気持ちは嬉しく思いますわ」
フミーダイン殿下の嘆きはまだ続く。
そこまでテイトーネル嬢を大切にしていたのか……と微妙に貴族達の口許が引きつりだしたのもお構い無しに、殿下の舌は絶好調。
これにテイトーネル嬢も相槌を返し続けるが、当初より反応が悪くなってきている。
貴族達はむしろ涙を、感情をコントロールできなかったのか、ハンカチを手に持って定期的と言って良い頻度で目許をぬぐっている。
一部では小さくだが嗚咽まで聞こえていて、限界が近そうだ。
「それもこれも元凶である、私を狙う死の呪いがいけないのだ!」
これが問題の大元。
フミーダイン殿下には、凶悪な呪いがかけられてしまったのだ。
だがそれはそれとして、冬眠を前にして脂を蓄えた動物並に、殿下の舌が脂たっぷりにツルツルとよくすべる。
「なんなのだ、あやつは! わざわざテイトーネルとの地方視察旅行の時を狙って、デュラハンとか言う魔物が死を予言しおって!!」
デュラハン。 それは俗に言う首無し騎士である。
同じく首がない馬に乗り現れて、ヒトを指差し宣告する。
伝承によっては宣告するだけして去っていく話と、直接命を奪いにくる話とが存在するが、今回は前者の方だった。
「他にも、ご丁寧に王宮での私の寝室前で、複数の泣き女が現れるなんて不吉の極みであった!!」
バンシー。 泣き女とも呼ばれるボサボサの長髪で喪服を着た老婆の姿をした魔物だ。
これ自体は無害なのだが死期が近い者の家の前で号泣する様子から、実はこのバンシーが死の呪いをかけているのでは無いかと疑われたりする。
「それらだけではない! 古今東西、あらゆる死の兆候とされる出来事が私の周りで頻発し、最後にデュラハンとは別口の死の呪いの紋様まで浮き上がった! なんなのだ、この呪われ具合は!!」
「…………はい、気の毒にございます」
この辺りで貴族の一部が決壊。 嗚咽を通り越して慟哭まで行ったが、その人物は飛んできた城の騎士によって退室するよう誘導されている。
頭を下げ続けているご令嬢の体も、小刻みにプルプルと震えだす。
玉座の国王も思うところがあるのか、うつむきハンカチを取り出している。
ついさっきまで叫んで喚き散らしていたフミーダイン殿下だが、急にうつむき鎮まった。
「そんなある日、夢でお告げがあった。 助かりたいならば、成人する前までにテイトーネルとの婚約を破棄せよ……と」
「……そうでしたの」
「もちろん私は迷いに迷ったさ。 ずっと結ばれたいと思っていた相手に、無実な君に、君が悪いから別れてくれなんて理不尽を強いられたのだから」
「……ええ」
相当に悩んだのだろう。 殿下の顔を注視すると、化粧で誤魔化されて分かりにくいが、目に隈が出来ていた。
「王家の者として、次期国王になる身として、生きて添い遂げたい願いを叶えられないのが、無性に悔しい」
ぐっと拳を強く強く握る殿下を見て、また一部の貴族が退室を促される。
「本当にすまない。 こちらの都合で振り回し、最後にはこうして理不尽に責任を押し付けた上で放り出すような結果となったことを、心の底から謝罪する」
うついていた顔を一度上げ、90度に近い角度で腰を折るフミーダイン殿下。
これに場が少しざわめいたが、すぐにおさまる。
なぜならば、テイトーネル嬢が息を飲むような見事なカーテシーを見せたから。
「ありがとうございますフミーダイン様。 そのお言葉だけで十分ですわ」
そして、その返事と共に見せた花が咲いたようにほころぶ嫋やかな笑顔に魅せられて。
ドレスの色味も合わさり、その姿がよく手入れされた庭園の花壇を幻視してしまうのだ。
