第二十三話 竜也の研究レポート②
今回は説明文が多いです。
またまた研究室からお送りします。
今アルナから送られてきた本を参考にしながら俺はある物を作っている。
それは、
「おし。これで戦艦が出来たな。一応これで全部作ったかな?」
そう。
アルナから送られてきたものは、本は本でも軍事物。
それも兵器に関するものだった。
小火器や個人携行火器は作ったが、それでも限界があった。
そのため現代の陸上戦力の要、戦車。
音速さえ突破する戦闘機。
海の要塞と言われる戦艦。
陸海空の主戦力をそろえて対処しようと考えたのだ。
まあ、この他にも自走砲や対地攻撃ヘリコプター、潜水艦などその他様々な兵器を作り上げた。
ちなみに作った物は全部ゲームをベースに作った。
両方の良いとこどりをしたのである。
だが、このまま使うには致命的な欠点がある。
それは。
「元々複数の人員で運用するのが前提だったからな。」
どうすっか、と悩む。
そう、現代兵器は一人で使うことが出来なかったのである。
戦闘機などには一人用はあるが、戦車は2~3人。
戦艦に至っては数百人単位必要である。
とても一人で使えない。
例え使えたとしてもその性能をフルには発揮できない。
悩みながら本を見ていると。
「うん、何だこれ?」
その本は軍事ではなくプログラムに関する物だった。
「プログラム?あんま役には・・・。」
本を捲っていたがある個所に目が止まった。
AI。
いわゆる人工知能である。
ゲームなどで敵用の動きなどに使われている。
竜也はそこに目を付けた。
「これを作れば個人でもどうにかなりそうだ。」
しかし、そこであることが頭をよぎった。
(単純な命令なら大丈夫そうだが、複雑な命令は無理そうだな・・・。)
ゲームで使われるものはごく単純な物が多い。
複雑なものを作ればそれだけバグや誤判断が起きる。
これではまだ駄目だ。
「他に何かないかな?」
しかし、残念ながら役に立ちそうな物は無かった。
そこで、前に考えたある技を使うことにした。
「答えを要求する(アンサー・デマンド)。」
名前からしてかなりチート臭がするが、便利ではある。
特に最善なことが何かを知るためには。
さて、要求に応じた答えは意外なものだった。
「個人光学兵器の思念誘導装置の流用?」
頭に浮かんできた言葉をそのまま言うがピンとこない。
『詳しく見る』と念じてみるとようやくその答えの意味が分かった。
つまりその装置を命令系統の絶対優先位置にし、自由に動かすということだった。
という訳で早速製作に掛った。
まず、最初にAIの製作。
これはプログラムに書き込むだけで終わった。
次に、思念誘導装置だ。
これは、前に作ったものを分解し探査魔法で見つけた(もちろん複製してストックを確保した)。
さらに神聖術の解析を使って構造を把握する。
そこからまた「答えを要求する(アンサー・デマンド)」を使い改造する。
それで出来た機械を複製しておく。
後は搭載するだけだが、これがまた大変な作業になる。
合計で二十以上もある兵器を分解するのは骨が折れるのだ。
また、その兵器によって配置する場所が違うのでかなり神経質になる。
こうして精神をすり減らしながら改造し実地テストを行い安全の確認をしてから永久に動けるようにしてようやく完成なのだ。
そんな行為を二十回以上も繰り返せばいくらなんでも疲れてしまう。
だから分けて行うことにした。
「陸海空のどれをやろう?」
近くにあるイスに座りながら考える。
問題はどれが臨機応変に対応出来るかだ。
陸は一番使うかもしれないが、海も近くにあるので対応はしづらい。
では海の方がいいかと言っても今度は陸にとなる。
と言う訳で。
最初は航空兵器の改造に決まった。
まず戦闘機の改造に取り掛ることにしようと決め、立ち上がり目的の場所に向かって歩き出す。
奥にある戦闘機は奇抜だった。
まずコックピットも含めた全体が装甲で覆われている。
さらに真っ赤な塗装であること。
極めつけは各所に様々なセンサーが埋め込まれているところである。
これは、コナミの某戦闘機ゲーのADF-01・FALKENという機体で機動性、スピード、攻撃能力、どれをとっても最高峰の戦闘機だ。
特殊兵装は対艦・対空・対地に使えるTLSと呼ばれる大型レーザー。
揮発性の高い燃料を広範囲に散布して大爆発させる燃料気化爆弾。
個人火器のミサイルと遠距離空対空ミサイルを錬成して一度ロックが外れても追尾し続ける最強の高機動型空対空ミサイル。
あとは普通のミサイルと機銃を搭載している。
普通なら特殊兵装は一つしか選べないのだが、ある特殊な物を使い弾数を無限にし全て搭載した。
ちなみにその特殊な物はある忍者系ゲームの巻物だ
余談だが彼はこれをゲームで使った結果、俗に言うヌルゲーになった。
動力は前々から作っていた魔力エンジンを使い航続距離をほぼ無制限にした。
この魔力エンジンは大気中の微力な魔力を吸収し増幅させタンクに送り込んでいる。
魔力の無い場所には補助動力源が二つ付いており一つは飛行用、もう一つはタンクに入れられる。
このタンクに入れる時にも増幅され満タンになる。
さらに、そのタンクから補助動力源に魔力が送られて、緊急用に備えられるので無限に循環させることに成功した。
他にもVTOL型(垂直離陸型)にしたり、レーダーに生体探知ロックオンシステムを導入したり、果てには装甲をオルコンに改造したり、特性を使って精密部品などが絶対に壊れないようにするなど最早怪物と言ってもいい超戦略兵器が誕生した。
FALKENの改造が終わったらAWACSや軍用輸送機等の開発に移った。
一度熱中してしまうと中々抜け出せないのは彼の数少ない欠点だ。
元の世界では鍛錬以外の時間は全てゲームに費やしたこともあった位だ。
結局彼は一睡もせず改造に没頭し続けた。
兵器紹介
ADF-01・FALKEN
最高速度マッハ十
装甲・オルコン合金
各所に光学カメラ・センサーを設置。
航続能力は魔力エンジンで動き、その魔力は大気から取り込んだり無限に循環させるので実質無限。
武装はM61バルカン、近距離空対空ミサイル、TLS=戦略レーザー、燃料気化爆弾、高機動型空対空ミサイルの5種類。
弾数は無限。
精密機器などは特性で壊れない
どう考えてもチートですね。