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暗殺者は平等に跳ねる

一話目ですが残酷な描写があります、苦手な人はご注意ください。

1⃣


一つ、二つと首が飛んでく。


凪いだ刀を返して切り上げ腕がちぎれ飛ぶ。


後ろから飛んできた矢を避けお返しにナイフを飛ばす、眉間に刺さった、よしクリティカル。


床には死体と血の海が転がり阿鼻叫喚の地獄絵図であった。


はじめ30人もいた男達はことごとく切り捨てられていき、動けるものはすでに10人を切っていた。


果敢にも攻めてくるようなものはすでに床に転がっておりもういない。


肘から先が消失した腕を抑え蹲っている男の首を跳ねる。


怯えながらも剣を構えてる男の剣を弾き飛ばし首を跳ねる。


隠れているつもりなのか死体の下にいる男の胸を突き刺す。


跳ねる、跳ねる、突き刺す、跳ねる、突き刺す、ああ、たまらない。大丈夫、命はみな平等だ。


残るは奥の椅子に腰掛けている老人とその隣にいる巨漢のみとなった。


巨漢は切る、と言うよりは潰すのが目的であろうその巨大な剣を振るう。


後ろに跳んで避けると同時に剣が床にあたり凄まじい音と共に衝撃でガレキが吹き飛ぶ。


さてさてどうしたものか、巨漢の男は皮の鎧を身につけており首や胸といった急所はしっかりと守られている。


今回は多人数相手とだけしか聞いていなかったため毒やら罠やらは持ってきていない。


考えるのも馬鹿らしくなり地道に行くことにした。


二振り目を横に避け接近すると手首を切りつける、が巨漢は怯まずにこちらを蹴りあげて来たのでそれに刀を添わせ切るも骨が邪魔して肉を切るのみとなった。


切り合うこと数回、巨漢の攻撃を避けつつ鎧の守られていない所を切りつけていく。


すでに巨漢の足元には血溜りが出来ている。


そろそろ失血死してもおかしくはないのだが巨漢は倒れない、…強いな。



切り付けることさらに数回。


すでに意識も朦朧としているのだろう、膝をついた巨漢は落とした剣を拾おうともせずこちらに手を伸ばしてくる。


ゆっくり伸ばされた手は歩くだけで簡単に避けられた。


後ろに周りその兜の留め具を外し兜をとると戦士らしい顔つきが出てきた。


放っておいてもいずれ死ぬだろうが“平等に”だ、戦士の首を跳ねた。


少し長い間戦っていたが老人は逃げずに椅子に座ったままであった。


その顔には部下を失った悲しみも諦めも見えず、鋭い眼光が二つこちらに向いている。


「なるほどな、貴様は王国の影か。」


その言葉には怒りは感じられない。


「儂らはどうやら切り捨てられてしまったようだな。」


俺は何も答えずに老人に近づいていく。


「最後に素晴らしいものが見れた、礼を言おう。」


そう言う老人の首を平等に跳ねた。


部屋をでようとする俺を転がる首だけが見ていた。


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