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仲間

一行は冒険者ギルドにやってきた。

理由は情報収集というより、一緒に行く仲間を探すためだった。

今ではギルドでの実力が最上位レベルになり、どこの席にも着くことが出来た。あとは最上位レベル同士で格の違いをつけていくことになる。

"その職で習得する全魔法を全て習得したら一人前"などというが、実際はそこまでなれるのであれば、上級者だ。どんな任務でも随伴できると言う意味で、一人前ということなのだ。

魔剣はまだ魔法を習得しきっていないが、前衛としての能力は戦士と遜色なく、前衛とし見れば上級者だった。


スカウト「まずは俺たちにワープステーションの情報をくれた奴らを探すか」


程なくして、彼らを発見した。


戦士「やあ、この前はありがとう。おかげで先に進めたよ」


そう言うと相手も挨拶を返してきた。


冒険者1「お、あんたらか」


冒険者2「無事みたいね」


冒険者3「今度はどうした?」


戦士「王に会った」


それだけを言うと、皆の顔色が変わった。


冒険者1「会ったか。そこまで行ったんだな。なら俺らはもう対等だな」


冒険者2「戦ったの?」


魔剣「いや、会話だけして、逃げてもいいと言われた」


冒険者1「俺らと同じか・・・」


僧侶「同じ?同じ対応だったんですか?」


冒険者2「うん、そうなの。逃げるなら追わぬとか言われたわ」


戦士「どういうつもりなんでしょう」


スカウト「強者の余裕なのか、別に理由があるのか」


冒険者3「王自身がザコだから、怖くて戦いたくないという様子ではなかったな」


戦士「一緒にいかないか?」


戦士の思わぬ提案にびっくりしたようだった。


冒険者1「考えることは同じか。確かに俺らだけより心強い」


冒険者2「転移魔法は使える?」


魔法使い「私が使えるよ」


冒険者2「なら問題ないわね」


冒険者3「仮に、仮にだが勝利したとして、報酬はどうする?山分けでいいか?」


戦士「かまわない。地下種の脅威が去るなら、そっちの方がデカい」


冒険者1「違いねえな。よし乗ったぜ!」


スカウト「よし、それじゃあ・・・」


そこまでスカウトが言ったとき、


冒険者1「まぁ、まて、焦るな。あともう1組、信用できるパーティーがいる。そいつらも一緒に連れていきたい」


スカウト「そいつらが了解してくれりゃあな」


冒険者2「もうすでに話はつけてあるの。ただ、もう少し戦力が揃うまでは出発しないって言われてたのよね」


魔剣「そこへきて、我々か」


冒険者3「そういうことだ」


戦士「早速その人たちと会いたいが、どこにいるんだ?」


冒険者1「今は宿に戻ってる。場所はわかっているから、仲間に呼びに行かせるよ」



しばらく待っていると、ギルドのドアが開いて、2人の冒険者が見えた。


人間種冒険者「おお、ついにみつかったか」


獣人種冒険者「これでこのダンジョン攻略に、終止符を打ってやろうではないか」


戦士「2人だけ?」


魔剣「2人といっても、どちらも神力魔法を使える戦士だな。神殿騎士職だよ」


僧侶「魔剣さんの回復魔法版ってとこですか」


魔剣「そうだ。更にはディスペルも出来るから、僧侶殿と戦士殿が合体した感じだな」


僧侶「なんと。私の上位版が2人か」


魔剣「そうとも言える」


そんな会話を止めて、冒険者1は割って入って話し始めた。

冒険者1「いや、彼ら以外にいもいるぞ」


そう言うと、騎士の背後から何か小さいモノが現れた。


フェアリー種冒険者「私たちもいるよ」


フェアリー種の冒険者と思しき影が4つあった。


人間種冒険者「我々は前衛2,後衛4の組み合わせでな。フェアリー4人は魔法使い職だ」


魔法使い「すごい火力・・・」


獣人種冒険者「実際そうだな。まず魔法で一掃して、残りを俺らが叩くって感じだ」


冒険者1「さて、メンツは揃った。作戦会議としたいが、よろしいかな?」


皆同意したようで、頷いている。


戦士「その様子だと、王に会ったのは我々が最後のようですね」


人間種冒険者「ここでは狭いな。別室を借りよう」


そういうとギルド職員のところへ行き、何やら手続きをしている。


人間種冒険者「よし、部屋を借りられたぞ。ついてこい」


一行は後をついていった。


ギルドの2階に上がると、廊下があり、両サイドにドアがいくつも並んでいる。


人間種冒険者「一番奥だ」


一番奥、通路の行き止まりには大きなドアがあった。3mはあろうという高さだ。


観音開きのドアを開けると、広い部屋になっており、外の光も入ってきて、街の様子も見える部屋だった。


冒険者1「さて、これで3パーティーが結集した」


戦士「まだいたりしないんですか?」


冒険者1「もう1組いるんだが、違う地方から来たとかで、王をどうこうするより、地下に行くほど強くなる原因を探りたいと言われて断られたんだ」


スカウト「あいつらか。なるほどな」


冒険者1「知ってるのか?」


スカウト「まあな。何か理由を知らないかと聞かれている」


冒険者3「そうか。では本題だ。皆の経験は同じで、王に会ったが、戦闘することなく撤退した」


人間種冒険者「そうだな。逃げてよいと言われたのも同じか」


戦士「我々もそうでしたね」


獣人種冒険者「あの部屋の戦力を見るに、このメンツならどうにかできると思う」


スカウト「作戦は?」


人間種冒険者「部屋の正面に王と護衛。部屋の両サイドには兵がたくさん控えていた」


冒険者3「王をやるチーム、部屋左側の兵とやるチーム、右側の兵とやるチームの3つに分ける」


スカウト「それぞれパーティーをぶつけるってことか」


冒険者3「そうだ」


冒険者1「一番の新参者に王をお願いしたい」


僧侶「なぜ我々なんです?」


冒険者2「兵とはいえ、数が多いから、しくじるとほかのパーティーも壊滅しかねないでしょ」


人間種冒険者「王と護衛が一番数が少ない。兵の殲滅は我々が一番早くできるはずだから、殲滅後に応援に入る」


僧侶「確かにフェアリー魔法使い4人の火力があれば早いですね」


冒険者1「もう1団の兵の処理は俺たちだ。君らよりは戦い慣れているからな」


戦士「そういう理由でしたか。それなら全力を尽くしましょう」


獣人冒険者「決まったな」


冒険者2「いつ行くの?」


戦士「ああ、それなら、我々は今さっき戻ってきたばかりなんだ。申し訳ないが、明後日にしてもらえないか」


冒険者1「明日じゃなく明後日なのか?」


僧侶「我々のパーティーの行動パターンなんですよ。帰還した翌日は休んで、その次に出発というのがね」


人間種冒険者「明日でも明後日でも変わりはないな。わかった、俺たちはそれでいいぜ」


冒険者1「そういうことか。体調を崩されても面倒だ。それで行くか」


話がまとまり、一行は明後日出発することとなった。

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