8-2 ちょっと未来の話、プロポーズを断られた長男
「え~、御祝儀を盗むような人達と血縁になんてなりたくないんですけど~」
彼女にプロポーズしたら思いっきり嫌そうな顔で断られた
・・・語尾を伸ばした話し方はバカにしているのか
「っていうか~、なんで付き合っているなんて勘違いされているのか判らないんですけど~」
二度目で判った
わざと語尾を伸ばしているのは『私バカにしている』を遠回しに言っているということだ
・・・周りに人が一杯いる喫茶店で回りの人に聞こえるように言われたので死にたくなった
ちっ、これもすべてあのクソオヤジのせいだ
全ての始まりは大学に入ってすぐのことだった
父親の言動がおかしくなったのだ
夜寝ていると
「頭が痛い、痛い」
と布団の上でゴロゴロするようになった
真夜中の3時とかにいきなり騒ぎ出すのには勘弁して欲しい
それも毎日なので寝不足で仕方がない
「朝ごはんは朝に食べたい」
「お昼ごはんが3時なのはおかしい」
「夜中の2時に皿を洗われるとねむれないから止めて欲しい」
などと常にママのやることに文句を言っているクズな父親だった
もっともママは全然言うことを聞かなかったけどな
「わたしは頑張ってやっている!」
と大声で言うと何もいえなくなって小さくなっている
ふっ、ざまあみろ!
そんなふうに構ってもらえないもんだから
「夜中に頭が痛い」
などと言って気を引きたいのだろう
かまって欲しくて詐病を言う
幼稚園児か!と言いたい
ママのことをダメ出ししてもかまって貰えない
だったら自分のことを言えばいいんじゃね?
そんなところだろう
頭が痛くて可哀そうなぼくちゃんに優しくしてあげてね、ムーブ
・・・本当にクズだよな
そんなクズがママと離婚する時に弁護士経由で言ってきた
--------------------------------------------------------------------------------
「盗んだ結婚式の御祝儀を返せ!」
--------------------------------------------------------------------------------
結婚式も新婚旅行も費用はすべてパパが出した
だから結婚式の御祝儀はパパのものだ
「娘をここまで育てたのだから貰って当然」
などと阿呆なことを言って盗んで行った金を返せ!
だそうだ
・・・初めて聞いたわ
おじいちゃんもおばあちゃんも
「そんな非常識なことはやっていない」
と言っていた
でも弁護士経由で何回言ってもパパは主張を取り下げなかった
ぎゃくに『鬱になった』との診断書を出してきた
夜中に頭痛がして痛みを訴えたのは鬱のせい
その原因はママからの長年によるモラハラだ
心療内科の先生もそう言っている
その原因の一つに御祝儀を盗まれたことがある
だから離婚して縁が切れる前に清算しておきたい、だそうだ
もっとも診断書には個人を非難する事実はかけないので
『夫婦不和により鬱になった』
となっているとのことだった
勝手に話しを作って人を悪者にするな!
