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チートな異世界戦記  作者: sasurai
第二章 仲間
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第二十五話 異世界の神話は事実だから笑えない

最近、就職活動で碌に執筆出来ていません。


ですので、しばらくの間休もうかと思います。


次に執筆するのはおそらく来年頃になると思いますが、完結はします。

それは約束します。

「その前に誓ってもらいたい。この場での内容は他言無用だと。」


「何故・・・?とは愚問ですね。」


ギルドの仕事関係からでもそのような守秘義務的な物はあると聞いている。

だからこの問いには素直に応じることにした。


「分かりました。この場での内容は私が墓場まで持っていくとしましょう。」


「結構。」


そこまで話が進んだ時、コンコンとノックされる。


「失礼します。」


入ってきたのは竜也が良く見知った人物だった。


「レイス!」


まさかここで彼女が入ってくるとは思っていなかった。

彼女の手には紅茶の入ったカップが二人分。

レイスもまさか客人が竜也だとは思っていなかったのだろう。


「リューヤ!?」


驚いて持っていた盆を落としそうになるがどうにか溢さないでティーカップを出す。

まだ驚きから立ち直っていないのか、笑顔が少々ぎこちない。


「ど、どうぞ。」


それだけ言うとそそくさと退場してしまった。


「実は頼み事とは他でもない。娘のことなのです。」


予定外のことで驚いた竜也だったが本題に入ったことで気を引き締めた。


「リューヤ殿は我がサクフェス家の宿命をご存知ですかな?」


「いや?」


「ならばご説明しましょう。かつて天地創造した際この世には様々な神が住んでいました。」


神々はその力を使いこの世に太陽、生命、季節、海等を作りだし楽園を作りだした。

その中にはもちろん人種も含まれていた。

だが、その楽園は長続きしなかった。

人種は無謀にも楽園を自分達の物にしようと神々に造反した。

しかし、単純に闘っても勝てないのは誰が見ても明らかだった。

そこで彼らは考えた。

神々を仲違いさせ、その隙に楽園を手に入れる。

利用された神は、慈愛と信頼の神ウィリア。

神の中では最も人間を信用していた。

ウィリアには人間が他の神々から迫害されていると嘘を吹き込む。

これを信じたウィリアは他の神から事情を聴いた。

だが取り合わない。

他の神々は自分の管理している範囲は基本干渉しないことを決めていた。

しかし、それを何か隠していると思った。

月日が流れても他の神への不信感はさらに募った。

そして、決定的な破綻が訪れた。

神が人間を殺したと。

事実は決定的に仲違いさせるため同じ人間が殺したとか、事故であったと言われているが本当のところは分からなかった。

その話を信じたウィリアは怒り遂に神々と闘った。

その戦いに人種も参加した。

闘いは不利な状況だったがそれでもウィリアは闘い続けた。

幾度の戦いの果てにとうとう他の神々を楽園から追い出すことが出来た。

その頃は空に暗雲がかかり、大地はおびただしい骸で覆われ、流された血で海は真っ赤に染まったという。

ウィリアは勝利宣言をしようと思い、人間の兵士に背を向けた瞬間背中から襲われた。

刺された剣は深々とウィリアの体を貫いた。

ここでウィリアは始めて人種に騙されたことを知った。

そのことで深い悲しみと強い憎悪抱いたウィリアは邪神となった。

邪神となってはもう人種では止められなかった。

老若男女問わず、この世の全ての生命を殺しつくそうとした。

最早滅びしかない。

誰もがそう思いあきらめていた中、一人の賢者が立ちあがった。

彼は知の神の敬虔な信者で、幾つもの神の力を授かった。

そんな彼は邪神に堕ちたウィリアを封印すべく神の中でも禁忌と呼ばれる術で戦った。

邪神ウィリアは封印され世界は平和が訪れた。

だが。

代償は大きく賢者は死んでしまった。

しかも、その封印は完全な物ではなく。

千年後にまた邪神が復活することが分かった。

人種は自分達のしたことを悔い、賢者の子孫を絶やさずこの地を元に戻すよう努力した。


「そして、その賢者の子孫が・・・。」


「貴方達サクフェス家だと?」


「その通りです。」


まあ、話の流れ的にそんな事だろうと思っていたが。

まさかここまでスケールの大きい話になるとは。


「先ほどの賢者の話ですが、もしまた邪神が現れて封印したら・・・。」


「はい、お察しの通り。我が一族の誰かが死にます。」


「他に、対抗手段は?」


「今のところ、確実なのはこの方法しかありません。」


「ならば、その術を誰かに譲ることは?」


「先祖はこれを悪用できないように、我々の一族にしか使えないようになっておるのです。」


正直あまり良い気分ではない。

人が死ぬ。

あの事件を乗り越えたとは言え、やはり感じることがある。

とはいえ、対峙したことのない自分からは何も反論出来ない。


「しかし、賢者の子孫でありながら何故道場を?」


これは純粋な疑問だ。


「はい、初代賢者の妻が格闘をしていたので自然と受け継がれたのです。」


「そうですか。それで、依頼の内容は?」


「はい。率直に言います。」


辺りを見回して誰もいないことを確認する。

声が小さくなる。

姿勢も前かがみになり慎重かつはっきりとこう言った。


「娘の婚約者になって欲しいのです。」


「・・・。は?」

意味が分からない。


「実はここ最近、他国からの縁談が増えまして。表向きはかつての賢者の血筋を見内に引き入れたいと思っている者もいるようですが。」


「そう言うことですか。」


なんてことは無い。

縁談を申し込んだ奴の殆どは邪神に対抗する手段を手に入れたいだけなのだ。

さっきの話から邪神が復活したら対抗できるのはサクフェス家だけ。

断絶すれば未来は無い。

つまり、この世の人種全ての命がかかっている。

そうなればかなりの面で優遇されることは間違いないし、他国からの武力進攻は大幅に減ると言ってもいい。

要するにサクフェス家は元いた世界の核兵器に近い感じなのだろう。

そう思うと己の欲の為だけにレイスを娶ろうとする貴族たちには嫌悪を抱く。

しかし、これで今まで不可解なことが全て符合した。

この家が平民であるが貴族と変わらない家を持っていたこと。

レイスが街を知らなかったこと。

この国が武力進攻されないこと。

旨の中の違和感が消えて幾ばくか気持ちが晴れた。


「先ほどの話ですが婚約者といのは・・・。」


「はい、あくまで婚約(・・)だけです。」


つまり縁談をかわすための材料になって欲しいということなのだ。


異世界でよくある神話系の話は物語の重要なカギを握っていたりします。


内容的にはよくあるような物ですが、神話っていう観点からみれば凄く神秘的な感じを受けますね。

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