第三話 簡単錬金術講座 始まるよー①
美味かった。
食事を終えて自分が泊まる部屋に向かう。
食事をしながら宿の女将さんに泊まる旨を伝えといた。
一階が酒場兼受付。二階が宿泊部屋という風になっている。
この店は他の紹介されている店と違って有名ではない。
意外な穴場というやつだ。
部屋に入るとベッドに洗面台(風呂場つき、水は後で魔法で出す)の二部屋。
窓から見える景色は意外とよく見える。
値段の割にはいい部屋だ、しばらくここで生活するか。
これからのことについての想像を膨らませる。
ポジティブと言えば聞こえはいいが単に能天気なだけの竜也なのである
さてこれから色々実験する前に空想具現化の能力で付随しなければならない能力を作った。
まず、魔法の無詠唱。これのおかげで念じるだけで魔法が使えるようになった。
また、使うには俺の意思が必要不可欠になっているのは暴走を抑えるためだ。
次に、詠唱・無詠唱・能力発動の簡略化。
いちいち長ったらしいこと言わなくても簡単に発動できる。
ただし、一度唱えてあるものだけの限定的なものだ。
さらに、高速自動記憶読解。
これは本など書物の絵や文書などを高速で読み、一期一句覚える能力だ。
今はまだ、使わないけど後々使うだろうから。
そして、肉体強化の永久上昇効果。
これは特に体を動かして無くても、筋肉の増量、反射神経・動体視力の上昇、骨や関節などの強度の上昇、内臓や聴力、視力の強化、第六感の発現などが一日ごとに増えていく能力である。
欠点があるとすれば一日増える上昇率はその日のマックスゲージ(例えば体力の最大値)1%程だということだ。
即効性はないが大器晩成型の能力だ。
ちなみに、魔法の肉体強化もあるので最初は使う機会が多いだろう。
最後に錬金術の能力だ。
これは武具防具の改造や薬品の調合などの完全バックアップ能力だ。
ステータスを上げることは空想具現化で出来るが錬金で素材を変えるともしかしたら思わぬ効果が得られるかも知れないからだ。
他にも家を建てたり、壊れた部品の再構成等もできる。
やり方は、某漫画の錬金術と同じだ。
手をパンと叩くあれである。
以上五つの能力。
後々変更や追加もする予定だが、今はこれ位で十分だろう。
さて、次は錬金術で試したいことがある。
「世界最高の金属を作ること!!」
実は、夕食を待っている間に鉱物の本を見つけたんだ。
酒場の隅っこにあるスペースに町の観光などの本が置かれている中ぽつんと一つだけあった。
女将さんに聞いてみたところ、鉱物学者が見聞を広めるためにおいて行ったらしい。
早速読んでみたが(ちゃんと文字も読めました)、あまり興味がわかなかった。もうそろそろ、読むの辞めようかと考えているとあるページが眼に入った。
『希少金属の一覧と特性について。』
なかなか興味深く、今後の参考にもなると思い読んでみていくつかの鉱石を重点的に見てみた。
アダマンダイト:色は黒で希少金属の中でも特に手に入りにくく、ダイヤよりも高値で取引される。
特性、単体だけでもダイヤ並みの硬度だがいくつかの良質な金属と混ぜ合わせると破壊不可能なまでの硬度に至るらしい。
ヒヒイロカネ:色は純金とほぼ同じだが、比重は鉄よりもはるかに重い。
特性、術式・魔法などの効果を無効化できる。また、魔力や神力などの回復が出来、鉱物単体で失った魔力などを時間をかけて鉱物に蓄積することができる。
ミスリル:鈍い銀色の鉱石で他の鉱物と混じっていることがある金属。
特性、他の金属と混ぜると大幅に軽くなる。
オリハルコン:青みがかかった色で、希少金属の中でも稀有な特性を持つ。
特性、他の金属と混ぜると大幅に他の金属の特性を上げることが出来るらしい。
地球のと随分違うところがあったがそこは異世界ということで自分を納得させた。
他にも色々書いてあったが、特に役立ちそうなものをピックアップした。
「まずは、四つの金属を作り出すか。」
さっき作った能力が早くも活躍する。
まず、ロングソードを四つ作り出して錬金術で一Kg程の鉄塊にする。次に四つの金属をそれぞれの金属に変換する。
シュウウウウウウゥゥゥー!
これで、出来上がり。
「錬金術、ぱねー。」
うわー、すぐに出来ちゃった。なんだか達成感わかねー。
正直ここまで簡単にできるとは思っていなかったので自分の実力にあきれ返った。
しかし、このままってのも面白くない。というわけで錬成を試してみることにした。
「まずは、アダマンダイトとミスリルからやってみるかな。」
二つの金属を両手に持ち、錬成し混ぜ合わせる。
すると、ステータスウィンドウによく似たものが出てきた。
『特性の引き継ぎを行いますか?』
引き継ぎって何だ?まいいや、やってみよう。
OKする。
今度は、項目があるウィンドウに変わった。
破壊不能と重量軽減というものだ
その項目はミスリルとアダマンダイトの特性だった。
(はは~ん。特性の引き継ぎってそういうことか)
チェックチェックと言いながら特性にチェックを付けていく。
どうでもいい話だが項目やその他の能力はチェックでオンオフ出来るようになっていた。
次に進む。
『ステータスの数値を入れ替えますか?』
また出てきたな。
これも、OKにする。
すると。三つの枠があるウィンドウになった
名前:なし
硬度:なし
延性度:なし
物理防御力:なし
魔法防御力:なし
重さ:?
レア度:?
特性:破壊不能、重量軽減
これは新しい金属の方かな。
名前:ミスリル
硬度:80
延性度:30
物理防御力:55
魔法防御力:11
重さ:100g
レア度:6
特性:なし
ありゃ、特性が無くなっている。引き継ぎをしたからかな?
名前:アダマンダイト
硬度:300
延性度:200
物理防御力:250
魔法防御力:50
重さ:1Kg
レア度:10
特性:なし
こっちも同じようになっている。しかし、アダマンダイト性能高いな。
名前や硬度の項目に触れてみるとそれが入れ替える対象になり、自由に入れ替えられる。
(こうなっているのか。まー、いじる必要ないな。)
ステータスをデフォルトのまま次へ。
一体何個あるんだ?少々げんなりしながらぼやいた。
これで、ようやく話がつながりました。
さて、ついに出ました錬金術。
今後活躍が期待される能力です。
ちなみに、一番は何と言っても空想具現化なのです。
これだけは、譲れません。