そう言いたい
いやママも弟もお爺さんも御婆ちゃんもママの妹のおばちゃんも言っているんだけどね
毎晩電話でパパ、いやクソオヤジのことを
「非常識」
だとか
「人間の屑」
だとか盛大に罵りって笑っている
そういう意味では家族のだんらんのネタになるからクソオヤジも生きてる意味があるのかもしれんな(笑)
ママが雇った弁護士の先生から
「これ以上は水掛け論になり時間ばかりすぎるので
『そのような事実はないが話を進めるために支払う』
ということにしたらどうか?」
と提案が来た
ママとお爺ちゃんとお婆ちゃんとママの妹のおばちゃんが
「ちっ、クズが!でもさっさと縁を切りたいので仕方がないが金で解決してやろう(意訳)」
と言っていた
クソオヤジは結構給料が良くて貯め込んでいるらしい
その財産の半分がこちらに来るのでまあ必要悪として我慢してやろう
そういうことになった
クソオヤジの鬱は酷いらしい
なんでも心療内科でやった鬱度のテストが53点と通常の4倍の値になっているそうだ
平日も会社で仕事をするのが精一杯らしい
家に帰ったらシャワーをあびて布団で横になっているんだとか
土日は一日中布団から出れない
月末の土曜の昼間に養育費と婚姻費用(離婚するまではママを養う必要があるのでその生活費)をATMに振り込みに行くだけで疲れはててしまい動けなくなって床に転がっているらしい
ベランダに出ると飛び降りたくなる衝動が起きるので洗濯物をベランダに干すこともできない
他にもいろいろあるがこれ以上の細かい交渉は無理なのでクソオヤジはクソオヤジの雇った弁護士の先生に一任するそうだ
逆に結婚式の御祝儀を盗まれた件で細かい交渉をしようと考えるだけで吐いてしまい現実的に無理だとか
あと
「御祝儀が300万円もあって得した」
とママとおじいちゃんが話しているのを聞いたことがあると言っているらしい
だからその金額での交渉を弁護士の先生に一任するだそうだ
実に身勝手なクソオヤジだ
とっとと死ねばいいのに
ママも僕達もおじいちゃんもおばあちゃんもクソオヤジとは早く縁を切りたいのでそれで了承した
でもどうやらそれがいけなかったらしい
ところがパパは離婚した理由を近所の人に聞かれるたびに言っているそうだ
「夜中の2時に皿を洗う水音で眠れないと言ったら逆ギレされた」
「結婚式の御祝儀を盗まれたので結婚した当時から一緒にやってはいけないと思っていた」
「結婚式の御祝儀を盗んでおきながらやっていないといいいつつ、『話し合いを円滑に進めるために支払う』など自分で自白しているようなものだ、盗人猛々しいとはこのことだ」
通っていた教育大学は辺鄙なところにあるのでご近所の噂が届くことはない
なにせ名駅まで出てそこから名鉄で過疎地に行ってからさらにバスで陸の孤島に行くのだからな
でも近所には通っていた塾がある
その塾に通う生徒は近所の子供達
子供達は親から聞いて御祝儀泥棒をするクズだと知ったらしい
だからそんな子供経由でかつての教え子でバイトもしていたこともありよく知っているボクの親の離婚の理由が祖父母の犯罪者だと聞いた塾の先生も知っている
そして教師の世界は狭い
この地方はボクが通っていた教育大学一強なのだ
だから教師は大体が先輩後輩
その関係でボクを除いて親の離婚がクズな祖父母によるものだという噂が広まっている
教師に必須なアイテムの歓迎会送別会忘年会新年会のありとあらゆる宴会の場でメシウマのネタになっているそうだ
「あんな祖父母にならないように子供達をきちんと教えて行こう」
この地方の教師の心は一つになっているんだとか
・・・知らんかったわ
でもボクがプロポーズした同僚の中学校教師である彼女も知っていた
「え?本気?あれと関係者になるの?」
会う人間ごとに言われいるそうだ
・・・知らなかったよ
校長からは
「本気で結婚するなら仕事上の付き合いだけにさせて貰うよ」
と忠告100%で真顔で校長室に呼ばれて言われたそうだ
そりゃそうだ
本人は
『結婚式の御祝儀を盗むようなクズな人間』
ではない
だが
『三つ子の魂百まで』
と言う
氏より育ち
というのは教育学部で教育学を履修した人間ならば誰でも知っている事実
・・・現場で実際に子供達を見ているとそれが本当だというのが判る
クズな生徒だと親もクズだし
真面目な生徒だと親も真面目だし
夏休みにどこも連れて行って貰えない子供の親は本当に貧乏だからな
いつの間にかボクまでクズ人間のレッテルを張られていた
それを知って彼女はプロポーズを断ったという訳だ
ちっ、あのクソオヤジ
碌なことしやがらないな
養育費だけ黙って出していればよかったのに
--------------------------------------------------------------------------------
御祝儀を盗まれた、つまり虐められえた人間は何年、いや20年経っても覚えているんですよね
逆に御祝儀を盗んだ方は20年も前のことだから忘れている
クソ爺とクソ婆は死ねばいいのに
心の底から思いますね
・・・言っておきますが小説ですからね
文句も抗議も反論も一切受け付けません
そういえばこの漫画を読んでネタにされたと思う友人には謝る用意があると花と〇めで漫画を描いていた漫画家がいて当時笑ったことがありましたね
いやつい思い出しただけなんですけど




