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ワープの先



休息日を過ごしたパーティーは、またダンジョンの前に集合していた。


戦士「忘れ物はないですね?」


僧侶「スリッパよし!ランプよし!」


魔法使い「麻痺治療薬よし!」


スカウト「地図魔法の魔道具もあるな」


魔剣「問題無さそうだな」


戦士「では行きましょうか」


スカウト「そう言えば、転移魔法はまだ習得しないのか?」


魔法使い「次のレベルで行けると思うけど、まだかなー」


魔剣「あの変な坊ちゃん冒険者のオトモはやっぱり豪勢だったんだな」


スカウト「輸送隊すら転移魔法持ちだったよな」


一行は過去の出来事を話しながらダンジョンを進んだ。


そして、地下5階からは隠し通路を抜けた先にある連続階段で、地下11階まで抜ける道を進み、悪魔の館をまた抜ける必要があった。


スカウト「またこの館か。道順がわかっているとはいえ、どうにかならねえかな」


僧侶「転移魔法待ちでしょうかね」


悪魔の館を抜けた一行は王城の門をくぐり、ワープステーションへ向かった。


戦士「確か前回は詰所へのワープを使って戻ったんでしたね」


魔剣「今回は違う部屋のワープを使うってことだな」


そういうと、違う扉の看板を見た。


”ワープ先 倉庫群”


スカウト「これだな」


部屋の中に入り、スイッチを押すと、目の前が真っ白に光った。

そして光が薄くなると、違う空間に立っていた。

そしてそこには看板が設置されていた。


”倉庫群”


飛んだ先はちょっとした広場になっており、前方にはドアが3つ見える。

また、右と後ろは壁だが、左には通路が奥まで伸びており、やはり遠くに複数のドアが見える。


スカウト「ドアは倉庫への入口だろうな」


戦士「ギルドの連中は、ここを探索中といってましたから、あまり倉庫の戦利品に期待はできないですね」


僧侶「後発だと、確かに先に進むヒントを貰えるのはいいですが、戦利品はどうしても得にくいですね」


最初の広場にあったドアの先は、ダークゾーンの部屋と、そうでない部屋が混じっていた。

部屋というより倉庫か。

そこには何もなかった。


戦士「では通路の先を調べますか」


スカウト「了解」


魔剣「シークレットがあるかもしれんぞ」


スカウト「そうだな。では次にちょうどいい部屋があったら、休憩をとりたいな」


戦士「わかりました」


付近のドアを調査したが、部屋には何もなかった。


スカウト「ここなんか、休憩にちょうどいいな。集中力確保のため、休ませてもらうぜ」


スカウトはそう言うと壁際に行き、座り込んだ。


魔剣「では我々が警戒に立つか」


そういうと戦士と2人で出口方向を警戒した。


僧侶「私たちも休みましょう」

魔法使いを誘って、僧侶も休憩に入った。



魔法使い「ゾンビ系もいるけど、幽霊も結構出てくるわね、ここ」


戦士「ゾンビ系はともかく、幽霊を魔法かディスペルで対処してくれると助かる。どうにもやりにくいんだ、あれ」


僧侶「わかりました。次は幽霊系を優先しますね」


魔剣「頼んだぞ。早くも銀製武器からミスギル製に乗り換えたことを後悔し始めている」


戦士「現状は、あの巨大蜘蛛以外は銀製品で事足りますもんね」


魔剣「だな。まあ、寝かしが効くゴブリンなどの獣人系は、どっちの武器でもいいな」


僧侶「また物理と魔法から保護する魔法障壁を展開しなおしますね。ここまで来るだけで一回切れてしまうとは」


魔法使い「探索のスタートラインに立つまでが長旅よねぇ」


戦士「戦利品はゴブリンから手に入れたものと、アンデッドから入手したスクロールか」


魔剣「金にはなるだろうな」


魔法使い「ほんとに杖持ってるやついないなー」


しばらくしてスカウトが口を開いた。


スカウト「待たせたな、すっかり調子もよくなった。探索再開としようか」


戦士「わかりました。ではいきましょう」


一行は休憩していた部屋を出ると、また通路に接続されたドアの調査を開始した。



通路は途中で2股に分かれ、それぞれの通路にドアがいくつも設置されている。


スカウト「倉庫群って言うだけあって、すごい数のドアだな」


そしていくつかドアを調査し、次のドアを開けて部屋に入ると兵士が立っていた。


衛兵「どっかの冒険者が起動したとか言う転送装置のおかげで、物資の運搬が捗って助かるってもんよ」


兵士は上機嫌なご様子だ。


衛兵「ミスギル製はだいぶ回収した感じだな。地上での加工技術向上を期待してしまうよ」


どうやらこの辺りの遺物は回収済みのようだった。


衛兵「我々はこれから地上に戻る。冒険者諸君も気を付けるといい」


そう言って衛兵たちと別れた。


一行が先に少し進むと、上質な武具で身を固めた兵士が立っていた。


衛兵「かなり闇の力が増している。ここまで来れたってことは、それなりの力があることは分かるが、十分に準備してから下へ行けよ?」


そう忠告すると、先ほどの衛兵に追いつくべく部屋を急ぎ足で出ていった。


スカウト「この階層は遺物が無いかもしれんな」


そんなセリフを言ったとき、ちょっとした広場にでた。

そしてそこには階下へ行く階段があった。


戦士「ここにきて、階段ですか」


スカウト「ちょっと地図魔法を見せてくれ」


魔剣「承知した」


地図魔法を唱えると、目の前に地図が表示された。


魔剣「こちらの区画が規則性からすると、怪しいですな」


スカウト「確かにな。となると調査候補は、怪しい部屋が2つと、通路の突き当り2か所か」


戦士「階下へ行く前に調べてみましょうか」


僧侶「まだランプはありますから、ダークゾーンの部屋だったとしても大丈夫ですよ」


スカウト「決まりだな。よし行こう」


一行は階段を目の前にして、すでに歩いた場所の再調査を開始した。



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