これほど愛を下さるフミーダイン殿下から悲劇的な別れを突き付けられても、こうやって気丈に振る舞う様子は涙を禁じえない。
現に退室する貴族がまた増えた。
「これで婚約破棄のお話は終わりですわね。 では、私は失礼致します」
テイトーネル嬢が謁見の間から辞する姿もまた、淑女の鑑に相応しい。
この場に居合わせた男性は等しく皆、国の宝とも呼べるテイトーネル嬢がこのような仕打ちとなった事に、強い後悔の念を抱いたと言う。
~~~~~~
そのテイトーネル嬢が婚約破棄をされた数日後。
婚約破棄の手続きを始めとした雑事を済ませた翌日だ。
滞在していた王都のタウンハウスから、テイトーネル嬢達が領地へ帰る途中。
テイトーネル嬢とその家族を乗せた馬車は、森を割るようにして敷かれた街道の途中で急に停止した。
停止した理由だが、馬車の中でテイトーネル嬢の家族が人目も憚らず泣いていたからだ。
心配になって護衛の一人が断りをいれて馬車を覗くと、テイトーネル嬢だけが消えていた。
あの婚約破棄された時に着ていた、碧が美しいドレスをまとっていたのが印象に強く残り、ばっと見るだけで消えたと気付いてしまう。
この事態に護衛が慌てて捜索の準備を始めたが、それを何故か止められてしまう。
不思議……と言うより不可解に思う護衛ではあるが、自身の雇い主であり消えた者の家族が良いと言うのだ。
それに否やと言える立場ではないので、護衛は思うところはあっても従うしかない。
彼女がこの世から消えてしまった日は、奇しくも15才の、この世界のこの国において成人となる日であった。
~~~~~~
「で?」
「…………で? とは何のことだい? 我が美しき妃よ」
うって変わって、ここは森の中。
消えたはずのテイトーネル嬢は、小人にも見間違えてしまうような、小さき者と対峙していた。
この小さき者は上等な仕立ての服で着飾り、艶やかな模様の蝶の翅を背負って浮遊し、王冠を被る美丈夫だった。
「成人までにフミーダイン殿下から婚約破棄されたら、オベイロン様へ嫁ぐと約束しましたよ?」
「うんうん」
「でもその破棄させる手法も、私をここへ連れ出す手法も、乱暴過ぎやしませんかねぇ?」
「えー、そうかなぁ?」
「とぼけないで!」
…………訂正しよう。
ここは森の中は森の中でも、妖精の森の中にあるフェアリーサークルを越えた向こうにある妖精の国。
その国の王……つまり妖精王であるオベイロンがおわす広場である。
そこでテイトーネル嬢……もう嬢はいいかな?
が、今までの淑女っぷりは何だったのかと頭を抱えたくなる程に乱暴な様子で、オベイロンへ食って掛かっている。
「流石に成人した当日に、こうして招かれるなんて思っていなかったわよ! 家族とはお別れの挨拶をしたけど、領地にも挨拶したかったヒトが居たんだからね!?」
「それは申し訳無いことをした。 今からあちらへ戻るかい?」
なんとも申し訳無いと思っていなさそうな、恐ろしく鈍感にも見えるにこやかな顔で提案してくるオベイロン。
「…………いえ、こっちに来てしまったもの。 もう遅いわ」
そのにこやかな顔を見てしまったテイトーネルは、真っ赤な顔でさっきまでの勢いを失速させた。
「おやおや? もしかして、テイトーネルはテイトーネルの都合より、我を優先したいのかな? なんて健気で愛らしいんだ」
「は……はははは、はぁあ!? そそそ、そんな事は無いわよ!! あなたより優先したいことなんて、いいい幾らでも有るんだからっ!!」
これの反応に気を良くしたのかオベイロンが調子に乗ると、テイトーネルは表情をより真っ赤にさせて、気の毒に思えるほど焦り出す。
………………これ、ツンデレかな?
