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お昼になり、いつもの4人で集まってご飯を食べている時に町子は真奈美に話しかけた。
「今日さ~、真奈美が夢に出てきたよ。」
「マジ?あたし何してた~?」
「二人で……真奈美、前髪切った?」
町子は朝ぼんやりしてて気づかなかったが、改めて真奈美を見ると前髪が随分短くなっているようだった。
「そうなの!もぉ聞いてよー!昨日の夜切った時はばっちしだったのに朝起きたらすっごい短くなってたんだけど!マジ下がる~。」
「えっホントだー!まなちゃん夜前髪切ったの?ダメじゃん!」
「夜前髪切っちゃダメって言い伝えあったよね。」
「うそー!あたしその言い伝え知らないんだけど~。」
「いや、そんな言い伝えないから。」
「堂々とさ、これオシャレだから!オシャレで切ったから!って言ってれば大丈夫っしょ。」
4人で下らない話をしているうちに町子は夢の話をする事をすっかり忘れていた。
放課後になり、真奈美と町子は部活組の二人を見送って帰り道を歩いていた。
「今日さーメイプル寄ってこうよ、メイプル!」
「いーよー。」
「丸ちゃんも佐渡ちゃんもメイプル好きだし、今度みんなで行きたいね。」
「じゃあ今度二人が部活ない時に誘おうよ。」
「丸ちゃんのサイズに合うアクセあんのかな?でもあの二人って面白いよね~。」
「え……?うん、面白いよね。丸美のぼやっとしたとことか佐渡子の冷静でドSな所とか、いいコンビだよね。」
「そうそう!佐渡ちゃん綺麗だしドSキャラが似合うよね~。丸美ちゃんはもうちょっと自分の体形に見合った人を好きになればいいのにね~。」
「………あんたは一番性格ひどいよね。」
駅とは離れた住宅街の方に向かって二人は話しながら歩いていた。二人のお気に入りのメイプルは、カフェ風の可愛いアクセサリーショップで、住宅街のど真ん中に埋もれる小さな店だった。