闇
地下5階
僧侶「随分長い階段でしたねえ」
戦士「今までの倍くらいあったな。とするとここは地下4階ではなく5階か?」
魔法使い「こういう場合ってどうやって階数カウントするんだろう」
僧侶「うーん」
階段を下りた先は先ほど30m四方はあろうかという空間だった。
そんな空間の中央付近から見ると、正面と左後方にはドアが見える。
戦士「さて、いきなり2択だがどうする?」
とそのとき、正面のドアが勢いよく開いた。
一行が身構えたそのとき、目に飛び込んできたのは冒険者の一団だった。
冒険者1「お、これから探索かい?うちらは戻るとこさ」
冒険者2「この階層は気をつけろよ。真っ暗な場所があったからな」
冒険者3「あんたらの後ろにあるドア。その先は町に戻るワープがあるぜ」
一行は後ろのドアを見た。
魔法使い「だとすると魔法温存にさらに余裕ができたわね」
冒険者1「じゃ、おさきー。気を付けてなー」
冒険者たちは手を振り、ドアを開けて部屋から姿を消した。
僧侶「思わぬ収穫でしたね」
スカウト「町へのワープか。ドアのすぐ先なのかだけでも確認しないか?」
魔剣「そのほうがいいな」
一行は後方のドアの前にきた。ドアには何か木製の看板がついていた。
”非//青/// 非常口”
最初に書かれた文字を消して、横に文字が書かれていた。
戦士「非常口。出口ってことか」
ドアを開けた先には、薄く光る魔法陣があった。
魔法使い「転移魔法のトラップというとこかしら」
魔剣「そうだろうな」
スカウト「よし、場所は確認したから、さっきのドアの先を探索しようぜ」
戦士「わかった、行こう!」
階段のあった空間を通り、ドアを開けると道が2つに分かれていた。
スカウト「ドアの次は通路の分岐か。とりあえずまっすぐ進んでみるぞ」
少し進むとスカウトが何かに気づいた。
スカウト「通路は行き止まりだが、、、」
そう言うとあたりを見回している。
スカウト「足跡が俺らが来た方向へ向いているものが多いな」
戦士「つまり?」
スカウト「行き止まりの壁から人が現れたとしか思えない足跡だってことだ」
僧侶「シークレットドアですかね」
スカウト「それが、それらしきものが見当たらない。上からの落とし穴なら地面が削れるはずだしな」
戦士「行き止まりなら戻るしかないな」
一行はあきらめて来た道を戻ることにした。
少し進むと開けた場所に出たのはいいが、あちこちへ通路が延びているのがわかる構造だった。
スカウト「クソっ!またマッピングしにくい形しやがって」
僧侶「左か右の壁沿いでまずは調査しかないですね」
スカウト「ドアがあったらどうする?」
僧侶「ひたすら右でいきますか」
魔法使い「通路が広めだし、部屋みたいなのないから休憩できないわね」
スカウト「いい場所が見つかるまでの辛抱だ。ないようなら町へワープだな」
ドアを開けると細い通路に出た。
スカウト「お?」
細い通路は90度に曲がっており、その先から足音が聞こえる。
一行は身構えた。
またも冒険者の一団だった。
冒険者1「お?この先は真っ暗な部屋があっただけで行き止まりだったぞー」
冒険者2「なので戻ることにしたのよ、私たち」
「気を付けてなー」
お互いに挨拶をして交差していった。
僧侶「確かに行き止まりな上に、ドアがありますね」
スカウトがドアを慎重に開けると中は真っ暗闇だった。
ランプを中に入れるが、まるで光の反射が戻ってこない。
スカウト「これがダークゾーンか。仕方ない。壁を手探りで進むか」
全員が部屋に入り、ドアが閉まった瞬間。ランプが消えてしまった。
僧侶「あ!!」
スカウト「くそっ!やはりか」
戦士「予想はしてたのか?」
スカウト「まあな。だが、入る以外の選択肢はないし、やるしかなかったからな」
言われればそのとおりである。ランプ所持者だけ部屋の外に待機させるわけにはいかない。
一行は部屋を一周してきて、ドアから外に出た。
僧侶「予備のランプを使いますね」
スカウト「どこぞのクソ魔法使いによる単なる嫌がらせトラップ部屋だとすると、ここに長居は無用だな」
一行は来た道を引き返して探索を続けることにした。
その時魔法使いが声をかけてきた。
魔法使い「ねえ、せっかくだしここで休まない?
行き止まりの真っ暗部屋へのドアと、入ってきたドアしかないから安全だよ、ここ」
スカウト「確かにそうだな。休憩するならいい場所だな」
一行は腰を下ろし、休憩をとることにしたのだった。
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横線いれるのと、どちらにしようかな。