「ああ、本当に愛らしいテイトーネル。
ヒトの時間で10年前、幼く愛くるしかった君が妖精の森で迷子になっていたのを見つけて以来。
時々言葉を交わす様になり、君を愛しく想うようになり、プロポーズを賭けて約束し、今日と言う日を待ちわびていたよ!」
「アンタはちょっと黙りなさいよぉ! 聴いてるこっちが恥ずかしくなって、ししししし…………仕方ないのよぉっ!!」
かなり自由な存在である妖精だが、王の目出度い日であるからして、色んな妖精がこの広間に来ている。
その妖精達は、このふたりのやり取りを生暖かく見守っていた。
なにせオベイロンの夢が叶ったのだ。
フミーダインとの婚約と言う義理と柵があり、オベイロンからのプロポーズをテイトーネルが断った過去も知っている。
それで引き下がらず、賭けと言う形でフミーダインから奪ってみせる約束を取り付ける、オベイロンの浅ましさと情念と執念も知っている。
そして、そこまでして求められている、その気持ちで歓喜しているテイトーネルにも気付いてしまった。
今までの会話でお分かりだろう。
テイトーネルの家族が捜索を認めなかった理由が。
タイミングにズレはあるが、元々こうなるだろうと聞いていたのだ。
一頻りテイトーネルへじゃれついて満足したのか「ところで」の言葉と共にさっきまでとは一転。
キリッとした顔付きになったオベイロン。
それと、その凛々しさにあてられて、ちょっとだけ乙女モードになるテイトーネル。
「テイトーネルは、あのフミーダインとか言う者に心残りは無いのか?」
強引にさらう流れとなったのに罪悪感でもあるのか、訊ねてしまう。
乙女モードで呆けかけていたテイトーネルだが、現実に引き戻されて少し不満げだ。
「有りません」
「ほ、ほう?」
それはもうキッパリと。 あの王太子の涙の演説は何だったのかと思ってしまうほどに、未練はさっぱりと感じられない。
同じ男として思うところが有るのか、オベイロンがわずかにたじろぐ。
「5才の頃に妖精の森へ放置して一人で帰ったくせに、それからは何があってもベッタリ。
「私が守るんだ」の一点張りで、どんな時にもベタベタベタベタついて来て。
買い物の時もいつも一緒。 「アレが君に似合うコレが君に似合う」で、私の意見などまるで聞かない。
用事があるとかで離れたから束の間の自由だと思ったら、今度は護衛が倍増で気の休まる暇が無い。
こんな行き詰まる10年間だったのに、それが死ぬまで続くなんて地獄よ」
「…………おぅ」
不満げだったのは、引き戻されたからではなく、どうやらフミーダインへの不満を思い出してしまったからの様だ。
ここまでのテイトーネルの負の感情を、オベイロンは見たことが無かった。
裏を返せば、それだけの感情をオベイロンへ持っていないのだ……とも言えるだろう。 恐らく。 多分。 きっと。 メイビー。
不満を少しでも吐き出してスッキリしたのだろう。 テイトーネルの顔は明るい。
「対して妖精の国は、妖精は自由な子ばかり。 私も思うままに振る舞えるのは魅力ね」
「……ウン、ソウダネ」
なんだか返事とそっぽを向く動きが怪しいオベイロン。
多分だが新婚さんとか言うノリで、イチャイチャベタベタする爛れた生活を期待していたのかも知れない。
それか男の甲斐性とばかりに、フミーダインと同じ事をしようとしたのかも知れない。
「なので約束通り。 オベイロン、貴方の妻にならせて頂きます」
着地点はそこなのか。
見物の妖精達は、長い長い茶番劇に付き合わされ、無音のため息を吐く。
「ははは、そこについては本当に嬉しいよ。 じゃあ、お迎えの飲み物を飲んでほしい」
「ええ、良いわよ」
場が落ち着き――落ち着いたか?――本来の歓迎式に戻ったと感じたオベイロンは、式を進めるべく妖精達へ合図を送る。
それでやって来たのは、頭の代わりにグラスの乗ったトレーをささげ持った首無し騎士。
それとボサボサ頭で喪服の老婆がふたり。 片方が飲み物を入れた小さな樽からグラスへ注ぎ、もう片方がグラスを取りテイトーネルへ渡す。
受け取ったテイトーネルが一度オベイロンを見やると大きく頷いたので、その飲み物をテイトーネルが飲み干す。
すると、妖精達から大きな歓声が上がる。
飲み干す儀式に喜んだのだと思っていたのだが、また違う喪服の老婆が持ってきた鏡を覗き込んだら、歓声の意味が理解できた。
背中に立派な翅が生えていた。
「これでテイトーネルも妖精の仲間入りを果たした! これからテイトーネルは、より妖精らしい読み方でティターニアと呼ぶ事とする!!」
妖精達の歓声は、もっともっと大きくなった。
「ところで」
「どうしたんだい? 愛しのティターニア」
「………………(少し痙攣) フミーダイン殿下の呪いは解かれたのですか?」
「もちろん。 ティターニアがあの城から出た直後にね」
「あの呪いの副作用はあったりは?」
