表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

62/183

建物調査

 ドアから見える通路は、幅と高さが10メートルはあろうかという広さで、先ほどまでいた宝物庫と接続していた通路とは別物だった。

 壁と天井の色は一面ほぼ白色で、高さ7メートルほどのところに青い線が引かれていた。

 天井はプレートが光っており、通路を照らしていた。床は濃紺色のプレートで壁際1メートル位が白色だった。


隊長「別の場所?いつ転移したんだ?先程の音が転移の合図だったのか?」


隊長の頭は混乱していた。

これまでの転移罠のように、床が光ったりせずに転移していたため、確実な状況把握ができないでいた。


スカウト「隊長さんよ。とりあえず通路に敵はいなさそうだ」


ドアから外に出て、様子を探ったスカウトが報告した。


隊長「騎士団から外に出て、付近の調査をしろ!ここがどこなのかわかるものを発見したら、すぐに報告に戻れ!」


隊長が指示を出すと、騎士団、続いて冒険者が部屋を出ていった。


スカウト「広い通路だな。これなら長物でも戦えそうだな」


戦士「綺麗なタイルですが、天井は何なんですかね。なぜ光ってるのかわからない」


魔剣「これも浮遊大陸の技術とやらなのか」


僧侶「まだ浮遊大陸と決まったわけではないですが、少なくとも地上には無いものですね」


魔法使い「外が見えるとこないかなー」


スカウト「まずは外が見える場所を探すか」


僧侶「ドアらしきものが先に見えますね」


現在いる通路は広いが、そこから脇道へ分岐している通路は3メートルほどの幅がある程度の広さだった。

交差点なのか、同じ広さで交差する場所もある。

とにかく広い。

あんなにいた騎士の姿がまばらになり、冒険者は姿が見えない。


スカウト「マッピングしないと迷子になるな」


魔剣「地図魔法は機能するようだぞ」


スカウト「それならいい。転移したりしても気づけるな」


魔法使い「転移魔法使えるのか試しておこうかな」


そう言うと、魔法使いは転移魔法を詠唱し、少し離れたところに転移した。


僧侶「使えるようですね。あとはスリッパが使えるなら安心ですね」


戦士「勝手に戻るわけにはいかないから、スリッパテストは隊長に聞いてからですね」


歩いていると付近に誰もいなくなった。


戦士「みんなどこに行ったんだか」


スカウト「分かれ道も多かったからな」


話しているうちに、先ほど見えていたドアらしきものの前に来た。

ドアに近づくと半透明になり、先にも通路があることがわかった。


僧侶「このドア、近づいたら先がみえますよ!」


皆も集まってきてドアの変化を体験した。


スカウト「すげぇなこれ。どうなってんだ」


魔剣「またドアノブも鍵穴もないドアですな」


戦士「隊長の持つ鍵が必要ですね。このことは後で報告しましょう」


魔法使い「またドアの上に何か書いてあるよ」


ドアの上のプレートには彼らには読めない文字が書かれていた。


"EXIT"


僧侶「この文字と思われる図形をメモして戻りましょうか」


それを聞いて戦士が文字をメモした。

そして、一行は隊長のもとへ戻るべく、来た道を引き返し始めた。

分岐が合流する場所で別の冒険者や騎士とも一緒になった。

部屋に戻ると、すでに戻っていた人達も多かった。


隊長「まだ戻らん奴らがいるようだな」


各自が記録したマッピング情報を統合して、地図が完成していった。

戦士は先ほど発見したドアを報告し、そこに書かれていた文字のメモを隊長に渡した。

そのメモを見て、隊長はすぐにセイジを呼びつけ、解読を依頼すると、出口と言う意味だとわかった。


隊長「出口か。ここに来る時もドアにそう書かれていたな。このドアの先を調査しよう。冒険者は戻っていないもののために待機し、騎士団数名と報告をくれた冒険者チームで現地確認に行くぞ」


隊長のお付き数名と共に、戦士たちは先程のドアへ向けて移動を開始した。


隊長「通路1つにしても広すぎる。分岐も多いし、広さは相当だな。地図で見たが実物はなんとも言えんな」


話しながら進むと、前方に件のドアが見えてきた。


戦士「あれが問題のドアです」


戦士か指を差した先にはドアがあった。

皆がドアの前に到着すると、付近を見て回った。


隊長「確かに近づくと向こうが透けて見えるな。不思議なドアだ」


隊長はカードキーを取り出したが、穴がない。

ドアの横には10センチ四方のプレートがあった。


隊長「このタイプのドアか」


隊長がプレートにカードキーを押し当てると、ドアが左右に開いた。

ドアの先は先ほど確認したとおり、通路だった。


隊長「先に進むぞ」


20メートルほど進むと曲がり角になっていた。

門を曲がると、またドアがある。

ドアは、高さ3メートル、横3メートルといったサイズだった。

ドアの先も明るいようで、光がさしていた。

隊長がドア横のプレートにカードキーを押し当てると、ドアが左右に開いた。


眩しい


皆はドアの先の景色を見て言葉が詰まった。

ドアの先は、5メートルほどはヨスギルプレートの壁と床と天井が続いていたが、その先は建物の外らしく、緑が広がっていた。







評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