表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/40

崖の上に立つ城は、事故現場と同じだった。

僕の住んでいる城は、海の側にあった。


見下ろす様に、眼下に海が広がり、反対側には、奥深い森が広がっている。


海の側だから、


何処からともなく、


羽のある物が、飛んできて屋根に住みつくのか。


異常な位、


ドラゴンの幼体や、見た事のない生き物がいる。


その端の西の塔に、灯りが灯る時がある。


「知らなかったのか?」


おばさんが言った。


「あそこには、行ってはならないよ」


使用人の誰もが行きたがらない。


それは、城主も同じ。


あの意地の悪いシャイルニアでさえ、使用人を使わす事はしなかった。


「呪われるらしいよ」


この世界には、呪いなんて、存在するのか。


僕は、笑いそうになった。


いやいや・・・。


僕が沙羅の体に、乗り移るくらいだから、


ありえる話だ。


「誰か、住み着いているんじゃ・・」


「そうだよ。住み着いている」


おばさんは、言い切った。


「ドラゴンを従えた魔女がね」


「魔女?」


十分な魔女がいるじゃん。


シャイルニアって言う、性悪な女がね。


僕は、鼻を鳴らした。


「おまえ・・・」


おばさんは、ポカンとした顔で言った。


「そんな子だったかね・・・。もう少し、素直だった筈だけど」


「いえいえ・・・気になった事は、その場で、聞こうかと」


「ふん・・・・そう言えば、最近、綺麗になったね」


おばさんも、とりあえず、女だ。


沙羅の変貌に、少なからず、気づいたようだ。


以前は、沙羅を綺麗にしようなんて、考えた事なかったけど。


僕が、ここにいる限り、冴えないままでは、置けない。


他の使用人達が、捨てようとしていたカーテンやシーツを譲ってもらい、


自分で、着れる様に、縫い付けた。


意外と、僕は、器用だった。


親父の器用さを受け継いだ様だった。


「あそこは、行ってはいけないよ」


忙しいのか、おばさんは、そう言うと、僕に箒を投げつけた。


「余計な事を言っていないで、庭でも、掃きな!」


僕は、中庭へと走り去った。


「西の塔には、何があるの?」


夜に、部屋に訪れたカロンに聞いた。


「何もないよ・・・」


しばらく黙っていたが、ようやく、口を開いた。


「何もないのに、灯りが灯るの?」


「灯りは、いつも、灯るわけではないよ・・・。月のない夜だけ」


「月のない夜?闇夜って事?」


「う・・ん」


僕が、崖から転落したのも、月のない夜だった。


そう、


この崖の上に立つ城。


僕らが、崖から、転落したのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