表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

29/185

王城へ




戦士「さて準備はいいか、出発だ」


いつもの号令でダンジョンに入っていく一行。



地下11階

スカウト「悪魔の館対策に、地図魔法の効果がある魔法具を買っておいた」


魔法使い「準備いいわね」


スカウト「前回攻略時の地図魔法の内容は、俺の地図に転記したから、今回は現在地確認のために地図魔法を使う予定だ」


無事に館を通過した一行は王城入口に到達した。


僧侶「前回はここでヘトヘトでしたが、今回は余裕がありますね」


スカウト「じゃなきゃ困るがな」


スカウトは笑いながら言った。


戦士「よし、いくぞ」


「王城」と書かれた横のドアを開けて中に入ると広い前庭のような空間にでた。


壁は岩ではなく、レンガ状の人工物で作られていた。

天井は10mはあろうかという高さだが、天井は岩がむき出しだった。


魔剣「広い空間だな。遠くが暗くてよく見えないな」


ランプの光も届かないくらいに広さはあるようだ。


スカウト「とりあえずこの広場をマッピングして、それからドア探しをする」


スカウトを先頭に警戒しながら探索を続けた。




スカウト「ここまででわかったのは、ドアがたくさんあったこと、ダークゾーン通路があることだな」


僧侶「ランプは5つありますし、ランプ魔法もあるので、その点は大丈夫ですよ」


スカウト「ふむ」


戦士「ではドアの先の調査ですね」


今度はドアの先を調査すべく、探索を再開した。



スカウト「この部屋は休憩にちょうどいいな、どうする?休憩していくか?」


魔法使い「休みたい」


戦士「では休憩としましょう」


いつものように魔法使いは、まっさきに座り込むと横になった。


魔剣「ゴブリンの魔法使いもランクが上がって強力な魔法を使うつもりなのか、詠唱時間が延びてるな」


僧侶「沈黙魔法が効いてるのが救いですね」


戦士「プリースト系と思われる奴は、魔法使いさんの魔法一発で一網打尽になるのもありがたいですよ」


魔法使い「練習しておいてよかった。強力な魔法はまだまだあるから、安心してねー」


僧侶「スペルキャスター陣の役割も固まってきましたね」


魔剣「俺の魔法は、前衛へ睡眠魔法をかけるのが仕事だな」


僧侶「アンデッド系はディスペルできるからいいとして、あの巨大な蜘蛛は気持ち悪いですねえ」


魔剣「あいつか、毒トカゲも複数連れて歩いてたな」


魔法使い「火が弱点じゃなかったね」


戦士「得られるものもないし、戦いたくない相手ですね」


魔法使い「またオーブがあったから、これは期待できそうだなー」


魔剣「ゴブリンの剣士は弓を持っていたな。鑑定次第ではスカウト殿が使う感じか」


スカウト「まあ、そうなりそうだな」


僧侶「そう言えば最初のころは、泊りがけで行こう!なんて言ってましたが、やはり休憩で済む程度がよいですね」


スカウト「ああ、集中力の回復に難があったと思うぜ。今思えばな」


戦士「シークレット探しとか、失敗しそうですもんね」


僧侶「その点では、面倒でも帰還しているこのやり方がいいんでしょうね」


魔法使い「無駄にアイテム持たなくていいしね」


僧侶「そうですね。どのみちダークゾーンや毒のことを考えると、泊りがけはどこかで破綻してそうですね」


戦士「うっ。まあいい経験にはなったよな。後続にアドバイスをするときの根拠も説明できるし」


魔剣「そうであるな」


スカウト「ちげぇねえ」


戦士「ではそろそろ再開しますか」




いくつもあるドアを開けていったが、どこも広い空間があるだけで何もなかった。

そんな中、一際大きな部屋があった。

かつては何かの集積所だったであろう、とても広い空間が広がっている。

壁にはミスギル製の大きなプレートが何枚も埋め込まれていた。

商品リストの掲示にでも使っていたのだろうか。

いろいろと思案しても答えが出るはずもなかった。


スカウト「何もねえな」


僧侶「板もありませんねえ」


戦士「次をあたるしかないか」



今度のドアは鍵がかかっているようで、開く様子がない。

スカウト「鍵穴が無いな。こじ開けるにも穴がないことには・・・」


魔剣「取っ手の上の隙間は鍵穴では?」


取っ手の上には横幅5㎝程度で、紙が1枚入る程度の厚みの穴があった。


スカウト「こんな鍵穴みたことないぞ」


僧侶「これが例の"板"を差し込む場所ですかね」


魔剣「ドアも頑丈そうだな」


スカウト「このタイプの鍵穴の知識が俺にない以上、どうにもできん、次へ行こう」



今度はダークゾーンの部屋だった。


スカウト「狭い倉庫って感じなのか?でも何もねえな」



スカウト「ここも暗いだけの部屋か・・・」



スカウト「次はこのダークゾーンの通路だ」


一行が歩いていると、スカウトが何かに気づいた。


スカウト「まさか、ウソだろ?」


暗闇の中、スカウトは壁を調査しているようだった。すると、しゃがみこめば潜れる位の隠し通路がみつかった。


戦士「おおー」


抜けた先の部屋は資材置き場なのか、手つかずの品が残っていた。


魔剣「一番乗りっぽいな」


僧侶「あとはあの"板"があるかですね」


戦士「なにやら金属の塊がありますね。ミスギルでしょうか」


スカウト「とりあえず持って帰ろう」


魔法使い「ここにも塊あるね」


スカウト「お、板らしきものを見つけたぞ」


魔剣「ほんとに板だな」


スカウト「これなら同じ形の木片でも鉄片でも差し込めばよさそうだな」


戦士「これであの謎のドアを開けられるのか」


スカウト「よし、行ってみるか」


一行は資材置き場をあとにし、謎のドアへ向かった。



”ワープステーション”

そう書かれたドアには取っ手の上に小さな口が開いていた。

スカウトはその口にさきほどの板を差し込んだ。

すると目の前が真っ白になった。

光りが薄れ、あたりを見ると先ほどとは違う場所に立っていた。

部屋の中央にはミスギル製のテーブルが置かれていた。そして壁にはいろいろなメモらしきものが貼られていた。


戦士「転移した?」


僧侶「ここにワープするドアだったんでしょうか」


魔剣は地図魔法を唱えた。


魔剣「いや先ほどのドアからほとんど動いてないぞ」


スカウト「ここがあのドアの先ってことか」


飛んできた空間は部屋になっており、いくつかのドアが見える。


スカウト「ちょっとこの部屋を調査するぜ」


スカウトが調査している間、ほかのメンバーは警戒と簡単な調査をすることにした。



スカウト「出口って書かれたドアが奥にあるな。あとは転送先が2つあるようで、行先がドアに書かれているな」


戦士「こっちには”電源操作盤 操作方法”ってプレートが壁にありますね」


皆でその説明板の前に来た。そしてその通路の奥には、何やらスイッチ類がたくさん壁にくっついていた。


壁にはミスギル製のプレートが埋め込まれており、


「電源操作盤 操作方法」


と書かれていた。しかし、その手順が書かれているであろう場所は空白が埋め尽くしていた。


さらに下に目を落とすと、壁に接続された机があり、そこにもプレートが埋め込まれていた。

そして説明書きがあった。


まず最初に、「電源スイッチのオフ」を確認する。

そして「ケーブルを接続する」のだが、その前に「安全装置を作動」させること。

「電源スイッチをオン」にするのは最後。

「クリーニング用魔力回路を作動」させ、「安全装置を解除」する。

あと「電撃系魔力吸収回路の接続」はケーブル接続と安全装置解除作業の間で実施することを忘れずに。


と書かれている。


は?何だこれ。

そんな感情が湧き上がってくるのを皆は感じた。


魔法使い「あの壁のスイッチの順番かしら」


スカウト「おそらくな。こいつをどうにかしないとワープ装置が動かないらしい」


戦士「行先の詰所って地下7階のへんなモコ種の冒険者がいた部屋かな」


魔剣「ほかにあるのかもしれんぞ」


魔法使い「倉庫群もどこかわからないわね」


僧侶「とりあえずワープ装置を使えるようにして飛ぶしかなさそうですね」


スカウト「ギルドの連中も、これを使わないと別区画に行けないと言ってたからな」


戦士「この説明書いたやつ、バカだろ」


魔剣「思いついた順番に書いたとしか思えない順番だな」


魔法使い「これって、正しい順番を読解しないといけないパターンよね」


僧侶「ややこしい。なんで最後に操作する内容を途中に書くんだよ」



しばし内容を整理し、順番を確立していく。


ただしい順番にスイッチを押せたようで、ブーーーンという音がスイッチから聞こえてきた。


スカウト「よし、成功だ」


戦士「とりあえず、詰所にとんでみませんか?」


魔剣「もしあそこなら帰りが楽だな」


スカウト「よし、行先が詰所のドアを入ろう」


一行はドアを開けて中に入ると、スイッチを押した。


目の前が真っ白になり、光が薄れると別の場所に立っていた。


魔剣「地図魔法によるとやはり地下7階のあの区画だな」


スカウト「ここはすでに歩いた場所だな」


飛んできた部屋を出てドアを見ると看板が下がっていた。


”兵士詰所 転送先”


戦士「なるほど、そういう意味だったのか」


魔剣「地下からの転送先の部屋ですよってことか」


スカウト「あとは通路奥にある部屋のワープ装置を使えば地上だな」


僧侶「謎の塊もありますし、一度戻りますか」


戦士「そうですね」


一行はワープ装置で地上へ転移した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