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旅立ち

メンバーたちはダンジョン入口へ集合していた。


戦士「今更地下1階で肩慣らしするような感じじゃないので、地下2階で肩慣らしと連携や各々の力量確認を1週間程度やろうと思う。何か意見はあるかな」


魔法使い「リーダーやってくれるのね」

イタズラっぽく魔法使いに言われてしまったが、誰かが切り出さないと先に進まない。


僧侶「最初からそんな雰囲気だったし、リーダーは彼でいいんじゃないかな」

ほかの皆も異論はないようであった。


戦士「流れでリーダーになってしまったが、先ほどの提案でいいかな?」

魔剣「ふむ。最初に息合わせは必要だからな。それくらいがいいだろう」

スカウト「経験者の意見はありがたいね」


戦士「では、そんな感じで一週間よろしく!」


一行はダンジョンへ入っていった・・・


戦士「すごい数のランプだな」


僧侶「そうですね。これをみるとダンジョンに来たって感じがしますよ」


魔法使い「地上じゃランプなんて使わないものね」


戦士「だな」


魔剣「魔法で管理してるんだろうが、大変だなこりゃ」


一行は雑談しながら地下1階を進む。


戦士「昔はこの辺でよく魔物退治して腕磨きしたもんだ」


魔剣「私は転職してレベルが下がったのでちょうどいいんですがね」


地下1階は通路の両サイドに扉があり、部屋には住人か魔物がいる状態となっている。


まだ光の宝珠の影響があるので、魔物も弱く、少ないので地上に土地の無い者はここで暮らしている。


広い通路に出ると奥に階下へ通じる階段が見える。


一行は階段を降りていった。


戦士「よし、目的地の地下2階だな」


僧侶「ではここで各々の役割確認と力量把握の練習をしましょうかね」


魔剣「承知した」


魔法使い「私は援護に徹するね」


一行はしばらく魔物との戦闘を繰り返し、各々の力量把握と連携のポイントを確認しあった。


・・・そして一週間が経過した・・・




戦士「1週間の訓練、お疲れ様!」


魔剣「魔法の力量や戦士との連携がなんとなく把握できてよかったよ」


魔法使い「もっと呪文が使えればなあ」


僧侶「それはしかたありませんよ。これから魔法の杖などを拾えば活躍の場が増えますって」


魔法使い「うーん、それまではお荷物かなーって」


魔剣「魔法使いなど、どこでも駆け出しはそんなものだから気にするな」


戦士「魔法使いの呪文切れが1つの帰る目安だし、いいんじゃないかな」


魔法使い「なんか気を使わせてしまったみたいね、ありがと」


僧侶「魔剣さんも初期魔法なら使えますので、普通のパーティより恵まれてますよ」


スカウト「やっと私の仕事ができる。戦闘はサポート係だったからな。本職は探索補助だ」


スカウト。俗に言う盗賊のような職業。

戦闘においては後方からの支援が多いが、装備によっては前衛補助を担うこともある。ただし戦闘は補助役であり、本業はダンジョン内での罠解除やシークレットドアの探知である。


戦士「では明日は1日休んで、明後日からダンジョンへ潜りましょう」


一行はそれぞれ街中へと消えていった・・・


おやおや戦士さん、おかえり!


戦士が宿に入ると元気な声が聞こえた。宿の女将だ。


女将「訓練はうまくいったかい?その顔だと成功だったようだね」


戦士「ええ、やはりやってよかったですよ」


女将「うちの主人も昔はパーティを変えるとよくやっていたからね。長生きの秘訣さね」


戦士「助言に従ってよかったですよ。リーダーと言ってもパーティの経験なんてないですから」


女将「お役に立てたようで何よりよ」


女将「食事はないから、街中で済ませてきてね。寝室は地下室3番を空けてあるわ」


女将「暗いのが嫌で明るい部屋が好みなら、そのまま部屋へどうぞ」


戦士「ありがとう。疲れたから早速寝ることにするよ。鍵をもらうね」


そういうと戦士は地下室の鍵を受け取った。


地下室といっても完全な地下ではなく、半地下のような構造で、天井に近い部分から光が部屋にもれて

真っ暗闇を回避している。


戦士は薄暗い部屋の中で眠りに落ちた。



僧侶は魔法使いと一緒に街へ繰り出していた。


僧侶「マジックキャスター同士、少し親睦を深めるため飲みましょう」


魔法使い「あなたのおごりよね?」


僧侶「もちろん」


魔剣「なら私も参加させてもらおうかな」


2人の後ろから魔剣が声をかけた。


僧侶の顔に少し不満が現れた。


魔剣「私も一応マジックキャスターになるのだが?」


僧侶「男は自分で払ってくださいよ」


魔剣「ふん、そんなことか。かまわんぞ」


そう言うと魔剣は二人の背を押して店の中に入っていった。


3人は訓練終了と成功を乾杯し、酒を胃に流し込んでいく。


僧侶「魔剣殿は戦士からの転職組でしたね」


魔剣「そうだな」


僧侶「戦士のときはパーティに所属していたので?」


魔剣「うむ。戦士、戦士、魔法使い、僧侶、スカウトの5人組だったな」


僧侶「なぜにそのパーティを抜けたのです?まあ、言いたくない過去もありましょう」


僧侶「言う、言わずはおまかせしますよ」


魔法使い「私も聞いてみたい」


魔法使いと僧侶の目が魔剣を見る。


魔剣「僧侶と戦士がデキていてな・・・」


魔剣は歯切れ悪く話を始めた。


魔剣「明らかに戦士の彼を優遇する魔法対応が目立ってきてなあ」


僧侶「ほうほう」


魔法使い「それでそれで」


魔法使いの目が輝いている。


魔剣「戦士の彼に魔法をかけたとき、彼以外に魔法を発動する方がベストな場面が何度あったことか」


魔剣「あのパーティにいては、いずれ自分達は壊滅すると判断して抜けたんだよ」


僧侶「なるほど男女関係が原因でしたか」


魔剣「そういうことだ」


魔法使い「ほかのメンツは残ったんですか?」


魔剣「どうだろうな。その後はどうなったか聞いてないな」


魔剣の口ぶりから苛立ちが感じられる。


魔剣「この新パーティでもそんなことがあっては面倒だからな、それで声をかけさせてもらった」


僧侶「なーるほど」


魔法使い「でも私はこの僧侶に興味なんてないから安心して。ついでにいうと今のメンツ全部」


バッサリいった。


魔剣「む、まあ、それなら安心か。これから発展する可能性もなくはないが・・・」


魔法使い「奇跡がおきればねー」


僧侶の顔から元気が消えている。


僧侶「ではそろそろお開きにしますか」


魔剣「そうだな。明日からよろしくな」


3人は酒場を出るとそれぞれ宿へ散っていった・・・


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― 新着の感想 ―
[良い点] RPGあるあるで、実際細かい会話はこうなんでしょうね。冒険の目的もシンプルながらミステリーで気になります。 [一言] まだ全部呼んでいないですが、カッコいいNPCのスピンオフなんかもあった…
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