8-3 お兄ちゃん、どろぼうなの?
「おにいちゃん、どろぼうなの?」
休日なので息抜きのために家を出たら近所の子供に問いかけられた
「いっちゃん!ほほほごめんなさいね」
母親が子供を抱きかかえて逃げていった
うちの近所での評判は落ちるところまで落ちたな
そう思った
父親が
『家庭内DVで鬱になった』
のだ
会社から帰ってきても
「なんで皿洗わなければならないんだ」
とか延々と不平不満をぶつけまくる
土日は朝ごはんが11時なのを注意すると
「作ってもらって文句をいうな」
と逆切れをする
その他上げると次の朝までかかるほどの量になった
なにせ20年分もあるのだ
聞いている方が「この人間あたまおかしいんじゃないか?」というほどある
まあそんなのが母親なんだけどな
最初は父親のことを煩いと思っていた
朝食が遅いくらいで文句をいうな
だとか
全然味のしない料理だって醤油をかければいいじゃないか
とか思っていた
早い話母親の味方をしただな
接する時間が長いうえに料理や洗濯をしてくれているのだ
母親の肩を持つのも当然だと思った
いや母親の方が正しいと思っていた
今池のおじいちゃんおばあちゃんが結婚式のご祝儀を盗んでいたとも知らなかった
おまけに文句を言った父親に対して
「私がやったんじゃない」
と自分の親なのに責任転嫁をしたそうだ
・・・結婚して1週間でなにやっているんだと思った
まあそんなことを知らずに ~おじいちゃんおばあちゃんは本気で忘れていたらしい~ 父親を酷い人間だと近所に吹聴したのだ
朝の11時に朝食を子供の教育に悪いからと何回も言っても聞かず
~「私は立派なので言えばわかる」とか普段いってるにもかかわらず~
100回目にくらいに疲れ果てて「いいかげんにしろ!」とどなったら
「気にいらないことがあると怒鳴る」と近所に言って回って被害者づらしていた
・・・冷静に考えるとホント酷いな
まあそんな嘘にころっと騙されるご近所さんもいれば、父親の「ご祝儀を盗まれた」を信じる人もいた
ご祝儀の件は本当なんだけどな
それでも離婚するとき弁護士経由で
『そんな事実はないが離婚するにあたり波風をたてたくないので私たち立派なおとななのでそれなりのお金は払って差し上げる』
などと言ったそうだ
幼稚園前から中学生くらいまで土日は外で遊ぶのは父親とだけ
公園での滑り台からキャッチボールまで朝から晩まで相手をしてるのを見ていた
一方母親が子供と遊んでいるのは見たことがない
そんな現実を見ている人間は騙されることはなかった
しっかりご祝儀どろぼうから家庭内DVまで心あるご近所さんは真実を知った
そしてうちの家族はご近所さんから『どろぼう一家』だと認識された
うすうすわかっていたけど大人は大人なので直接は言ってこなかった
せいぜい挨拶をしてそのままそそくさと家に入るだけ
子供は正直で家で『あそこはどろぼう』と言っているのを聞いて言ってしまった、というのが冒頭である
・・・ああ空が青いな




