君は、誰?
カロン。
このおどろおどろしい城の屋根に群がる爬虫類達の中で、
唯一のドラゴン・・・の幼体。
つまり、
ドラゴンの子供。
彼?
う・・・ん。
否定系で言うと雄ではないので、
雌。
女の子。
人の言葉は、話せないけど、
テレパシーみたいな感じで、気持ちを伝えてくる。
どうして、
彼女だけ(あえて、女性としよう)爬虫類の中にいるのか、
わからない。
小さく、愛くるしい存在。
爬虫類達が、多く住んでいるのは、
呪いのせいだと、
叔母さんが言っていた。
呪い避け。
つまり、
呪いの避雷針。
って訳。
毒を持って、毒を制す。
そう言う世界に、
僕は、転生したらしい。
閉じ込められたって、言った方がいい。
抜け出す方法もわからないまま、
城主の後添いになる。
吐き気がする。
毎日、雑務に追われ、
城主の娘、シャイルニアのご機嫌を伺い、
どう見ても、田舎の日々で、
時間だけが流れていく。
沙羅を邪険にした罪で、
僕は、全く、話にならないファンタジーの世界に閉じ込められたって訳だ。
せめて、外面がアレンであれば、
元の世界と同じく、楽しくやれた筈なのに。
憎たらしい事に、
アレンは、僕にまで、親切にする。
「やりすぎだよ」
僕は、思わず悪態をついた。
「何の事?」
全く、わからないらしい。
そのアレンが、襲われた。
瀕死の重傷を負った。
犯人は、カロンだった。
「カロンが、どうして?」
誰もが、信じられない顔をしていた。
ドラゴンの子供にしては、穏やかなカロン。
人を襲う事は、誰も、考えていなかった。
アレンの綺麗な顔から胸が、ぱっくりと避けていた。
「嘘だろう?」
寒気が襲った。
人ごとでは、なかった。




