第二十二話 竜也の研究レポート①+α
ストックが切れそうです。
村の事件から一週間たった。
実を言うとあれからずっと研究所にこもっていた。
え?
研究所何かいつ作ったかって?
それは家を改造したときにちょこっと増築したのさ!
ちなみに地下にね。
やっぱ地下に作らないとね。
大きさは映画にもなった某ゾンビ研究所の十倍程だ。
研究室、薬品室、製作室、実験室、実地試験室その他様々な部屋を作った。
明らかに不必要な部屋もあるが。
・・・。
さて、本題に入ろう。
今回行った実験であることが分かった。
それは、
「オリジナルの物品や技、術はかなりランクダウンしてるんだよな。」
そう。
最初に例の銃を出したときにも思っていた程の威力は無かった。
その後のかの有名なスぺカの術も外国で残念な叫び声になったあの技もかなりの威力不足を感じた。
他にも有名な技を試してみたところ同じように威力がいまいちだった。
覚えている範囲で比較してみるとオリジナルの三~四割程しかなかった。
原因は分からないが結果としてオリジナルの技は一部を除いて使えないことが分かった。
そう、一部は。
「ま、全回復技とか改造したやつとかは問題ないし。いっか。」
全回復技。
ベ○マなどといった場合は問題なく作用する。
「全」と付いているから関係ないのだろう。
あんまむつかしいことは分からんのです。
それと、ほんの少しでも改造した物は本来道理の性能を発揮した。
あんまむつかしい(以下ry
でもどうしてだろう?
『それは私が教えましょう!』
「・・・。」
イカンなここんとこずっと研究漬のせいか女声の幻聴が。
今日はもう寝よう。
『って無視んないで!!お願いだから!?』
本格的にやばいかも。
医者に見せたらこう言われるだろう
「もう末期です。」
ってね☆
『キモッ!男が☆とかないわ~』
・・・俺の幻聴だとしてもムカついてきた。
「うっせーな。幻聴なら幻聴らしいこと言ってろ!?」
『は~。やっと話聞いてもらえたわ・・・。』
チッ!反応しちまった。
『何か腹立つわね。』
「幻聴のくせに・・・。」
『幻聴じゃないよ。』
皆同じことを言う。
『いい加減認めなさいこれは幻聴じゃない。』
「じゃあ、お前は何なんだよ?」
「よくぞ聞いてくれた!私は神だ!!」
はいはい。ワロスワロス。
『ふ。笑っていられるのも今のうちよ。』
は?どういう・・・。
話に夢中で足元を疎かにしていた。
突然何かに躓く。
「うわっ!?」
そのまま転んで後頭部を強打したところで俺の意識は途切れた。
「・・うー。痛ててて・・・。ってあれ?痛くない?」
「そりゃそうよ。ここは私の世界よ?」
後ろから聞きなれた、いや聞きなれたくない声が聞こえてきた。
ゆっくりと振り向くとそこには二十代前半の女が立っていた。
俺よりも少し背が高く、体型はスラっとしていてモデルっぽい。
恰好は神官が着ていそうなローブ。
少しほっそりして整った顔つき。
髪は腰まであるロング。
「どちら様?」
「だから神様よ。か・み・さ・ま!」
確認のためです。はい。
「それで俺どうなったんだ?」
「大丈夫。後頭部を強打して気を失っているよ。」
まったくもって大丈夫じゃないんだが!?
「今のあんたを殺すならこれを後二~三十回ぶつけなきゃ。」
怖ぇな!?
「それで他に聞きたいことは?」
「俺を早く戻せ。」
流石にこの事態は事実であることが分かった。
なので直ぐに帰りたいのが本音。
「いいわよ?でも話が終わってからね。」
「話ね。」
さっさと聞いて帰ろう。
「それじゃ、まずは自己しょ「いらんから早く本題に」そう言わないで聞いてよ!」
ちょっと涙目になってこちらを見て来る。
「分かった分かった、三文字でな。」
「短ッ!!っていうか四文字以上の名前はどう紹介すれば!?」
「縮m「無理だってば!!」チッ。全部聞いてやるから早く言え。」
何かうーうー言っているが気にしない。
「ゴホンッ。私は異神二級神、アルナ・クレガラス・ロレント。アルナ様と呼びなさい。」
「ふーん。んでアルナ、異神って何だ?」
早速呼び捨て、タメ口で聞いてみると案の定怒り出した。
「ちょっと!神様に向かってタメ口とか聞いたことないんですけど!?」
「どうでもいいからさっさと質問に答えろ。」
どうでも、と言いながら地面にのの字を書いて落ち込んでいたが早めに復活して会話が進む。
「異神って言うのはね、異次元を管理してる神様のこと。」
何だ。要するに地獄の閻魔様みたいなもんか。
「違うわ。」
違うのか?
