君のいない世界
沙羅の体にいる事で、わかった事。
決して、魅力のない人ではなかった。
僕は、気付いていたのかも。
つまらない人。
そう思い込んでいた。
彼女の中から、見た外の世界。
僕が、見ている世界とは、違う。
退屈で、惨めな世界だと思い込んでいた僕のエゴ。
彼女の体に、僕の魂は、押し込まれたままで、肝心の彼女は、どこにいったのか。
別の世界に飛ばされた時、出会った沙羅は、傲慢だった。
君は、どこにいるの?
僕だけが、ここにいるのか。
あのカロンが、沙羅なのかと考えたけど、
全く異なっていた。
西の塔の住人?
生臭い塊りが、沙羅なのか。
そうは、考えられない。
沙羅は、もしかしたら、別の世界に飛んだのかもしれない。
「大丈夫なの?」
カロンが聞いた。
「人を心配している場合?」
少しずつ、元気になって行くカロン。
「良かったら、あの日に何があったのか、教えて欲しい」
屋根の上の血溜まりは、何があったのか、想像を掻き立てる。
「話してもいいよ」
真っ直ぐな目で、僕を見つめた。
「だけど・・・一つ、お願いがある。」
「何?」
「城主と添い遂げて欲しい」
「はぁ?」
一瞬、何を言っているのか、わからなかった。
「ちょっと待って。カロンもおばさんと同じ事を言うの?」
カロンは、少し、困った顔をした。
「西の塔の伯爵や怪物も、城主を嫌っていたんだよね?なのに、添い遂げろって?」
「そうだよ」
僕の推理によると、城主が、この城の悪の根源で、シャイルニアの性格の異常性とか、
西の塔にいるいわくつきの怪物達、
屋根裏の爬虫類の数々。
ドラゴンの幼体。
全て、城主が原因と思っていたのに。
なんで?
カロンは、
沙羅にそんな事を言う?
「カロン・・・僕が、嫌いなの?」
「そう言う事でないんだ・・・お願いだから」
「だって・・・だって」
この話の展開から、察するに、
城主は、バケモノなんじゃないか?




