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報告会後

戦士達が部屋を退出し、大司祭と司祭2人が残された。

先ほど大司祭を何か言いたげに見ていた司祭が、再度大司祭に話しかけた。


司祭「大司祭様。この前の話ですと浮遊大陸から冒険者を引き揚げるとのことでしたが、なぜ彼らを行かせたのですか?」


大司祭「そうか、お主らにはまだ話していなかったか。騎士の隊長達と側近には今後の計画を話してある。次は司祭達に話しておく必要があるな。」


大司祭はそう言うと、司祭に他の上位司祭を夕食後にこの場所へ集合させるよう指示を出した。

司祭はとりあえず指示に従うことにした。


夕食後に司祭達が集められ、大司祭は騎士の隊長たちに話したように今後の計画を説明した。

それを聞いて、戦士達を送り出したことに疑問を感じていた司祭は納得したようだった。


大司祭「とりあえずは3日後に冒険者ギルドに撤収依頼を出すが、それまでに次の手がかりが見つからない場合、浮遊大陸から軍事圧力がかかる可能性が十分考えられる」


司祭「もしこの前のように襲撃があったらどうしましょう」


大司祭「実力行使は無いと思われるな。奴らが来た時には、引き揚げると約束し、それを伝令するという理由で騎士団も実際出払っている状態だ。嘘は言ってないと言えば信じるだろう」


司祭「3日後に手がかりがなかった場合はどうしますか」


大司祭「冒険者は徐々に引き揚げて、数が減っているだろう。となると騎士団だけが空にいる状態だ。帰還の命令の伝令を出すと言って時間稼ぎだな」


司祭「彼らは納得するでしょうか?」


大司祭「するしかないだろうな。話は以上だ。ほかにあるかな?」


他の司祭も特に質問はないようで、静かに大司祭を見ていた。


大司祭「ではこの場は解散とする」


そう告げて部屋を後にした。


大司祭は自分の部屋に戻ると、部屋の奥にある自席の机の引き出しからペンダントを取り出した。

宝物庫で浮遊大陸勢と初遭遇戦をした時に、天上人から奪ったペンダント2つの内の1つだった。

大司祭はそれを自身の収納ボックスに入れると、ワードローブから冒険者のセイジが着用するようなローブを取り出し、着替え始めた。

外が暗くなるのを待って、ダンジョンに移動を開始した。


「まずは効果があるか、確認せねばな」


大司祭はペンダントを首から下げると、ダンジョンに入った。

特になにも起きることなく、ダンジョンに侵入出来た。


「よしよし、いいぞ」


何か手応えを感じた大司祭は続けて転移魔法を詠唱し、王の間前室に飛んだ。

前室や王の間にたくさんいた騎士団は、すでに引き上げており、誰もいなかった。


「いよいよか」


宝物庫に入ると、部屋の中央にはかつて闇の宝珠があった祭壇が見えた。


「宝物庫に侵入出来たなら、問題はなさそうだな。これが祭壇か。もっと早くこのペンダントが欲しかったな、、、」


祭壇を見ながら何か想いにふけったが、すぐに現実に戻ってきた。


「こんなことをしている場合ではないな」


宝物庫から連絡通路に入り、浮遊大陸へ転移する部屋の前に来た。

カードキーを収納ボックスから取り出すと、ドアの横のプレートに押し当てた。

そしてドアが開いた。


「この仕組みは昔と変わらんな」


部屋に入り、カードキーをプレートに押し当てると、ドアが閉まる。


ぶーーーーーーん


そんな音の後にドアが開くと先ほどまでとは違う通路が目の前にあった。通路に出ると報告にあった、この建物からの出口に向かい、外に出た。

遠くは霧のようなもので霞んでおり、よく見えなかった。石畳の通路から外れて芝生の上を進み、床が霧で覆われている場所まで来た。すると目の前には空が広がっていた。


「浮遊大陸か。ついに来れたな。浮遊大陸に侵入可能なことが確認できた。あとは制御室への道の発見報告待ちということか」


大司祭は転移魔法を詠唱し、地上に戻っていった。






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