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探索再開



2パーティいたおかげで見張りの負担が減り、想定よりも休息ができた。


戦士「さて、そろそろ探索再開といこうか」


戦士は今いる2パーティに向けて言葉を発した。


別パーティーはもう少し休憩してから出発するようだ。


全員起きているし、問題はないだろう。


戦士「みんな、準備はいいか?」


一同は頷いた。


スカウトはドアを開けて通路を確認する。奇襲の心配はなさそうだ。


スカウト「よし、いいぜ。行こう」


一同はスカウトについて部屋をあとにした。



魔法使い「私、昨日途中で寝ちゃったのね・・・ごめんなさい」


僧侶「精神力負担が大きい魔法使いは仕方ないさ」


魔剣「そうだな。少しは回復できたか?」


魔法使い「そうね。そんな気がするわ」


戦士「今日は少し探索して地上へ戻る予定だから、魔法は使えそうだな」


僧侶「配分が楽になりましたね」


魔法使い「今日もダンジョンで寝るっていう当初の予定だったら、こうはいかなかったわね」


魔剣「予定変更は成功といったところか」


スカウト「もう少し戦利品が欲しいな。必要経費は毎回回収したい」


戦士「無理のない範囲でそれは実行したほうがいいな。うん」


魔剣「首がまわらなくなるからな」


そういうと一同は苦笑した。



しばらく探索を続けると、スカウトが壁を見て止まった。


スカウト「ここに違和感がある」


そういうとスカウトは壁を触り始めた。


スカウト「!!」


シークレットドアだった。


スカウト「奥に通路が見える。隠し通路だな」


一同は通路に入っていった。


さらにドアが見える。慎重にそのドアを開けると、また通路が現れた。


スカウト「左は行き止まりか。右へいくぜ」


一行はスカウトを先頭に歩を進めた。


通路は幅が2m程度しかなく、狭い。くねくね曲がっており、見通しも悪いところだ。


スカウト「鉢合わせはカンベン願いたいな」


戦士「後ろじゃ何も援護できん」


しばらく歩くと行き止まりになった。


スカウト「どこかに隠し扉があったのか、単なる行き止まりか」


魔剣「違和感なんかなかったからな・・・」


スカウト「前方に気を取られて、あまり横の壁には気を配れなかったから、見落としの可能性もあるか」


戦士「ちょうどいいことですし、この続きは次回にしましょう」


僧侶「地下2階で獣人から戦利品を獲て、戻りますか」


魔剣「了解した」


一行は魔剣を先頭に来た道を引き返していった。



先ほどまで休憩していた付近まで戻ってきたところで前方から足音がする。


スカウトが前に出て様子を探る。


スカウト「冒険者だな。魔物の足音じゃない」


一行が安心したところで、反対側から冒険者の一団が歩いてきた。


戦士「気を付けてな!」


手を軽く上げて挨拶すると、相手も同じように返してきた。


魔剣「やはりここはメイン通りだな」


戦士「メイン通り?」


魔剣はスカウトに説明したのと同じことを戦士たちに説明した。


戦士「なるほどなあ。そんな通路がわかると帰り道の安全度が違うな」


スカウト「この辺はメイン通りとしてマッピングにメモしておくか」


魔剣「偶然というのもあるから、遭遇する回数が大事だな」


僧侶「なるほどですね」


一行は地下2階へ上がる階段の近くまで来た。


階段横には変わらず衛兵が数人立っていた。


衛兵1「お!」帰りかい?うらやましいねえ」


衛兵2「こっちはまだ帰れそうにないぜ」


戦士「お疲れ様です」


一行は階段を上がっていった。


地下2階。コボルトや昆虫、ネズミ、トカゲが主にいる階層だ。



戦士「さて、戦利品回収といきますか」


魔剣「よしきた!」


スカウト「宝がでるとうれしいんだがな。出てくれ!」


しばらくあたりを探索し、トカゲや小動物を排除し、毛皮を回収した。


魔法使い「なんか臭い」


魔剣「さっさと収納ボックスにいれてしまえ!」




