第一節 【二人の力】
お久しぶりです!やっと続きが書けたので載せますね!駄文ですが暇つぶしに読んでみて下さい!
二人は、街を目指し歩いていた。
歩いている途中、リアンナが口を開いた。
「ところであなたは聖力を持っているの?」
「・・・・。いや持ってないよ」
ルドナフは少し間を置き、そう答えた。
「そう。私も大した力は持ってないわ」
そしてしばらくの沈黙が続き、今度はルドナフ
からリアンナに話しかけた。
「僕はね、もっと人の役に立てることがしたいん
だ。でも、そう上手く行かなくてさ。
自分自身でもどうしたら上手くいくんだろうと
ずっと考えてる」
「一人で背負わなくてもいいんじゃないかしら。
一人では無理でも二人ならなんとかなるかも
しれないでしょ?」
「君はすごく前向きなんだね。僕にはないもの
だからとても不思議なんだけど、その気持ちは
どこから湧いてくるんだい?」
リアンナはこっちを見て、笑顔でこう言った。
「こうでもしなきゃこの世界で生きるには辛いで
しょう?だから前を見て歩くのよ」
ルドナフは思った、彼女は強いのではなく、落とせば簡単に割れてしまうガラスのような心なのだと。でもそれを隠し、自分に笑顔を見せ勇気付けてくれていたのだと。なんと愚かな事をしてしまったのだろうか。ルドナフは彼女になんと言ったらいいのかわからくなってしまった。
それから、ほとんど会話をすることなく街についてしまった。
「じゃあここでお別れね」
「ああ。気をつけて。また何か縁があればよろし
く頼むよ」
「ええ。あなたも気をつけてね。それじゃ
またどこかでね、ルド」
こうして二人は別れを告げ、別の道を歩き出した。
しばらくしてルドナフが街を歩いていると、広場の方から爆発音が鳴り響いた。
ルドナフは急いで広場へ向かうと、そこには一人の女の子とその子を囲む聖寮騎士団がいた。
「大人しくしろ!皇国を脅かす悪魔め!」
聖寮騎士団の一人がそう言うと、女の子はこう言った。
「悪魔じゃないよ?私は妖精だもん!」
「広場を爆発しておいて何を言っている!」
「ここは妖精にとって凄く大事な場所なの!
あなた達のような人間に汚されて迷惑している
のはこっちなの!」
少女はそう言うと、手のひらを頭上にかざして
炎の塊のようなものを聖寮騎士団に向けて放つ。
するとたちまち、その炎の塊は鳥のような形になり、聖寮騎士団に向かって飛び出した。
「聖寮騎士団達よ!守りを固めて攻撃に備え
よ!」
聖寮騎士団の指揮者と思われる人物がそう言うと
騎士団の者たちは一斉に盾を構えた。
しかし、それを嘲笑うかのように炎の鳥は騎士団を焼き尽くした。
「馬鹿な・・・我ら聖寮騎士団がこんなに簡単に
やられるだと・・・?」
「人間如きが私たち妖精族に勝てるわけない
でしょ!」
確かに聖寮騎士団は妖精族から見ればただの人間かもしれないが、仮にも「聖寮」という名前が付くのだから普通の人間では無いはずなのにもかかわらず、聖寮騎士団は一瞬にして敗れ去った。
「なんて事なの・・・。」
ルドナフが何も出来ず立っていると、聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「・・・リアンナ?」
「ルド?どうしてこんなところに」
「街を歩いていたら、この広場で爆発があってね
急いで来たんだけど、何も出来ないままこうなっ
てしまったんだ」
「あなたが悪いわけじゃないわ。それよりあそこ
に立っている女の子は誰なの?」
「あれは妖精だよ。しかもかなりの聖力だ」
「妖精って森の中に住んでる妖精?その妖精がこ
の場所に何の用があるのかしら」
「僕にもそれはわからないけど、一つ言えるのは
僕達、人間族にあまり友好的ではないってこと
と、この街を破壊するかもしれないってこと」
リアンナはしばらく考え込み口を開いた。
「ねぇ、ルド?」
「なんだい?リアンナ」
「あなたって強い?」
リアンナはルドナフにそう言った。
「強いかどうかはわからないけど、それなりに武
術は心得てるよ」
するとリアンナは広場の中心に向かって走り出した。
「何をしている!ここより先は立ち入り禁止だ!」
「通しなさい!私はファルバス皇国第三皇女
リアンナ・ファルバスよ!」
リアンナは騎士団達に向かって確かに言った。
ファルバス皇国の皇女であると・・・。
「皇女様が何故このような場所に!?」
やり取りを見ていた民たちはざわつき出した。
「皇女様ですって。なんでこんな所にいるのかし
ら?」
「国がこんな状況だからじゃないのか?」
「まぁ聖寮様たちのおかげでここはそれなりに
生活できるしな」
「でもなぁ、こんな状況になっちまったしここも
安全とはいえなくなっちまったんじゃないか?」
民がざわついているなか、リアンナと妖精族の少女は対面していた。
「あなたは何故こんなことをしたの?」
「人間たちが私たち妖精族の土地を汚したから
よ」
するとリアンナは少しの間を置き口を開いた。
「確かにそうね。この土地を汚したのは人間達
よ。でもね、もともとこの土地を聖寮のみなさん
が汚されぬように守ってきたのも事実でしょ?」
「でも結局は汚されたじゃない!土地を守りきれ
なかった人間達に何を期待しろというの!?」
妖精族の少女はリアンナを睨み続けていた。
しかし少女は怒りを露わにしていたかと思えば、
突然、冷静になり何かを唱えている。
「森に住む妖精の子達よ。我が願いを聞き届けて
くれるならばその力をここに示せ!」
少女が何かの言葉を言い終わると、広場の周りを巨大な木が囲み始めた。
「リアンナ!今すぐそこから離れるんだ!」
「ダメよ!今ここで私が逃げたら皇女としてこの
国を守るという義務が果たせなくなる!」
「僕に考えがあるんだ!だからリアンナはみんな
を連れて早く逃げて!」
「・・・。わかったわ、あなたを信じる!」
そう言うとリアンナは民達に逃げるよう指示を出した。
「無駄だよ?この広場は私たち、妖精の力で塞い
でるから誰一人出ることは出来ないの」
「確かにそうだね。だけど妖精族の土地さえも腐
敗させた力ならどうかな?」
ルドナフはそう言うと両手にはめていた手袋をはずし始めた。
「君はもしかして・・・、腐敗の王?」
するとルドナフは一瞬の間を置き、少女にこう言った。
「確かに腐敗の王と似た能力だけど僕は腐敗の王
ではないよ」
そう言うとルドナフは両手を地面に置き力をこめた。
「はあぁぁぁぁぁぁあぁぁぁ!」
するとたちまち辺りに広がっていた木々達は腐り果てていった。
「そんな・・・」
その時、逃げたはずの少女が二人の方を見ていた。
「ルド、あなたが腐敗の王なの?」
次の更新がいつになるかはわかりませんが最後まで書きます!