表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

26/185

地下11階への道




戦士「さあ、出発だ」


スカウト「これで何度目のやりとりかね、これ」


魔剣「今後も続くルーティンだろうな」


たわいない会話をしながらダンジョンに入っていく一行。


戦士「そういえば今回は、今までと違って、地下5階で地下城を経由せずに、前回発見した階段で一気に9階まで降りるんですよね?」


スカウト「ああ、その予定だ」


魔法使い「5階でちょっと歩くから、そこで魔法のた試し撃ちしよっと」


僧侶「私はその死んだ敵に、蘇生魔法かけてみようかな」


スカウト「恐ろしいこと言わないでくれ」


一行は、5階に降りて、いつもとは違う道で目的地を目指した。


スカウト「この先が前回発見したドアのところだ」


戦士「私が狂ったところですね」


スカウト「そうともいうな」


魔剣「では行くか」


シークレットを通り、長い階段を下りていく。



地下7階

スカウト「すぐ近くのシークレットを通るぞ」


再度シークレットを通り、長い階段を下りて行った。



地下9階

スカウト「ここは初めて来るところだな。地図で確認をしたい」


魔剣「了解した」


地図魔法を詠唱し、地図が現れた。


スカウト「この壁の向こうが最初に通った9階の区画か。どうやらここの空間には何もないな。このまま地下への階段を下りるぜ」



地下11階

スカウト「長い階段だったから、地下11階になるのか?随分下にきたな」


目の前には2つに分岐した通路があるが、その先は真っ暗闇だった。


スカウト「ダークゾーンの部屋はあったが、通路は初めてだな」


案の定、暗闇に入った瞬間ランプは消えてしまった。


スカウト「手探りでいくぞ」



扉が連続する。


スカウト「ん?これは・・・」


このダークゾーンに入った分岐点に戻ってきた。


スカウト「もう一度だ。今度は違う方角に進んでみるぜ」


もう一度同じ分岐からダークゾーンの通路に入った。


クネクネ曲がっており、ドアを潜るとまた分岐だ。

スカウトは何か異変を感じていた。

そして、また最初の分岐点に戻ってきた。


スカウト「やっぱりか」


魔剣「地図魔法を使ってみるぞ」


ダークゾーンは一方通行のドアと、魔法の壁で構成されていた。


スカウト「これはひどいな。とりあえず選択していない方を選択し、潰していこう」


地図魔法を使いながら歩いていない場所を潰していった。すると違う通路に出た。


”悪魔の館”

そんな看板が目の前のドアに掲げられていた。


スカウト「なんだこりゃ」


僧侶「悪魔が出るんですかね。もしそうなら私がディスペルしましょう」


警戒しながらドアを開けると、そこは狭い小部屋だった。

そして四角い部屋の2面にドアがある。


スカウト「いきなり分岐か」


ドアを開けると、また狭い四角い小部屋に出た。今度は今通ってきたドア以外に3面にドアがある。


スカウト「おいおい、どんどん分岐するぞ」


ドアを1つ選び、進むと今度は通路が見える。

通路を少し進んだところでスカウトは異変を感じた。

後ろの通路が壁になっていた。


魔剣「魔法の壁か」


通路には右手に2つもドアが見える。


スカウト「とりあえずまっすぐ進んで、大きくマッピングしてみる」


通路の奥にあるドアを開けて、全員が部屋に入った瞬間、毒ガスが壁から出てきた。

一行は急いで別のドアから部屋を出ると、床が光り、目の前が真っ白になった。

光りが薄らいでいくと、さっきまでとは違う部屋にいることに気づいた。


僧侶「毒ガス部屋に、転移罠ですか」


魔法使い「毒消してー」


僧侶は皆に毒消しの魔法をかけると、魔剣が地図魔法を唱えた。


魔剣「飛ばされたのはちょっとだけだが、マップの形がひどい」


スカウト「小部屋の連続に魔法の壁、一方通行ドアに回転床もあったのか」


魔法使い「敵が悪魔なんじゃなくて、この部屋の構造がアクマね」


スカウト「手動のマッピングで狙った通り歩ける気がしない。地図魔法で逐次確認していこう」


そう言うと少し歩いては地図を確認するという作業に入った。



ワープで何度か飛ばされもしたが、だんだんと地図が埋まってきた。


魔法使い「地図魔法の回数がもう少ないよ」


スカウト「未踏破部分は絞られてきた、これでダメなら帰還だな」


毒ガス部屋を通り抜けた先に何もなった。


スカウト「マジか」


魔剣「またどこかにシークレットでもあったのかもな」


地図魔法で地図を見直した一行は、怪しい場所に目星をつけた。




スカウトは何かに気づいた。

スカウト「ん?ここの壁・・・」


壁が反転した。壁に見せかけたドアだったようだ。

出口のドアには札が下がっていた。


”ゴール”

”おめでとう!”


スカウト「ふざけやがって」


僧侶「こんな遊びをする地下種がいるんですね・・・」


魔法使い「もういやっ」


落ち着いて周りを見渡すと、通路の隅に別の冒険者の一団がいた。



冒険者「あんたたちも抜けられたか」


戦士「大変な目に遭いましたよ」


冒険者「こっちもだ。地図アイテムも消耗したし、俺らは一度戻ることにした。あんたらも気をつけろよ」


そう言うとスリッパを叩きつけて、姿を消した。地上に転移したようだ。


スカウト「地図魔法はあと何回いける?」


魔法使い「2回」

魔剣「1回だ」


スカウト「余裕がねえな。この空間だけ調べて戻ろう。ドアには入らず通路だけ調査だ」


悪魔の館を抜けた先の空間はそんなに広くなかった。代わりに、2つ並ぶドアの横には札が掲げられていた。


”王城”


戦士「ついに地下の王の城ですか」


僧侶「最後にいい確認ができましたね」


スカウト「キリもいいし、戻るか」


魔法使い「悪魔の館を抜けるだけの余力はないから、スリッパで帰ろ」


戦士「その方がいいな」


それを聞いた僧侶はスリッパを取り出し、床に叩きつけた。


そして皆は地上に転移した・・・


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