第四話 簡単錬金術講座 はじまるよー②
『ステータスの数値を加算しますか?』
加算?
首を捻りながらもOKする。
さっきと同じような形でウィンドウが出てきたがこれは。
(入れ替えていないパラメターに錬成した二つの金属がそのまま数値として加算することが出来た。しかも、これ自動的に全部加算されるので後は自分好みに変更すればいいだけだ。
こんなに錬金術が大変になるとは思わなかった。達成感わかないとか言ってごめんなさい。
それが最後だったみたいで錬成が完成する。
出来たのは灰色の金属があった。
ステータスを開くと。
名前:なし
硬度:380
延性度:230
物理防御力:305
魔法防御力:61
重さ:1.1Kg
レア度:16
特性:破壊不能、重量軽減
ホントに加算されている。でも、重さのところはいらないな。いじるのは簡単さけど、毎回いじるのはなー。
何とかできないものかと考え続けて三十分。特性に新たな特性を付ければいいという結論に達する。
本来ならそんなことは出来ないのだが、そこはチートでごり押しする。
早速付ける前に、いじくってほとんど重さをなくす。
これをやっている時気付いたが、鉄と違ってパラメーターの上限が大幅に上がっていた。
(よし、これで重さは無くなった。)
いじくり終えたら次はいよいよ特性の付与だ。
「対象物固定。用途は付与した対象物のパラメーターの固定、種類は特性、名前は指定されたステータスの固定。空想具現化。」
長ったらしかったが、何とか成功した。
ちなみに、重さを指定した。
この『指定されたステータスの固定』はいくつもの固定が出来た。
(さてお次は・・・。)
「この金属と、ヒヒイロカネにしよう。」
さっきと同じ手順で同じように錬成する。
特性を引き継がせ、数値を入れ替えずに加算だけやってみた。
すると、
名前:なし
硬度:540
延性度:295
物理防御力:405
魔法防御力:81
重さ:100g
レア度:24
特性:破壊不能、重量軽減、魔力・神力無効化、魔力・神力回復、魔力・神力蓄積
となった。重さはミスリルと同じくらいに設定した。
ちなみに、ヒヒイロカネの性能は、
名前:ヒヒイロカネ
硬度:140
延性度:65
物理防御力:100
魔法防御力:20
重さ:4Kg
レア度:8
特性:
という風になっていた。特性は、例のごとく引き継がれたので無くなった。というかヒヒイロカネ重すぎ。
鉄の4倍って。
だが、この実験で特性が正常に働いていることが分かった。
さて最後にオリハルコンと混ぜ合わせる。
その前にオリハルコンステータスは、
名前:オリハルコン
硬度:*10
延性度:*10
物理防御力:*10
魔法防御力:*10
重さ:1Kg
レア度:9
特性:パラメーターの引き上げ
こんな感じだった。数値の*10って言うのが気になったが続けた。
そして、出来上がった真っ黒な鉱物を見て・・・。
ええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!
名前:なし
硬度:∞
延性度:∞
物理防御力:∞
魔法防御力:∞
重さ:100g
レア度:33
特性:破壊不能、重量軽減、魔力・神力無効化、魔力・神力回復、魔力・神力蓄積、パラメーターの引き上げ
名前が無いのを除いてものすごいことになってしまった。
だって、・・・物理・魔法防御力が・・・∞って。
これは、・・・想像以上にとんでもないものを作ってしまった。
あまりのことにしばしの間放心した。
放心から抜け出した竜也はこの金属に名前がないことに気付いたので名前を付けることにした。
(どんな、名前がいいかなー。)
あーでもない、こーでもない。散々悩んだ挙句。
「・・・オルコン。そうだオルコンにしよう!」
ついに名前が決まった。それを新しくできた金属に命名する。音声認証で。
名前を付けた後、この金属を使って鎧を作ることに決めた。
空想具現化能力で自分の姿に真っ黒なオルコンで出来た。甲冑姿を浮かべる。
「空想物固定。用途は防具。種類は全身鎧。系統は西洋の甲冑。数は一つ。金属はオルコン。性能を完璧に再現。名前はオールプレートアーマー。空想具現化。」
まばゆい光に包まれて、自分の体に真っ黒な甲冑を付けた自分がいた。
しかし、
「うわわわ!前が見えない!」
視界が真っ暗だった。本来なら格子のように作るか、穴をあけて視界を確保するのが普通だがそんな知識竜也には無かった。
作り直すのも面倒なので特性を付けることに。
その名も『視界透過』。
これは自分の視界の部分だけ透過できるものだ
これで、視界を確保できた。
動いてみてもいつもの調子と変われないし、重くも感じない。
この状態で魔法を使おうとしたけど、出来なかった。おそらく特性のせいだろう。
このままじゃ魔法は使えないのでその特性を空想具現化で変更した。
『魔力・神力無効化』から『魔力・神力無効化-外側のみ有効』。
これで普通に魔法が使えた。
(そういえば、魔法は使えなかったのにどうして空想具現化の方は使えたんだろう?)
一瞬疑問に感じたが、分からなかったのでそれ以上は考えなかった。
いったん甲冑を武器庫に入れておいた。後で防具庫を作っておこう。
しかし、ハイスペックすぎる。しかもまだまだ改良することができそうだ。
次はこの世界で通用する武器の製作だ。
やはり、刀。脇差(小太刀)。メリケンサックが定番だろう。
何故、メリケンサックも付けたかと言うと、刀や脇差はオルコンで出来ていて折れないが万一紛失した場合に備えてだ。
ちなみに、メリケンサックもオルコン製だ。
武器を作った後、技も作ることにした。空想具現化で。
刀系2つ。小太刀2つ。メリケンサック1つ。
西洋の甲冑に刀って変だよなーと、ぼやきながら装備をした。
余談だが、この甲冑姿を見た人々は『暗黒騎士』と呼んでいた。
別に悪いことしてないのに・・・。
今回は少し、短めです。
甲冑をハイスペックにしたのは、遊び心です。
甲冑に刀は、パスタを食べながらご飯を頂いている感覚です。
でも、あれってものによっては結構いけるものもあります。
次は、いよいよクエストの受注編です。
そこでもチートがさく裂。




