呪われた城
「なんだ?これは?」
さっき、意識を取り戻すときに、嗅いだ臭い。
生臭く、カビ臭いこの臭いは、それだった。
「まじか・・・」
僕は、目線が外せなくなっていた。
爬虫類が、事の他、でかい。
屋根の上に群がり、こちらを見下ろしている。
「屋根は、壊れないのか?」
僕は、呟き、思わず、つま先立ちになる。
「今更、珍しいのかい?」
「いや・・・僕。」
自宅で、ウーパールーパーを飼っていた幼少期を思い出す。
「尻尾の長い生き物は、何でも、受け入れできるんで!」
おばさんが、おや?っという顔になった。
「お前さんは、よく、逃げ回っていたじゃないか?」
「そ・・・そうだった?」
僕は、身体を萎縮した。
そうだ。
僕は、どこだか、知らない世界に飛ばされたんだ。
沙羅の身体の中に、押し込まれて・・・。
僕の体には、別の奴が入っているっぽい。
「お怒りを買わないように」
「あの・・・何で、屋根の上にいるんですか?しかも、あんなにたくさん」
「そうだね・・・ここは、呪われているからね」
「呪われている?」
「どれを見ても、ただの爬虫類だろう?なりきれなかった、落ちこぼれが、ここの姫さん。狙ってきているんだよ」
「なりきれなかったって?」
「翼がないだろう?」
「翼のある爬虫類?って事?」
「ドラゴンだろう?」
「ドラゴンがいるんですか?」
ファンタジーの王道。
ドラゴンのいる世界に飛ばされたのか?
そして、
可哀想な姫は、僕?
沙羅がお姫様か・・・・。
イマイチだな。
「もしかして・・・お姫様って」
僕のはずが無い。
「そうだよ。さっきのアレン様のお相手、シャイルニア様だ」
イリアンって、言うのか・・・。
僕の顔を持つ奴。
「彼は、なかなかの美男子だけど、当然、モテるんだろう?」
「バカ言ってんじゃないよ。とんでもないクソ野郎だ」
自分を貶されたようで、ぐっさと来た。
「とんでもない男だよ。忘れたのかい?酷い目に遭わされた事を」
「僕?」
「もう、忘れたのかい?あぁ・・・忘れる事ができてよかったよ」
意味深な発言だった。
叔母さんは、早く着替える様に言って、僕に部屋の鍵を渡した。
「いいかい。決められた部屋以外、開けてはいけないよ」
そう言われると、開けたくなる。
僕は、着替えるように言われて、城の部屋に入る事になる。