「有るね。 体が死にそうになったと自覚してるから、自分の居た証として子供を作りたがる様になる。
おまけとして、男の象徴は大きくなるが敏感になって、その分営みが短くなる」
「……それはなんと言うか、酷い呪いの副作用ね」
「えっと、それにね? 副作用の副作用で、営む相手がその早さに不満を持って、もっともっとと求めるようになって――――」
「――――耐えられなくてポックリも?」
「あるね」
「……あら~」
~~~~~~
もしアレが足りないコレが足りないココがおかしいと感じましたら、その指摘をどうぞ感想へ。
検討の上、必要なら文中に追加します。
追加するほどを感じなければ、感想へのお返事でお応えするつもりです。
蛇足
テイトーネル(ティターニア)
オベイロンの嫁にするからと、ティターニアっぽい響きにしてみた。
猫被りがとても上手いご令嬢。 中身はまだまだ遊びたい盛りの女の子。
なのに全てを縛ろうとするように、自由の無い生活を強いてくる婚約者の生活は本気で苦痛だった。
もちろんそれを「お前のためだから」とか言いながら、より強く縛ろうとしてくるフミーダインを好きになれる訳もなかった。
本文中にあった5才で迷子になったときにオベイロンと出会い、行方不明と言う名の逢い引き(お茶会)を重ね、その自由さにオベイロンが好きになる。
……恐らく将来は、オベイロンが自由さから浮気しまくり、それを見とがめてお仕置きする日々が待っていると思われる。 南無。
テイトーネルの可愛い所を見せたくて、オベイロンの暑苦しい口説き文句に激しく動揺させたけど、唐突過ぎ&異物感が強くてちょっと余計かも? とか作者は少し悩んでいる。
テイトーネルの家族
フミーダインの婚約者には相応しくないと思っていた。
むしろテイトーネルの性格的にはオベイロンの方が破れ鍋に綴じ蓋とばかりに、合っていそうだと思っていた。
だからフミーダインが邪魔してこられると困るので、オベイロンとの約束は国へ報告していない。
報告すればテイトーネルを出汁にして、妖精の国と関係を繋げようとか悪いことを企まれたりしたくないのも心配して。
それとフミーダインが意地になって、変な暴走して妖精の国へ討ち入りとかしないとも限らないので。
なお、当人達は自領へ帰って挨拶回りとか婚姻衣装の準備とかをする時間が、もう少しあると思っていた。
が、想定より妖精側の動きが早すぎて、気持ちの覚悟・整理も無しで不意討ち気味に連れ去られたので、突然訪れた今生の別れから泣いてしまった。
それ位には、テイトーネルを愛していた家族達である。
婚約破棄
今回はテイトーネル有責の婚約破棄だが、事情が事情だけに慰謝料などの支払いとかは無い。
別名義ではあるものの、実質的な詫び金をむしろ国からもらっている。
フミーダイン
フミーダイン→踏み台
オベイロンの踏み台になる運命を背負った王太子。
テイトーネルが大好きだったが、その気持ちは一方通行で独善的。
ひねくれた目で見るとテイトーネルを所有物として扱っているように見えたりする。
それで不自由を強いて嫌われたのに、気付いていない。
一度だけフミーダイン様と言った理由
敬称・尊称を付けずに呼んでくれと日々言われていたが、固辞していたテイトーネル。
これで最後と、せいせいした置き土産気分で言ってやったのが理由。
テイトーネル当人からすれば、何の気もない放言。
ご令嬢
テイトーネルの後釜。
家の格も礼儀も人格も、フミーダインの妃として申し分無し。
テイトーネルへは、そんな自分より優っていると心服し、ふたりの婚約・婚姻を応援していた。
だが一方的な婚約破棄の件を知って少しだけ王家を恨む。
事情を知ってからは理解を示し恨みは晴れ、テイトーネルの後釜として張り切る。
フミーダインと婚姻を結んで王家の夜のつとめも果たすが、早く終わってしまう事に不満をもつ。
以降積極的に求め始め、フミーダインは体力切れでダウンの日々。
段々とやつれていくフミーダインと、肌がツヤツヤしているご令嬢の対比で周囲は事態を理解する。
理解するが、それを口に出す訳にもいかんとして、フミーダインは以降病弱設定がついて回るようになったとか。
このご令嬢、婚約破棄の場で長時間頭を下げ続けられるほどに、腰……と言うか筋肉の持久力が恐ろしく強いのだ。
決して侮ってはいけない。
国王や貴族達
フミーダインの演説に感涙していたが、所詮それは男性側からの理屈。
女性側からの理屈とは違うので、テイトーネルから見ればロクでもない野郎共としか、認識されていないだろう。
オベイロン
著作権の概念が無かった時代の作品から、妖精の王と言えばこの名前だろう。
とにかく自由な性格。 テイトーネルと一緒になりたくて、手段を選ばない程度には倫理観も自由である。
妖精の国で出た歓迎用の飲み物
種族を妖精に変える秘薬。
これを飲めば、君も今日から妖精DA!
