対峙3 イカルス戦後半
これまで一方的にやられていた相手を1体といえ、遂に倒した。
残るイカルス兵は4体。
副長「よし、次いくぞ」
すぐさま副長の攻撃がイカルス兵を襲った。
しかし副長の攻撃を受けたイカルス兵は、ダメージを受けつつも、まだ動いていた。
その時、下半身が馬の獣人種が叫んだ。
ケンタウロス「隊長!リズマンがやってるやつは魔法無効化が下限です!」
そして報告を終えたケンタウロスは、副長が仕留めそこなったイカルス兵に襲い掛かった。
隊長「でかした!石化魔法をくらえ!」
魔法無効化に失敗したイカルス兵は石化した。
リズマン「おっと」
石化した攻撃相手を見て、攻撃をやめたリズマンは周りを見渡すと、オークと戦っているイカルス兵2体を視界に収め、そして襲い掛かった。
オーク2体とリズマンを相手しているイカルス兵2体は数的不利により、徐々に押され始めた。
イカルス兵は遠隔攻撃に特化していたため、これが災いして接近戦では決定打に欠けていた。
隊長「もう一押しだ」
後方から隊長と副長が詠唱を始める。
ケンタウロス2体は、魔法無効化率を下げる魔法を連打している。
イカルス兵「まずい」
隊長「離れろーーー!」
その声に反応して、獣人はイカルス兵から即座に離れた。そこにライナー系魔法が放たれた。
イカルス兵はレジスト能力が削除されたうえに、同時詠唱による、数倍の威力がある魔法が直撃したことで大ダメージを負った。
すぐに獣人種の前衛が追撃を開始する。
・・・そしてイカルス兵達は5体すべてが静かになった。
隊長「ふぅ。始末出来たな」
副長「隊長!防衛長官との通信が回復しました」
防衛本部との通信は、神の使いと戦闘に入るタイミングで、毎回通信エラーになってしまう現象に襲われていた。そして、戦闘が終了すると通信が回復するのだった。
長官「む。生きていたか!」
隊長「はい。どうやら接近戦武器が無かったようで、それが勝因でしょう」
長官「なるほどな。唯一生還した部隊からも、遠距離攻撃を受けて壊滅したと報告があった。それが彼らの戦闘方法なんだろうな。それにしてもよくやった」
長官は戦場となった広場をカメラで確認したが、そこにあったのは巨大リズマンの死体ではなく、イカルス兵の死体だった。
長官「リズマンではなく、フルプレート軍団だったのか」
隊長「はい。長官から聞いていた巨大リズマンではありませんでした」
若干残念な気持ちがするも、勝てる相手であることが判明したのは、とてもとても大きかった。
長官「どうやら奴らも無敵なわけではないようだな」
隊長「はい。魔法も通じましたし、、、とはいっても私と副長の魔法を魔法と言っていいかわかりませんが」
笑いながら隊長がそう報告した。
長官「あとは巨大リズマンだな。通常の獣人種とはいえ、ドラゴン装備の20名を倒したやつだ。油断するな」
隊長「20名か。結構な戦力だが、個々はそうでもなさそうだな。我々が倒して見せましょう」
長官「頼んだぞ隊長。お前たちで無理なら、、、、もう倒す手段は無いことになる」
隊長「ハハハ。そんな絶望的な未来を見ることは、我々にはありませんな」
少し間を開けて隊長は続けた。
隊長「負けて死ねばそんな未来は見れませんし、勝てばそんな未来はありませんから」
長官「そうだな、、、、被害はどうだ?」
隊長「ありません。初回の攻撃で若干ダメージを受けましたが、いま回復しています」
長官「わかった。引き続き待機してくれ」
隊長たちは戦闘を終え、回復魔法で傷を癒し、ポーションでMPを回復して準備を整えていた。