「まー、簡単に説明するとね。この世界には元々二種類の神がいるの。」
聞いたことが無いな。どう違うんだ?
「まず私たち異神。それと常神。常神の場合はあなた達が一般的に認識してる神様よ。」
それって、天照とかオーディンとかか?
「そうそう。でね、閻魔とかの地獄は特殊だから省くけど大体常神は自分の世界だけを管理するのよ。」
うーん。つまり支店みたいなものか?
「変な例えだけどそんな感じね。」
異神ってのは?
「世界の狭間。いわゆる次元を管理してるわ。」
へー。
「あ!しょぼいって思ったでしょ!?」
そういうわけじゃないが。
「いい。常神と異神は管理してる範囲が段違いなんだから。」
そうなのか?
「分かりやすく言うなら川ね。」
川?
「川を思い浮かべなさい。」
いきなりだな。
竜也は言われた当理に川を思い浮かべる。
そんなに深くなく流れが速い典型的な日本の川だ。
「川に入っている小石が一つの世界、流れてる水が次元よ。」
って、無茶苦茶広いじゃん!
「そうなのよ!おかげで書類を片付けても片付けても際限なく出てくるのよ。おかげでずーっと机にかじりついている状態なの。」
何処の場所でも仕事は溜まるんだな。
「ちなみに、君が会った死神は私の部下よ。」
マジか!?苦労してんだな。
「しかし、本当もー、参っちゃうわよね。あの子も、もう仕事始めてから5年経ったんだしもっと堂々と・・・。」
何か小声で言い始めたが何故か聞き取れない。
「まあ異神と常神の違いは分かった。それで、なんのようなんだ?」
「ああ、そうそう!あなたが漫画とかの技を使うと性能が落ちるって話!」
うっかり忘れてたよ、と言う。
正直に言って非常にウザい。
「それでね、簡単に説明すると・・・。」
アルナの話を要約すると。
オリジナルの技や術などはその100%を使えるが、他の人がそれを使うと1%位しか発揮できないらしい。
俺の場合、想像の具現化を使っているからいくらかましみたいだが。
しかし、それなら他の現実的なもの(格闘技の技とか)は作用しないのか尋ねてみたがそれは違うらしい。
その人によって性別、能力による限界値、さらには性格、血液型、体格などの細部まで一緒じゃないとこの効果は作用しないみたいだ。
だが俺の方は能力のせいで完璧に同じになってしまうのでさっきの効果が表れるということ。
「ちょっと残念だな。漫画の技とかド派手に使いたかったのに・・・。」
「まあ、少しでも違うようにすれば使えなくないこともないから。色々試してみたら?」
そうする、と竜也は答える。
「それじゃ、説明も終わったしそろそろ「あっ!ちょっと待て!?」な、何よ?」
アルナの言葉をさえぎる竜也は悪戯を思いついたような顔をしていた。
「頼みたいことがあるんだが・・・。」
竜也があることを伝える。
「・・・を持ってきて欲しいんだけど、出来るか?」
「別にそれくらいなら大丈夫だけど。何でいまさら?」
「それはほら、俺もうどんな知識も取り込めるから。」
「分かったわ。場所はあなたの研究室でいいかしら?」
「ああ。」
「それじゃ、送るのは一日に十冊でいいわね。それじゃ今度こそ、バイバイ。」
手を振るアルナが急速に離れていき俺の意識が覚醒した
「あ痛たたたたたた!」
起きると一番に感じたのは頭痛だった。
後頭部に手を当てながら起き上るが、そこでぬるっとした感覚があった。
何事かと思って手のひらを見ると。
「うおっ!?血まみれじゃん!!」
傷を治しながらアルナにはフルパワーの右をくれてやろうと誓った。
今回は長めです。
マイリス、評価してくださった皆さん本当にありがとうございます。
意見・感想・質問もいつでも受け付けます。
気軽に書いてくださってかまいません。
次回はチートでとんでもないことをします。