首無し騎士
作品世界によって扱いは変わるが、この世界では妖精である。
死の宣告や首無し=死 などの死の要素が強すぎるために、アンデッドなどの魔物とされ易いが、本当は妖精なのだ。
ちなみに襲いかかってくるタイプのデュラハンは、この世界ではデュラハンを真似たタイプの動く鎧だ。
見抜ける存在は少なく、一緒にされて勘違いばかりされている。
ここで紹介するれば察するだろうが、テイトーネルの婚約破棄はオベイロンが仕組んだ罠である。
喪服の老婆
バンシーもまた、本来は妖精の一種である。
デュラハンと同様、死の要素が強いために勘違いされやすい。
オベイロンの指示により、盛大に驚かそうとして複数で王太子の部屋の前まで行った。
デュラハンの宣告が有るため、バンシーが泣く条件は揃っている。
死の呪い
かけたのはデュラハンだけではない。
ほかの有象無象の妖精達もかけたし、オベイロンさえもかけた。
もちろんテイトーネルはそれを薄々察していたが、事が事だけに確証無く言い出せなかった。 なので、呪い関係の相槌に困るテイトーネルだった。
これ(呪われ具合)は洒落にならない事態だったと、書き残しておく。
呪いを解く条件のお告げ
こいつもオベイロンの差し金。
当人はどうしてもテイトーネルと一緒になりたかった。
マッチポンプと言われようが、自作自演と言われようが、どんな手段を用いてでも。
もちろんヒトと妖精では価値観・倫理観なんかは、まるっと違うわけで。 これを非道とも思っていないフシがある。
こんな所業をするオベイロンを、テイトーネルは嫌わないのか?
テイトーネルにとっては、それでもフミーダインよりは良いのだ。
オベイロンと接していて、楽しいのだ。
フミーダインとの道には、縛りヒモや鎖を始めとした拘束具しか無い。 それをテイトーネルは生理的に嫌っているのだから。
~~~~~~
余談中の余談
本編未登場ながら、実は妖精だった! 系の小ネタを少々。
ゴブリン
元々は“良い妖精”扱いされていた。
物を隠したり食べ物をこっそり食べたり、人を躓かせてコケさせたり。 悪いイタズラをするが、忙しい人の手伝いをしてくれる存在だったらしい。
つうか多分、大元の大元はただのひねくれた子供が、こっそり手伝ったのを認めなくて“そう言うこと”になったのが、ソレなんじゃないかと“自分は”思う。
今はとある宗教による布教活動の末に貶められて、醜い怪物扱いされているが。
トロール
傷口を火で焼いたり、日の光を浴びせて石化させないとどうにもならない程に再生力が強く、力も非常に強い怪物。
日の光が当たらなくなれば石化が解けて、活動を再開する。
なお、石化設定は特定の有名なTRPGシリーズによるモノ。
実はこれも元々妖精の一種。
親戚にカバの妖精こと、ムーミ○・トロールが存在している。
ちなみにムー○ンはカバの妖精では無く、普通の妖精の一種らしい。




