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謎の部屋

見たことの無い獣人種がいた部屋を出た戦士たちは、そこから10メートル先にあるドアの前に来た。

ドアの入口には、


"L.S.P. Labo"


と書かれていた。


スカウト「ん?この図形の右下部分。メモの図形と似てないか?」


スカウトは"C.C."と書かれたメモと見比べていた。


ソーサ「図形って、、あんた。文字って言ってよ」


スカウト「図形にしか見えねえよ、こんなん」


ソーサ「うーん。違うと思うんだけどなぁ」


スカウト「とりあえず入ってみよう。図形が近いからヒントがあるかも知れんぞ」


中に入ると、先ほどと同じ造りの部屋で、やはり白衣がいた。今度は普通に人間同士で話をしているようで、笑い声も聴こえた。だが、白衣の相方は白衣を着ておらず、普段着を着ていた。また、白衣の相方は話し方がカタコトで、会話出来ているのか怪しかった。


スカウト「さっきとは違う感じがするが、白衣野郎はいるな」


ソーサ「うーん、関係無さそうですね」


戦士「制御室とやらがどこなのか、聞いてみますか」


白衣の人物がこちらに気づいた。


白衣「誰だ!ん?お前ら地上種か。どうやってここまで来た。いやそもそも部屋に入れるはずないが」


白衣の人物は、戦士が武器を持っていることに気づいた。


白衣「待ってくれ!殺さないでくれ!」


その言葉を聞いて、他の白衣たちの視線がこちらに集まった。

逃げ道が無いのか、逃げ出そうとする者はおらず、抵抗もしてこなかった。


戦士達は武器を下に向けて、害意が無いことを示した。


戦士「制御室と言われる場所を探しています。どこだか分かりますか?」


白衣「制御室?まさか"天球"の制御室か?」


戦士「テンキュウ?それが何かは知りませんが、空に浮かぶ光る玉を調整出来る部屋だと聞いています」


白衣「それが"天球"だ。あれを制御するって、お前達は許可を得ているのか?」


戦士「許可?それは知らないが大司祭様の依頼だ」


白衣「・・・・」


白衣達は事態の大きさを理解した。

そして、目の前にいる人物が危険人物であると。

後方にいる白衣がゆっくりと動き、警報装置に手を伸ばした。


白衣「そうか。残念だが、その部屋はこの建物には無い。制御棟になるな。ここからでは直接向かえない。"中央"へ飛び、そこから向かう必要があるな」


白衣は偽りなく答えていた。

嘘を言って殺されてはたまらないという考えからだった。


戦士「チュウオウ?そこへはどうやって行くんだ?」


白衣「君等は全然この島のことを知らないようだね。まあ当然か。この部屋を出て、セントラルと書かれたドアを使えば行ける」


戦士「せんとらる?どんな文字だ?」


戦士はメモと筆記具を白衣に渡した。


白衣「面白いな。筆記具は我々と大差無いのか」


そう言うと白衣は"Central"とメモに書いた。

フェアリーのセイジであるソーサがメモを見た。


ソーサ「確かに中央って書いてあるわね」


この発言を聞いて白衣は適当に書かなくてよかったと心底安心した。


白衣「ほう、文字が読めるのか」


ソーサ「少しだけね。古代文字はまだ勉強中でね」


白衣「古代文字か。我々は現役で使用している文字なんだがな」


白衣は笑いながら返答した。


白衣「だが文字は伝わっているようだね。我々の祖先が地上に降りたのはかなり昔の話だ」


ソーサ「確かに少数だけど天上人は地上にもいるわね」


白衣「君は妖精種の原生種か」


ソーサ「原生種?」


白衣「あぁ、フェアリー種と言えば伝わるか」


ソーサ「そうね。私はフェアリー種よ。当たり前じゃない。見れば分かるでしょ」


白衣「ふむ。後ろにいるのは、、、リズマンか。繁殖しているようだな。フェアリー種とは交配したりするのか?」


ソーサ「何言ってんの?サイズが全然違うし、あり得ないわ」


白衣「そうかそうか。確かにな」


そう言う白衣の顔は科学者のそれだった。


白衣「さぁ、部屋を出たまえ。ここには君等の探し物は無い」


戦士「そのようだな」


そういうと戦士達は部屋を出ていった。


トアが閉まり、静寂が訪れた。


白衣「ふぅ、行ったか」


白衣2「ナイス時間稼ぎでしたよ。もうすぐ警備隊が来るはずです。制御室を無許可で探す奴らなど、逮捕してもらいましょう」


白衣「そうだな。それにしても、たまには下に降りたほうが色々と捗るかもしれんな。今回の地上種との遭遇は危険もあったが、情報も得られた。視野を広げるという意味では、よいキッカケにはなったな」


白衣2「地上を調査して研究に役立てようと?」


白衣「ずっと空にいても変化が少ないからな。地上との交流は研究には良いかもしれんぞ」


白衣2「危険がないならね」


白衣「話せばわかりそうな連中だったな。あんな奴らが多いなら何とかなりそうだがな」


白衣達は地上種という危険が去ると、またカタコトで話す人間の相手を再開した。

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