収納ボックス。冒険者が最初に習得する魔法で、収納魔法ともいわれるものだ。


地上種は複数いるが、ほとんど収納容量に差はない。あるとすれば2種族だ。


人間種は器用さのためか、ほかの種族より1割程度容量が大きい。


逆にフェアリー種は他種の8割程度しか収納できない。


魔法なのに魔法能力以外が影響する変わった魔法である。




戦士「よし格納した」


スカウト「いま倒したコボルト。収納ボックス持ちだな。箱が出てきたぞ」


そういうとコボルトの死体の横に箱が現れた。


収納魔法を使っていたコボルトだったんだろう。死んだことで現世に中身が現れたのだ。


スカウト「さて、罠はあるかな」


一同の期待を背負いながらの罠解析と解除。緊張する・・・


スカウト「石つぶてか毒針か」


慎重に調べているスカウトを見てばかりもいられない。ほかのメンツは周りの警戒に戻った。


スカウト「よしっ!開いたぞ」


箱の中にはポーションとわずかな金銭が入っていた。


僧侶「少しは節約になりましたかね」


戦士「では地上へ戻りましょう」


一行は地上へ向けて再び歩き出した。



まぶしっ


数十時間ぶりの地上。少し薄暗いから夜なのだろう。


戦士「さて戦利品は、、、と」


スカウト「ネズミの皮、トカゲの皮、ポーション1つにコボルトが持っていたナイフだな」


スカウト「皮はギルドに募集がないか確認しておく。なかったら俺が使っているところで売却していいか?」


スカウトの方が売買所には詳しい。一行はまかせることにした。


戦士「さて、解散する前に1つ、皆に聞いておきたかったことがあるんだ」


一同の顔が戦士を見る。


戦士「今回のメンツ。正直安心できるんだ」


そう言うと戦士は続けた。


戦士「1週間共に訓練したってのもあると思うけど、、、」


少し間を開けて続ける。


戦士「よかったら、このメンツで固定パーティーを組まないか?」


戦士「無理にとは言わない。一部の人が断っても文句を言う筋合いはないし、皆が自分で判断してほしい」


そう言うと戦士は全員の顔を順番に見渡した。


僧侶「私は賛成ですね」


スカウト「ソロよりマシだからな。俺もいいぜ」


魔法使い「まだお荷物ですが、それでもよければこちらからお願いしたいです」


魔剣「バランスいいパーティだし、前みたいなことは起き無さそうだから、賛成だな」


僧侶「前みたいなこと?ああ、男女問題か」


そういうと僧侶は笑った。


戦士「みんなありがとう!」


戦士「では宿もこれからは各自で。なんてこと言わず、同じ宿にしようよ」


僧侶「誰の宿が一番お得なのかな」


各々が価格と部屋の住み心地を述べていった。


僧侶「魔剣さんの宿か」


戦士「経験者は知っているってやつだな」


魔剣「私も昔のメンバーに教えてもらった場所だ。空きがあるかは確認が必要だな」


魔法使い「別に同じ部屋でもいいけど。変なことはしないでよ?」


魔剣「そんな場面を見たら、俺が始末してやる」


男性陣が魔剣を見た。


魔法使い「かっこいいー。よろしくねトカゲさん」


魔法使いはにっこり笑うと、魔剣の腕を両手で握った。


僧侶「うまいというか、おそろしいというか」


スカウト「お前、僧侶なのに俗っぽいな」


僧侶「僧侶皆の心が清潔なわけではないのです。所詮は生き物ですから」


僧侶は開き直って発言した。


スカウト「まあ、仲間内で血みどろ事件はカンベン願うね」


僧侶「そこは大丈夫ですよ。嫌な事件だったね、なんて噂されることは起きませんから」


戦士「話もまとまったようだし、魔剣さん、宿まで案内願えますか?」


魔剣「承知した。こっちだ」


そういうと魔剣を先頭に街の中へ一行は消えていった。



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― 新着の感想 ―
[良い点] ウィザードリィ感が満載で、やってる気分になれます。 [一言] カルコの呪文を唱えるシーンが欲しいですね(笑)
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