戦士達の報告1
戦士たちは浮遊大陸での不思議な出来事のあと、地上へ帰還し、次に目指すべき場所を書いたメモの内容を報告すべく、冒険者ギルドに向かった。
スカウト「いやぁ、字が読める奴がいて助かったな」
スカウトはフェアリー種のセイジであるソーサを見て言った。
ソーサ「私も古代文字を勉強しておいてよかったと思ったけど、勉強不足を感じる場所でもあったわね」
僧侶「セイジになるには古代文字が必須科目だから、私もかじったのですが、即あきらめましたよ」
魔法使い「それは初耳!セイジ目指してたの?」
僧侶「ええ、浮遊大陸には興味ありましたし、どうせなら魔法を極めたいというのもありましたからね」
魔法使い「で、魔法使いの魔法を習得する前に資格試験見て断念したと」
僧侶「情けないことに、そのとおりです」
メイ「随分あっさりあきらめたのね」
フェアリー種の魔法使いは、率直な感想を述べた。
僧侶「浮遊大陸の言語だったというのは、私の好奇心を満たすには十分でしたが、頭がついてこなかったのと、他言語習得に適性がなかったようですね」
魔法使い「まあ、実際にセイジじゃなくても浮遊大陸に関われたし、いいんじゃない?」
僧侶「そうですね。その点でもう私は満足です。このまま僧侶でいいかなって」
魔剣「魔法を極めたセイジじゃないが、俺は前衛として特別になりたくて、魔法も使える今の職についたが、浮遊大陸で見たあの巨大リズマン。
戦士だけでも極めると凄いもんだなと驚いたな」
戦士「範囲魔法でもないのに、全員を一瞬でしたからね・・・」
スカウト「そいつのことも報告しないとな。やべぇのいたぞって」
浮遊大陸のやり取りを思い返しながら話をしていると、冒険者ギルドに到着した。
受付カウンターには依頼探しと活動報告する冒険者が複数おり、カウンターの反対側にあるテーブルは、そのパーティーメンバーたちで賑わっていた。
戦士「じゃあ、報告にいってくるよ」
戦士はメモを片手にカウンターに向かった。そして、カウンターで報告している冒険者の後ろに並ぶと、自分の順番を待った。
受付「こんにちは。ご用件は?」
戦士「浮遊大陸探索の報告です」
そう言うと戦士は受付の向かいに座った。
受付「あっ!」
そう発すると、受付は戦士が何者なのか気づいたようだった。
受付「少々お待ちください」
受付は背後のスタッフルームに入っていった。
そして先ほどとは違う受付員が現れた。
受付「お待たせしました。特別室にて報告を受けたいと思いますので、ご案内します」
そういうと受付の人がカウンターから出てきて、戦士を案内しようとした。
戦士「待ってください。仲間がいるので呼んできます」
戦士はテーブル席で待機するメンバーを呼びに走った。
移動する際に、2パーティーという大所帯、さらに高レベル冒険者ということでギルド内の注目を浴びてしまった。
戦士「お待たせしました。案内お願いします」
受付員は高レベル冒険者をよく相手にしている人なのか、圧倒されることなく案内を開始した。
2階に上がると、廊下の両脇には会議室へ至るドアが並んでいた。
その廊下の突き当りにある大きなドアの前にくると、案内員は振り返った。
案内「こちらになります。お入りください」
戦士たちがドアを開けて中に入ると、大きなテーブルに着席しているラフな格好をした大柄な人が目に入った。
そしてその脇には大聖堂の騎士が数人立っていた。