無
僕は皆川亜季良15歳。どこにでもいる中学生だ。
って、普通主人公なら言うだろう。だが僕は違う。
違うと言っても、少年ジ○ンプの主人公のように、体が伸びたり、呼吸で鬼を倒したり、女子とイチャイチャできたり、科学が使えたりと、プラスの意味で違うわけではない。
簡単に言うのならば、僕は「何も無い」。
勝て「無い」
褒められ「無い」
成功し「無い」
友達ができ「無い」
勉強ができ「無い」
運動ができ「無い」
モテ無ければ、彼女も居「無い」
主人公という名の肩書きしか「無い」
人望が「無い」
才能が「無い」
有るが「無い」
言いあげればキリがない。
あ、けど、一つ有った。僕は「必ず負けたことが有る」。変な日本語に聞こえるかもしれないが、意味はそのままだ。
僕は負ける。必ず負ける。
負けないということが「無い」。
と言えば分かるだろうか。
この物語はそんな何も「無い」僕の物語だ。やりたく「無い」なぁ。
ま、物語が「有る」だけましか。
そうゆうわけで、しばらく、皆の「有る」時間を僕に分けてくれ。