アライアンスメンバー
ギルドに到着すると、戦士は受付の職員に司祭から受け取ったメモを渡した。
職員「この方々なら別室で待機していますので、案内しますね」
そう言うと、受付は誰かを呼び出し、その人が案内することになった。
案内人「では案内しますね」
そう言う案内職員の後ろを皆がついていった。
会議室などに使う部屋が並ぶ2階に案内された。廊下の両脇にはドアが並んでいる。案内人はその内の1つにノックをし、ドアを開けると入室を促されて戦士たちは入室した。
部屋は木製の板で構成され、全体は焦げ茶色だった。2つある窓には白いレースカーテンがあり、今は窓の両脇にタッセルでまとめられていた。
部屋の中央には木製テーブルを挟んで4人が座れるくらいのソファがあった。
戦士「まだ相手は来てないのかな」
部屋を入口から見回した戦士が発言した。
案内人「既に待機してますよ」
どこにいるんだ?と、戦士は再度部屋を見渡すと、カーテン付近にフェアリー種がいた。
戦士「あれか」
ソファに戦士が近づくと、付近にもフェアリー種がいた。
魔法使い「フェアリー種ばっか」
魔剣「前衛はどこだ?」
僧侶「はじめまして、フェアリーさん」
フェアリー1「貴方達が地下種の王を討伐した人達?」
戦士「そうですよ」
フェアリー1「なるほどね。なら実力は問題ないわね」
戦士「えっと、そちらの前衛さんはどちらにいるんです?」
フェアリー1「今部屋にいるわよ」
戦士が部屋を見渡しても誰もいなかった。
戦士「えっと、どこでしょうか」
フェアリー1「私よ」
戦士「えっ?」
フェアリー1「暗殺職をしてるわ。フェアリーナイツのメンバーって言えば貴方達にはわかるかな」
戦士「えっ?」
暗殺職「え?」
互いに驚いた顔をしている。
暗殺職「貴方達、王を倒したのよね?」
戦士「そうだけど?」
暗殺職「なら、その時フェアリーとも共闘してない?」
戦士「しましたよ。魔法使い4名と騎士2名の人達ですけどね」
暗殺職「それ、私たちのパーティーメンバーよ。私達のこと、聞いてない?」
僧侶「あぁ、暗殺職の仲間がいて今は休暇だって言ってましたね」
暗殺職「その時の休暇組が私達よ」
戦士「なるほど、そういうことでしたか」
フェアリー2「私はスカウト職のシフ。他に魔法使いが3名とセージがいるわ」
魔法使い「やっぱり魔法使いパーティーなのね」
シフ「ええ、ヨスギル製相手にどこまで通じるか未知だけどね」
魔法使いフェアリー「魔法使いやってるメイよ。他にはスペル、マグス、ソーサって子がいるわ。皆コールサインみたいなものね」
戦士「本名は明かさないってことか」
暗殺職「戦闘には不要でしょ?変に嗅ぎ回られるのもイヤだし」
魔剣「徹底してるな」
暗殺職「にしても、王討伐戦でパーティー名すら伝えてなかったのは想定外だったけどね」
僧侶「火力は問題無さそうですね。防御面も魔剣さんが前衛に注力出来そうですし、安心ですね」
魔剣「ありがたいな」
暗殺職「私は前衛とはいえ、この体格なので奇襲専門よ。引き付け奴は大きい貴方達に任せるわね」
魔法使い「そっか。貴方達のパーティーって、あの騎士2人しか前衛やれなかったのね」
暗殺職「そうよ。後衛は魔法を全力投球。前衛の負担を減らす代わりに、後衛は交代制ってわけ」
メイ「魔法使いさん。貴方ってクラス7は2回しか使えないって聞いたけど、王の間前室までの転移はこちらでやるから安心して」
魔法使い「あのときは2回だったけど、今は5回になったわ。でも転移はよろしくね」
メイ「ずいぶん増えたのね。でも転移は引き受けるわ。こちらは魔力を磨くのが休暇中の仕事だったからね。回数に問題ないわ」
戦士「相変わらず頼もしいな」
僧侶「また全体魔法連続照射とかになるんですかねぇ」
スカウト「あんたらは浮遊大陸のドアの特性とか、広さとかの話は聞いてるのか?」
シフ「先に説明は受けてるわ。私はやることなさそうだから、奇襲と警戒かな」
暗殺職「それと私達、小さいから奇襲受けても狙われないのよね。最初に攻撃受けるのは貴方達の仕事になると思うわ。十字路とかは気をつけてね」
スカウト「説明受けてるなら問題ない」
戦士「出発は各アライアンス任せらしいから、今日は準備に当てて、明日出発としよう」
暗殺職「わかったわ。こちらは準備完了よ」
戦士「なら我々だけですね。買い出しに行きますか」
暗殺職「明日ダンジョン入口に集合でいいのかな?」
戦士「そうしましょう。私達の宿はここです」
戦士は地図を広げて宿の位置を指差した。
暗殺職「わかった。遅いようなら迎えに行くわね」
戦士達は妖精パーティーに別れを告げると買い出しのため、町に出ていった。