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人魚は、海の泡と消え

真っ白な泡が弾け飛んだ。


真っ青な空と海。


どこが、水平線なのか、わからない。


潮の匂いが、胸一杯になって。


僕らは、簡単に海の放り込まれた。


カロンの短い悲鳴と共に。


城主は、僕を一瞥すると、


海に投げ込むように言った。


弁解の余地もなく。


沙羅の小さな体は、中を舞い、


泡と共に、


海に吸い込まれていった。


「人魚姫でもいい」


前に、沙羅が言った。


「え?何の事?」


沙羅の誕生日だった。


僕は、仕事明けに呼び出された。


当然、僕の仕事は、ホストな訳で。


「乙女チックなんだ」


報われない恋をするって?


僕は、鼻で笑った。


周りの華々しい彼女達と違って、


雑草の様な女。


こんな女性がいても、いいかと思って、手をつけた。


「一緒にいたい」


「俺と?」


沙羅は、頷いた。


「ごめん。まだ、この仕事は続けるつもりだし・・1人に縛られるのは」


「それでもいい」


「迷惑かけるし」


「側にいられるだけでいい」


「う・・・ん。側にいられると、困るんだよね。他に付き合ってる子もいるし」


嘘ではなかった。


「モテますものね」


満更でもなかった。


「本当に、内面とか見てますか?」


突然、沙羅は、そんな事を言った。


「表面だけに、惑わされていなですか」


「アクセサリーと同じだから。綺麗な方がいいだろう」


何か、言いたそうに、


沙羅の目は、言っていた。


「その顔がいけないんです。その顔で、なかったら、わかるはず」


「何言っているの?」


沙羅の真意は、わからなかった。


だけど、


あの時の目は、忘れない。


僕を睨み、怖い表情だった。


あの時、沙羅は、何を考えていたんだろう。


僕は、その後、街角で、彼女を見つけた。


運転している彼女の隣で、沙羅を見つけた。


信号待ちだった、僕は、ショウウィンドーに自分の姿を見つけて、


覗き込む、彼女の姿だった。


「沙羅・・」


小さな声が出た。


その時の彼女は、可愛らしく、眩しかった。


どうして、


僕は、彼女を冴えないなんて、思っていたのだろう。


沙羅は、眩しい光の中で、気高く咲き誇る小さな花だった。


人魚の様に、泡となって消える人ではなかった。


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