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地上に戻ってきたあと、いつもの鑑定屋に向かった。


いつもと違って違和感があった。


それは、暗いダンジョンから明るい外に出たはずなのに、その明るさをあまり実感できなかったからだった。


あの地下13階がなぜあんなに明るいのか、それはわからないが、あの明るさで探索していたせいで、地上にでても、ダンジョンとの明るさのギャップが小さかった。

地上が少し薄暗い時間というのもあったかもしれない。


僧侶「そういえばあの王城地下。あんなに明るくては、地上と一緒で寝室は暗くしているんでしょうね」


スカウト「そういえば大部屋ばかりで寝室はなかったから、どこかにあったのかもしれんな」


戦士「地上の光とダンジョンのランプの光では性質が違うから、彼らも耐えられるのかな」


魔法使い「地上の光だと、光の宝珠の力が入ってるから、地下種にはツラいもんね」


いままでとは異質の階層の話をしていたら鑑定屋に到着していた。



一行はカウンターに回収した品々を並べると、店員が鑑定人をつれて奥から戻ってきた。


鑑定人「今回も珍しいものが多いな。どれどれ」


そういうとじっくり観察しているようだった。


少しして鑑定が終わったようで、品名と鑑定額を紙に書いてよこした。


鑑定人「このような結果になりました。鑑定額はこちらです」


戦士「初めての物が結構ありますね」


”あくまのむねあて”

”ダークファルシオン”

”ちんもくのつえ”

”エーデルワイス”

”フリディージソード”

”炎2のオーブ”

”癒し2のアミュレット”

”混乱のスクロール”

”Hiポーション3つ”

”麻痺治療薬1つ”

”毒消し2つ”


魔法使いはリストを覗き込んで喜んだ。


魔法使い「やったー。やっとまともな杖がでた!」


僧侶「アミュレットが出ましたが、今更な感じがしますねえ」


魔剣「武具が見たことないものだな」


鑑定人「説明いたしましょうか?」


魔法使い「うん。この杖ってどんな効果があるのー?」


鑑定人「魔力を込めて、天にかざすと沈黙の魔法の効果が発動します。ただし、杖の魔力が尽きると壊れてしまいます。また、所持者の魔力をわずかに高める効果がありますね」


魔法使い「魔力あがるなら、そのまま持ってようかな」


僧侶「このアミュレットは?」


鑑定人「そうですね、、、」


言いかけたところで、スカウトが割って入った。


スカウト「今回は初物が多い。一通り今回の品について説明してくれないか」


鑑定人「わかりました」


そういうと説明を始めた。


鑑定人「あくまのむねあて。こちらは呪物で、防御効果はありますが、着用者が呪われると行動がおかしくなります。

ダークファルシオン。こちらも呪物ですね。こちらは呪われると手元が安定せず、命中率が著しく落ちると報告が上がっています。まあ地上種には無用の品ですね。

エーデルワイスは、宮殿騎士職の方専用の刺突武器でございますので、皆様には不要でしょう。

フリディージソードは、氷の魔力を宿しており、氷結系攻撃を軽減する力がありますが、特に氷結系魔法の効果を発揮できる魔道具の類ではありません。簡単に言うと、氷耐性のある剣ということです。

オーブはご存じでしょうから省きまして、アミュレットですね。

こちらはクラス3の回復魔法の効果を、アミュレットの魔力が尽きるまで使用できるという品です。

特に防御効果等は持ち合わせていません。Ltポーションが詰まったアイテムだと思っていただけばよろしいかと。

混乱のスクロールはそのまま、混乱の魔法を発動できるスクロールで、使用回数は1回ですね。

Hiポーションはクラス5の回復魔法と同じ効果をもっており、大変貴重です。

以上でよろしいでしょうか」


戦士「助かった。ありがとう」


鑑定人「ではお代をこちらへ」


そう言われて、スカウトはハッとした。


スカウト「ああ、この前、余分な金を分配しちまっただろ」


戦士「そうですね。それが何か?」


スカウト「すっかり鑑定代のことを忘れてた。高額品を鑑定できる余剰金がない」


鑑定人「でしたら、戦士さんと魔剣さんの武器を預けていただければ、かまいませんよ」


魔剣「ここにきて、金欠か。笑えるな」


僧侶「以前の冒険者証を預けたことに比べれば、マシでしょうかね」


スカウト「じゃあ、預けていくぜ。金を作って戻る」


そういうと武器を預けて、売却に向かった。


戦士「いつもの防具屋で?」


スカウト「そうだ」


一行はいつもの防具屋を目指した。



防具屋

店主「いらっしゃい。おお、あんたらか。頼んでた品は手に入ったかい?」


店主はニコニコしながら、話しかけてきた。

店内には自分たちが売ったミスギル製の剣を見ている冒険者の一団がいた。


スカウト「いや、そっちはまだだ。だが今回も珍しいもんが手に入ったぜ」


そう言うと、杖以外をすべてカウンターに並べた。


店主「おおー!なんということ。すばらしい」


店主は感動していた。


店主「金額がすぐに決められないな。ちょっと待ってくれ」


店主が品物を品定めし、金額を紙に書いていく。


魔法使い「あ、ほのおの杖がある」


魔法使いは壁にかかった杖に気が付いた。


魔法使い「ねえ、店主さん。この杖の魔力向上効果って、この杖より高いの?」


店主は急に声をかけられ、びっくりしたようだが、声の方向を向くと杖をもった魔法使いが立っていた。


店主「おや、その杖はちんもくのつえ。そうですねえ、魔力向上効果はほのおの杖と同じですね」


魔法使い「同じかぁ。ならいいや」


戦士「購入しようと思ったんですか?」


魔法使い「うん。この杖を下取りに出してね」


店主の金額計算が終わったようだった。

品物代金がすべて紙に記入されていた。


スカウト「すごい額だな。これなら問題ないな。これで頼む」


店主「では、お金を用意いたします」


そういうと店の奥の金庫に金をとりに行ったようだ。


店主が戻ってくると、カウンターにはお金の詰まった袋が乗せられた。


スカウト「まさか袋入りとはな」


魔剣「これでさっさと鑑定屋から武器を回収しよう」


戦士「そうですね」


一行は大金を携えて、鑑定屋に向かった。



鑑定屋

店員「おや、おかえりなさい。どうでした?」


スカウト「金はできたぜ。ホラよ」


そういうとカウンターで支払いを済ませ、預けていた武器を回収した。


魔剣「これで用事は済んだな。この後は、、、」


戦士「宿で整理して、食事ですね」


僧侶「そして明日は休息日!」


戦士「そういうこと」


一行は宿に向かって歩き始めた。

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