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腹黒いのは、顔黒い

見た目の中身が異なるなんて、


良くある事。


侍女たちを従え、あちこちと走り回るおばさんもそうだ。


一見、意地悪な婆さんに見えるが、意外と面倒見が良い。


アレンは、どうか。


僕は、笑った。


自分の事を評価しろって?


見た目は、まぁ、自分で言うのも、なんだけど、


非の打ちどころはない。


侍女たちが、ざわざわしているその目線の先には、彼が居るし、


人目を引く。


伯爵は、閉じ込められていると言った。


誰が、


何の目的で、閉じ込めるのか。


カロンの怪我。


誰かに気づかれる事なく、


治す必要があった。


誰も、信じられない。


「大丈夫か?」


幸いにも、カロンが、出血した訳ではなかった。


傷は、浅く小さい。


誰かの流した血液の中に沈んでいただけだった。


気を失っていて、


脈は、触れるほどではなかった。


「カロン・・・カロン・・・」


僕は、少しずつ、水を飲ませた。


体を温めたらいいのか、わからない。


ドラゴンの幼体なんて、あちらの世界には、なかったから。


「カロン・・」


体をさするように、温めて、ようやく、意識をとりも度した。


「あぁ・・・」


僕を見るなり、ため息をついた。


「紗羅。戻ってきたんだね?」


「戻って?」


僕が、一瞬、あちらの世界に行ったのを知っているのか。


「どこにも、言っていないよ」


「知っているんだよ。紗羅」


ドキッとした。


「何を?」


「この城から、逃げようとしているのを」


その話は、初めてだ。


僕が、ここに来る前に、この世界の沙羅は、何かをしようとしていた?


「そ・・・そうなんだ。逃げようとしていたんだけど、結局、捕まって・・」


「ここからは、逃げられないよ」


伯爵の言う事は、本当なのか。


自分達は、閉じ込められている。って。


「カロンも・・・そうなの?」


「みんな、そうだよ」


「みんなって?」


「知らなかったのかい?知っているから、逃げおうとしたんじゃないのかい?」


カロンは、僕をじっと、見た。


見透かすように。


「沙羅・・・本当に、沙羅なのかい?」


「今までの、君とは、ちょっと違う気がする・・」


まだ、本当の沙羅を探し出せていない。


状況がわからない中で、バレるのは、まずい。


「さっきは、どうして、悲鳴をあげたの」


慌てて、話を逸らした。


「あぁ・・・。また、城主が誰かを連れてきたんだ」


「城主?」


「正確に言うと、乗っ取った奴だ。城主になりすましている」


カロンは、その身を小さく縮めていた。


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