宝物庫調査
ギルドに到着した戦士たちは、ギルドの外に人だかりがあるのを確認した。
冒険者1「おお、帰ってきたか。これは一体どういうことだ?」
人間騎士「外が真っ暗だぞ。ダンジョンみたいだ。どうなっている?」
戦士はこれが闇の宝珠を浄化した副作用であること、浄化が完全に終われば収まることを説明した。
冒険者1「じゃあ、このあとは宝珠を奪還に来る奴らの対処をすればいいんだな?」
スカウト「そう言っていたな」
獣人騎士「王が倒されているのに、地下種は雑兵で勝てると思っているのか?」
僧侶「過去に奪還された事がある、と大司祭様から聞きましたよ。油断大敵ということですかね」
冒険者3「いつ来るんだかわからねぇんじゃ、どうしようもないな。宿で待機か」
スカウト「俺たちもそのつもりだ」
人間騎士「では、ここは一旦解散だな。おっと、そうだ報酬はどうなった?」
戦士「あっ!」
戦士はハッとした顔をした。
冒険者1「どうした?」
戦士「色々ありすぎて、貰うのを忘れました。あとでまた行ってきます」
人間騎士「ははははは。そうかそうか。じゃあ俺たちはこの宿にいるから、後で頼むぜ」
人間騎士は地図を見せて、自分たちの宿の位置を指さした。
冒険者1「俺たちは・・・ここだな。よろしくな」
2つのパーティーの宿がわかったので、あとで届けることとなった。
その頃、大聖堂では・・・
司祭「ランプを集めてきました」
大司祭「それを街中に設置してください。しばらくしたら、明るくなりますが、また時間が経過すると暗くなります。ランプの点灯と消灯処理をする準備をしておきなさい」
司祭「わかりました」
そういうと司祭は他の人と協力して、ランプを運んでいった。
そしてまた別の司祭が大司祭のもとを訪れた。
司祭「大司祭様。これはどれくらい続くのでしょうか?」
大司祭「何度か暗闇と明るい時間を経験することになりますが、何回になるかはわからぬ」
司祭「ずっとこのままということは、無いのでしょう?」
大司祭「そうだ。さて、私にはやることがある。大司祭室に戻ることにする。急用があれば訪ねよ」
司祭「わかりました」
そうして大司祭は自分の部屋に戻り、今後について思案していた。
結局、冒険者はヨスギルの武具を宝物庫で発見できなんだか。だが、なんとしても宝物庫にある武具を回収する必要がある。
隊長がうまくやってくれればいいが、まあ最悪どうにかできる戦力はある。
準備はしておくものだな・・・
あとは、闇の宝珠を分離に来る奴の撃退か。
前回は、折角融合した宝珠を2つに分離されてしまったが、今回はそうはさせぬ。
国王や住人には、昼と夜が何度か交代して、夜が消えると説明した。これは次の手をうたねばな。
その頃、大聖堂の騎士たちは、スカウト職を伴い、王の間の奥にあった宝物庫へ急いだ。
隊長「ここが宝物庫か。何もないな」
そこには戦いの跡があるだけで、宝と思われるものは何もなかった。
騎士「戦闘の痕跡が残っていますね、ここで何があったのでしょう」
隊長「宝物庫の護衛と冒険者が、やりあったんだろうよ」
そのとき、部屋の奥から声がした。
騎士「隊長!宝物庫の奥にドアがあります!」
隊長は声のする方にいくと、そこはかつて闇の宝珠があった宝物庫部屋だった。
隊長「台座・・・か。するとここに宝珠があったということか」
騎士「この部屋も調査させます!」
隊長「そうしてくれ」
隊長は部屋を出ると、戦闘の痕跡がある部屋に戻った。
しばらくして、部屋の一角が騒がしくなった。
騎士「隊長!シークレット発見です」
隊長は呼びに来た騎士とともに、シークレットドアに向かった。
騎士「このドアが新たに発見されたものです」
隊長「中は確認したのか?」
騎士「現在調査を開始したところです」
とそのとき、部屋の奥から「あったぞー」と声がした。
隊長は部屋の奥に進むと、そこには腐った箱と、金属製の立派な装飾が施された箱が、山積みにされていた。
そしてスカウト職に同行していたセイジが、鑑定を開始しているところだった。
セイジ「この剣と鎧、ミスギルではないな。確かなことはわからんが、ヨスギルかもしれん」
隊長「よくやった。これを運び出すぞ!輸送隊を呼べ!!」
そういうとポーター職と魔法使い職で構成された輸送隊が入ってきた。
ポーター職はレベルが上がらないので、ダンジョン探索には不向きだが、収納ボックスの収納数などが他の職より優れている。
輸送隊「ではこれらを大聖堂へ運びます!」
隊長は頷くと、運び出しを見守った。
騎士「地下種の勢力を付近に確認できません。とりあえずは安全かと」
隊長「わかった。引き続き、気を緩めずに警戒せよ」
その後ろでは、収納ボックスに武具を格納したポーターを魔法使いが転移魔法で運んでいった。