5 ドラゴン現る
続けて投稿!!
さて、どうしたものか。
俺は森の巨木のそばに座り込んで考える。これからどうしようかな。
サルコスクスと別れ、森に入ってきたのはよいが・・・。
目的が、ない!
なんかこれゲームみたいに最終目標とか立てたほうがいいのかな・・・。
うーん、思いつかない・・・。
この世界恐竜全制覇?いやスケールがでかすぎるな。
打倒魔王?いや魔王いるの?
もういいや!決めた!「この世界を満喫する」だ!
なかなかいいのではないか?
俺は気分がよくなり、また立ちあがった。森の奥へ、奥へと歩みを進める。
そして、しばらく歩いていると、開けた丘にでた。
下を見てみると、思わず目を見開いた。
広がるのは、絶景。様々な恐竜。圧倒的な自然力。
俺は心が歓喜で満たされる。
やっぱり俺は恐竜世界にいるんだな!
再度そう実感した。なんかいろんなところがおかしいけれど。
見とれているうちに、不意に空に大きな影が通る。
眩しい太陽の近くを見上げると、そこには大きく翼を広げるシルエットが浮かんでいた。
異世界ということを象徴する、あの。
ドラゴン。
俺はすぐに身の危険を感知した。
なぜかって?そりゃ答えはすぐにできる。
だってあのドラゴンがこの丘に着地しようとしてるんだよぉぉぉぉぉぉぉ!!
史上最速で走り、茂みに飛び込む。
茂みはやっぱ安置だな・・・。
そう思い、ドラゴンに視線を移す。
今着地したようで、周りにぶわっと風圧がかかる。
さすがの威圧感だ。モササウルス並みかこれ?
やっぱ生態系の上位にいるのかな、こいつ。
ドラゴンってスキルとか使えたりしないよね?今気づいたけど、俺スキルも何もないよ?
そうした不安が走る。
と、同時に気の抜けた腹の音が鳴る。
こんな時に腹減ったの、俺!?
ドラゴンがこちらを向いた。
やっべ。気づかれたかな、これ。
逃げる方法を練っていると、空腹というワードが頭に引っかかる。
ん?この展開、さっきも見たな・・・。あのトリケラトプスを襲った・・・。
視界が紅く染まる。さっきまで怯えた視線だったのに、今はあいつを獲物としか見ていない、狩人のような鋭い視線のせいか、殺意が漏れている。
その殺気に気付いたかドラゴンの表情が険しくなり、戦闘態勢らしきものをとっている。
ああ、またこれ・・・?
<<竜ノ本能を解放シマス>>
そう男の声が聞こえたとたん、俺の体の操作権が奪われた。
はっきり言って、怖すぎる。
意識はあるし、竜の本能が解放されている俺が向いているところは見えるのだ。
じゃあ何が怖いかだって?
そんなの理由は一つ。
ドラゴンに、俺は突っ込んでいる。
あまりにも無謀。
スキルも持たずに赴くとはアホがすること。ま、俺はアホやけど。
今の俺の状況はドラゴンの背中に乗って、引っかいたり噛んだりしている最中。
なにしろ闇っぽい色の鱗が固い。
そう、推測だがこいつはいわゆる闇属性のドラゴン、黒夜身龍なのでは?
もう勝手に当て字とか名前を付けてるのは気にしないでね!解放をブラストって呼んでるのも気にしない!
話は戻すが今の俺ではこいつにダメージを与えられないことが判明した。ヤバいのだ。
すると、黒夜身龍に動きがあった。
強引に俺を引き離すためか、鱗から無数の黒い弾が放たれる。俺は咄嗟に避けた。ま、操作してんの竜の本能やけど。
そして黒夜身龍と対峙する状況に。
奴の周りにはさっき出した黒い球が浮かんでいる。
「黒弾流星!」
すると、ドラゴンが叫んだ。途端に黒弾が俺めがけて飛んできた。
何かのスキルだろうか?いいなあ。
のんきなことを考えながら、俺は死を覚悟する。
と、共に。
<<体ノ空腹ノ限界ヲ感知。強制捕食ヲ行イマス>>
と声が聞こえた。すると。
目の前に来た黒弾流星が大きな闇に呑まれ消え去った。
その闇を放ったのは、俺。
「!?」
黒夜身龍の顔に動揺が走る。走ったとたん―――
俺の放った闇が、黒夜身龍すらも呑み込んだ。
どうでしたか?なんか面白いですね小説書くのw