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喫茶パメラ  作者: 星々 世々


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3/3

保安官は

保安官は、あんぐりと口を開けていた。



しばしの激務から解放され、久しぶりに訪れた喫茶パメラ。




──あまりにも、繁盛しすぎている。




ここ一年、抗争が悪化した隣の自治区からの避難民が激増。


つまり、区役所、ハローワーク、警察、卸売業者などなど、

自治区運営に何役も買う保安局の仕事も増えるわけだ。


忙しくて来れないうちに、行列ができる店になっているではないか。




ところで、保安官ザリは根はいい奴である。



多少面倒くさがりなので、結構サボる。



しかし必要業務はこなすし、サボり先でコネを作ってくる。

(そのコネでパメラはセナを雇うことになった。)


誰も文句を言えないし、結構信用もある。


この時代において、かなりの好青年と言えるだろう。



愛嬌と有益さで許されていたサボりが、許されない忙しさ。


少年セナをパメラに任せてすぐ始まった激務。



農園を拡張して仕事を確保し、住居の不足と戦い、働いて食事を摂って寝る日々。


隣の自治区の抗争がようやくおさまって、ようやくとれた3連休。

前半2日、散髪し、狭い寮で友人と酒を呑み、寝たいだけ寝た。

明日からの仕事から目を逸らしつつ、久々にのんびり買い物に出た3日目。



「3代目はちゃんと子守りできてるかなー」

と揶揄いに来たはずが、、



近所の八百屋曰く混みすぎて入れないらしい15時代、

動揺しながら一旦必要な買い物をして過ごし、空いてきた16時に店を訪れた。



髪と背が伸び、驚くような美少年になったセナが出迎えた。

清潔そうな白いシャツとエプロンに身を包み、ウエイターをこなしている。


久しぶりの再会にお互い多少緊張しつつ、窓辺の4人席に案内される。



古いところを直して、綺麗になった内装、4品も増えたメニュー。


一年前は、昼時、夕飯時に仕事終わりの男衆が来る程度の店だったはず。

以外は閑古鳥が鳴いていたはずの夕方の喫茶パメラ。

今は主婦らしい女性客が二り、スイーツを楽しんでいる。



動揺がおさまらず、とりあえず紅茶を注文してキョロキョロすることしかできない。



落ち着かない彼の正面に、紅茶を持ったパメラが得意気な顔で現れた。


一つに括った髪は伸び、快活さが増し、以前より美人になっている。




店主曰く、セナが来て仕事に余裕ができ、メニューも増やしたところ、


「美人女店主と美少年ウエイターがいる」「メニューも豊富で美味しい」


と話題になり、女性客も増えてずいぶん好調だと言う。




「おかげさまで大繁盛よ。あんたがあの日言った通りすぎて多少怖いわ。」


「こんなにうまくいくとはな。俺も一役買ってんだ。鼻が高いねぇ」



おどけた態度に苦笑されつつ、パメラと近況を話していると、

はにかみながらやってきたセナが、机にプリンを置いた。



「ザリさん、これは俺からのサービスね」



少年はザリにとにかく感謝していた。

毎日美味しい食事が食べられ、毎日楽しく働けている。

これは口に出さなかったが、なによりパメラと一緒に働けるのが毎日夢のよう。

ここに連れてきてくれたザリにずっと感謝を伝えたかったのだ。



「あと、多分忙しかったの俺のせいもあってさ」



この店に、同じ家にいた奴隷少年たちが何人か訪れた。

曰く、セナがどうやら逃げ切れた様子なので真似してきたと言うのだ。


「いんや、お前のせいじゃない。子供を売り買いする大人が悪いんだ。気にすんなよ。

まぁそれはそれとして、このプリンはいただこうかね」



穏やかな夕方、話し込む3人。


40代くらいの女性2人組の客が食事を終えたようで、セナは会計に向かう。


「今日も美味しかったわ。

パメラちゃんは美人でセナくんはイケメンだし。」


「ほんとそう。私も毎週来るの楽しみにしてるのよ。

ねぇ、うちの娘の婿に来ない?こんないい子なかなかいないわ。」



苦笑するセナをザリがニヤニヤしながら眺める中、パメラが返す


「お姉様方、うちのセナはまだ13だよ?それにいなくなったら困るの。

今世はあたしと一緒にいてもらうわ。娘さんにはまた来世でって伝えといて。」


女性客は冗談なのでさして残念そうでもなく切り返す。


「あら残念。じゃあパメラちゃんは?うちの息子なんかどう?」


ザリのニヤつきのターゲットがパメラに移る。


「それも残念。あたしはこの店と結婚したから、人間の夫は結構ね。」



目敏い保安官は気がついた。


パメラは冗談めかしているが、かなり本心で言っているのを。


「今世は一緒にいる」で頬を緩め、「人間の夫は結構」で少し残念そうにしたセナにも。




「そろそろ、俺もお暇するぜ。いい酒のつまみも知れたしな。」


「なんの話?あら、なんでそんなに嬉しそうなのよ。」



セナはパメラを落とせるか。というか、パメラは気付けるのだろうか。



焦ったい恋路をたまに覗きにこようと決めて、

保安官はニヤけながら店をさっていった。

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― 新着の感想 ―
パメラのキャラが良いです。 こりゃモテるのも当然だ。
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