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大司祭の言葉

戦士たち一行は共闘したパーティーと別れ、闇の宝珠の回収を報告すべく、大聖堂に向けて移動していた。

大聖堂に到着してからの話は、第1話にあるとおりである。

ここからは、第1話の続きのお話です。



さて、闇の宝珠が光の宝珠に吸い込まれ、浄化に成功したかと思われたとき、外が暗くなってしまった。

"夜"が無い世界に"夜"が訪れ、何が起きたかわからず混乱する一行。



僧侶「大司祭様!我々を騙したというのですか!!」


スカウト「おいおい、そんなことないよな?」


大司祭はもゆっくりと話を続けた。


大司祭「そうだ。お前たちは騙されていた。だからワシが利用してやったのだ」


一同に驚きと怒りが溢れた。


戦士「騙されていた?利用しただと!貴様は地下種の協力者、裏切り者だったのか!」


大司祭「そうではない、冒険者たちよ。この現象について説明するから、少し落ち着き給え」


スカウト「・・・納得できる理由だろうな?」


大司祭「混乱するのも無理はない。だがこの後の出来事については、大司祭に代々伝わる文献に書かれておる。まずはその話をしよう」


それを聞いて、襲い掛からんとしていた戦士も体の力を抜き、聞く態勢になった。


大司祭「よいか、この闇は"夜"と呼ばれるもので、永遠に続くものではない。今は闇の宝珠が開放され、力を出しているから暗いが、だんだんと闇の宝珠の力は光の宝珠に浄化され、消えることになる」


スカウト「じゃあ、この闇には終わりがあるということだな?」


大司祭「そうだ」


魔法使い「じゃあ、このまま待っていれば解決するってことなの?」


大司祭「闇の力を早く浄化するために、いくつかやることがある」


戦士「やること?放置するんじゃないのか?」


大司祭「いずれ浄化されて闇が晴れると言っても、ただ待つだけでは時間がかかってしまう。この夜という現象は、いままで皆が体験してきた、若干薄暗くなる時間と同じだけ続く。そのあと光はいつもの明るさで地上を照らすが、また光量がおちる時間になると、闇に包まれてしまう。これを何度も繰り返したのち、闇の宝珠の浄化が終了するのだ」


魔剣「その闇と光の時間が交互に訪れる回数を減らすために、やることがあるというワケか」


大司祭「そういうことだ」


戦士「何をすればいいんだ?」


大司祭「まずは闇の宝珠の力を取り戻そうと、光の宝珠を奪いに来る連中の始末をする」


魔法使い「そんなこと、起きるの?」


大司祭「過去にも同様のことがあり、文献によると、そのときは光の宝珠から闇の宝珠を取り出され、ダンジョンに持ち帰られたとあった。なので、次回はその対策をせよ、と記録されてたのだ」


魔剣「いつ来るのか、わかるのか?」


大司祭「それはわからぬ」


僧侶「であれば、この大聖堂を護衛した方がいいですよね?」


大司祭「ここには神殿騎士職を主力に、戦力はある。そこに冒険者たちも加われば、大丈夫だろう」


戦士「じゃあ、ギルドに応援を頼むべきじゃないか?」


大司祭「うむ、まずは行動を起こすか」


そのとき、ドアを何度もノックする音が耳に入ってきた。


大司祭はドアをあけると、そこには別の司祭が立っていた。


司祭「大司祭様!外が、外が急に暗くなりました!何が起きたのでしょう」


大司祭「安心せよ、これから皆に説明に行く。ついてまいれ」



大司祭とともに、皆で大聖堂のホールに移動した。


大司祭「皆の者!よく聞けい!!」


その声に大聖堂の関係者たちが耳を傾ける。


大司祭「外の暗闇は、闇の宝珠を浄化した副作用のようなもの。しばらくすれば、また光が戻る。それまで待つのだ」


それを聞いて、司祭たちは安心した。


大司祭「このことを住人に知らせると共に、我が国の王へ報告せよ!

そして騎士たちよ!これより闇の宝珠を奪還するための勢力が、この大聖堂に来るだろう。そやつらを始末するのだ!!」


ホールの壁際に待機していた騎士たちは、それを聞いて行動を起こした。


大司祭が号令をかけ終わると、戦士達が近寄っていった。


戦士「これであとは奪還にくる勢力をどうにかすれば、解決ということですね?」


大司祭「いや、そのあとにもやることがある。だがその時がきたら、また説明する。その際はギルドに大聖堂から依頼を出しておくから、確認してくれ。まだやることがあるから、これで失礼するよ」


大司祭はそういうと、騎士を呼び寄せた。


大司祭「隊長を呼んできてくれ」


騎士「わかりました。ただちに!」


そういうと騎士は入って大聖堂を出ていった。




しばらくして大聖堂に隊長とおぼしき騎士が現れた。


隊長「大司祭様、お呼びだと伺いましたが?」


大司祭「うむ。至急やってもらいたいことがある。闇の宝珠があった宝物庫を徹底的に探索せよ。おそらくヨスギル金属があるはずだ」


隊長「浮遊大陸で使われていたという金属が、ですか?」


大司祭「そうだ。文献によると地下種の王に献上されたという記録がある。それを回収するのだ。その際に友好の証として、ヨルギル製の剣も献上したとある。これらの回収を頼みたい」


隊長「一体誰が地下種などと友好を結んだのでしょう」


大司祭「当時の地上種の王だ。互いに不可侵条約を結んだようで、その時の品とある。地下種からは、ミスギル金属の加工技術が一部提供されたともあるな」


隊長「そういうことでしたか。では宝物庫の探索に出ます」


大司祭「頼んだぞ」


隊長は付近の部下に声をかけ、大聖堂をあとにした。




戦士たちは共闘パーティーに事情説明するため、ギルドに向かっていた。


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